自分の父親からゲイだとカミングアウトされたらどうする? 『人生はビギナーズ』公開!

もし、自分の父親から今になって「自分はゲイだ」と宣言されたら、どうするだろうか。じゃぁ、なぜ私が産まれたの? と当たり前の疑問が起こるかも知れない。しかし「努力はした。でも、やっぱり変わることが出来なかった」と言われてしまったら……。

ありえない! と思うかも知れないが、これは本当にあった話。

映画『サム・サッカー』で人気を博したマイク・ミルズ監督が実際に体験した話を自ら映画化。それが2月4日(土)から公開された『人生はビギナーズ』だ。

ストーリー


主人公のオリヴァーは、“非”社交的な38歳、独身。親友は犬のアーサー(←このワンちゃんがとにかく可愛い!)。

母親が亡くなってから5年後、その母親と40年以上連れ添った父親ハルから「私はゲイだ」とカミングアウトされる。

驚くオリヴァーをよそに、若々しいファッションに身を包み、パーティに恋に楽しみを見いだすハル。しかし、ハルは癌に侵され余命わずか……。人生をもう一花咲かせようと生きる彼を支えるうちに、オリヴァー自身の心も次第に変化し、心惹かれるアナとの関係も何かが変わり始める……。

思わず母性本能までくすぐられるユアン・マクレガー


主人公のオリヴァーを演じているのが、『トレインスポッティング』で鮮烈な印象を残したユアン・マクレガー。近年では『スター・ウォーズ』といったハリウッド作から『ゴーストライター』でロマン・ポランスキー監督とタッグを組むなど、幅広い活躍を見せている。
オリヴァー役では、父のカミングアウトに戸惑いながらも、本当に生きたい人生にチャレンジしてゆく姿に影響され、自分のこれまでの人生を見つめ直したり、気になっている女優のアナへ心を開いてゆく……その繊細な心の成長を見事に表現している。見ているうちに何とかオリヴァーが幸せになるよう応援したくなってしまう。これって母性本能かも……?

人生の輝きを教えてくれるクリストファー・プラマー


そんな彼の父親ハルを演じているのが、名優クリストファー・プラマー。

実年齢では80歳を超えている彼だが、身長も高くて何だか“男の色気”もあってとカッコいい。近年では『インサイダー』『Dr.パルナサスの鏡』に出演しているが、『サウンド・オブ・ミュージック』(65)のトラップ大佐といえばピンと来る方もいるかも?本作の難しい役どころを魅力いっぱいに演じている。これまでに数々の映画賞を受賞してきた彼だが、ここでも本年度ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞、アカデミー助演男優賞にもノミネートされ、今月末の授賞式も楽しみ。

また、フランス人女優のアナを演じているのは、タランティーノも惚れ込んだ『イングロリアス・バスターズ』のメラニー・ロラン。彼女の衣装といい、しぐさがとにかくキュート。真似しても彼女になれないと思いつつ……真似したくなる(笑)。

最後に


マイク・ミルズ監督といえば、映画『サム・サッカー』のほか、 X-girlのアートワーク、 GAPやNIKEのCM、ソニック・ユース、チボ・マット、ビースティ・ボーイズ、エールらとの コラボレーションでも知られている卓越したセンスの持ち主。それだけに、キャストが来ている洋服やインテリア、映像自体どこかオシャレなのが見ていて楽しい。
そして何より、自分らしく生きることをどこまでも応援してくれる。何歳になっても遅くない、自分の生きたいように生きることの素晴らしさと勇気をくれる。彼氏や彼女、友人と一緒に観に行くと、その後にいつもとは違った深い話ができそうな作品だ。
(mic)

『人生はビギナーズ』
監督:マイク・ミルズ
出演:ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン 
(c)2010 Beginners Movie, LLC. All Rights Reserved.

2012年2月4日から新宿バルト9、 TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開

この記事を書いたライター

mic(ミック)
ねこ女優・シネマスタイリスト。コラム執筆、TV・ラジオにて様々な映画を紹介。舞台挨拶や来日記者会見のMCも。一方、女優としてひとり芝居や映画出演も

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