『セブン』のデビット・フィンチャー監督の最新作が大ヒット中! 『ドラゴンタトゥーの女』

本年度アカデミー賞で主演女優賞をはじめ、5部門でノミネートされ、そのクオリティと衝撃度で話題を呼んでいるデビット・フィンチャー監督の最新作『ドラゴンタトゥーの女』が2月10日(金)に全国431館で公開され、10(金)・11日(土)・12日(日)の3日間で動員227,524人、興行収入288,471,700円を上げ、週末興行NO.1の成績を収めている。これは、前作『ソーシャル・ネットワーク』の時よりも大幅増となった。

その勝因は、まずは物語のストーリー展開とその衝撃性だろう。

ストーリー


月刊誌「ミレニアム」で大物実業家の不正行為を暴いたジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)。そんな彼のもとに、ある大財閥会長から40年前に起こった兄の孫娘失踪(しっそう)事件の調査依頼が舞い込む。ここから、白夜のスウェーデンを舞台に、数十年に及ぶ血族の因縁と猟奇的ミステリーに彩られた物語がスタート。ミカエルは天才ハッカー、リスベット(ルーニー・マーラ)に協力を仰ぐが……。

本作は、『ミレニアム』3部作として全世界で6500万部を突破、映画にもなったスウェーデンのベストセラー小説をハリウッドで映画化したもの。監督は、『セブン』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャー。脚色がスティーブン・ザイリアン(『ハンニバル』『シンドラーのリスト』)という才気溢れる組み合わせ。上映時間が2時間38分もあるのに一度たりとも“長い”と感じさせないのがさすが。冒頭からラストに至るまで、その緊迫感は続く。

アカデミー主演女優賞ノミネートの新人女優、ルーニー・マーラ


中でも、強烈な印象を残すのがルーニー・マーラ演じるリスベット。天才ハッカーという才能を持ちながら、これまで不遇な人生を送り心に闇を抱え、決して人をよせつけない。劇中では彼女に起こる衝撃の事実も描かれ、猟奇的事件の解明と共に、彼女の人生の行方にも釘付けだ。

フィンチャー監督が創り上げたリスベット像を見事に演じきったのは、『ソーシャル・ネットワーク』で主人公の恋人役を演じたルーニー・マーラ。そのお嬢様的な印象とは正反対のリスベット役に全米が大絶賛。本年度のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。ちなみに、彼女自身は祖父がニューヨーク・ジャイアンツの創始者、父親は副社長。慈善事業にも積極的で、自らFaces of KiberaというNPO団体を創設し活動している。

美しい風景と個性的な人々


また本作では、舞台となるスウェーデンのへーデスタという小さな町が美しい。筆者は見ていて凍えそうになったが(笑)、その純白の世界で起きた不可解な事件とのコントラストが、ひとつの魅力と言ってもいい。そこでダニエル・グレイク演じるミカエルが出会う人々が、これまた個性的、ひと癖もふた癖もありそうで真意が掴めず……誰もが犯人に思えてしまう。

最後に


最後に、デートムービーとして観るのにオススメか否かと聞かれると、うーん、難しい(苦笑)。というのも、原作同様、目を伏せたくなるような問題のシーン(でも重要)が観客の逃げ場がないカタチで描かれていたり、そもそもフィンチャー監督の映像は暗いので……決して華やかな気分にはなれず……。ただ、そういった事もクリアできる大人なカップルやフィンチャー好きのふたりであれば、かなりエキサイティングな時間を過ごすことが出来るだろう。

個人的には、冒頭のオープニングロールを見逃さないように気をつけて頂きたい。その映像のクオリティについては既に噂になっているが、後から思い出すとこれから始まる物語の伏線が詰まっている。随所に感じるフィンチャー監督の手腕を楽しんで頂きたい。
(mic)

『ドラゴン・タトゥーの女』
監督:デヴィッド・フィンチャー(『セブン』『ソーシャル・ネットワーク』)
エル・クレイグ(『007慰めの報酬』)/ルーニー・マーラ(『ソーシャル・ネットワーク』)
現在公開中
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

この記事を書いたライター

mic(ミック)
ねこ女優・シネマスタイリスト。コラム執筆、TV・ラジオにて様々な映画を紹介。舞台挨拶や来日記者会見のMCも。一方、女優としてひとり芝居や映画出演も

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