アプローチの加減は? 恋人になりたいときの「距離の縮め方」

「好きな人に好きと言ってはだめ?」という投稿が寄せられました。トピ主さんは25歳女性。職場の先輩男性社員を好きになり、積極的に好意をアピールしているものの、周囲の女性からは「あまり『好き』といっては良くない」とアドバイスされるとのこと。トピ主さんのように、身近な人を好きになり、「ただの同僚や友人」の関係から発展したいときには、どんな風に距離を縮めていくのが良いのか――今回はそんなテーマで考えてみたいと思います。

関係性によっての、適切な「距離感」


私たちは普段、「親密さの度合い」によって、無意識に互いの距離を保っています。家族や恋人には頼めても、友人には失礼……と遠慮することがあったり、毎日会っている同僚でもプライベートには誘いづらい……というふうに、関係性によって「適切な距離感」というものがあります。これらは身体的な距離感にも反映され、心理学者ホールは、この距離感について、『(1)親密ゾーン(家族や恋人、親友)、(2)友人ゾーン(友人)、(3)社会ゾーン(上司、同僚、先生など)、(4)公衆ゾーン(見知らぬ人)』という4段階に分けています。

皆さんは、満員電車や狭いエレベーター内などで、恋人や家族ならば問題ないけれど、友人や知り合いだと、身体が近すぎて気まずく感じ、視線をそらしたりした経験がありませんか? これも「互いに快適だと感じる距離」が、親密さの度合いによって違うから、ということで説明できます。お互いに適切な距離感を保っていれば、通常その関係は保たれていきます。互いに釣り合いの取れた“平衡”な関係を築く、ということで、心理学者アーガイルは、これを『親密性の平衡モデル』と名付けています。

『親密ゾーン』に触れなければ、平行線のまま!?


さて、トピ主さんと先輩社員は、今はまだ“ただの同僚”なので、上記の説明でいえば、社会ゾーンの距離感にある、ということになります。より親しいゾーンへ関係を変化させたい場合は、「今ある平衡関係」を崩さなくてはなりません。こうした「親密度を変える試み」は通常、以下の流れで行われます(心理学者パターソンの『親密性の覚醒モデル』による)。
1)片方が、今までよりも「親しい距離感」にあたる行動をする(意図的または偶然に)
2)その際、相手は以下のどちらかの感情を喚起させる
 (A) 不安、不快、当惑などの“ネガティブ”な感情が生まれる
 (B) 好意、愛、安心などの“ポジティブ”な感情が芽生える

相手の反応を見て、距離感を調整する


恋愛でのアプローチをする際は、上記の流れで、「相手がどう反応するか」を見て、さらに「それに対して、こちらがどう行動するか」が重要なポインットになってきます。Aのネガティブな反応をされたら、「現段階では、今以上に親しくはなりたいと思っていない」という意思表示ですので、すぐに以前の距離感に戻して接しましょう。この段階でしつこく近寄ろうとすると、相手のネガティブな感情を倍増させてしまいかねません。
一度拒否されたくらいでは諦められない、諦めたくない、という場合は、まずは、知り合いや友人の距離感のままで、「相手に好意を増してもらう努力」をするなど、アプローチの仕切り直しが必要になってきます。分かりやすい例で説明すると、以下のような感じでしょうか。
例) 気になる彼女を誘いたくて、プライベートの予定を聞いたら、少し躊躇、当惑された。気楽な感じで引いたものの、次回、グループのバーベキューで会えるので、彼女に良いところを見せられるよう、計画中。

逆に、相手がBのポジティブな反応を見せた場合は、しばらくして、また一歩、親密な行動に出てOKです。この段階でも相手がポジティブな反応をしてくれたら、また一歩、親しい行動をしてみる……という流れで、少しずつ、仲を深めていくと良いでしょう。

距離感を微妙に調整していくこと


しかし、一度ポジティブな反応を見せてくれたからといって、次の一歩の距離感を誤ると、失敗も起こりやすいです。例えば以下のケース。
例) 1度デートの誘いに応じてくれ、良い感触だったので、2度目は「君の部屋で過ごしたいな」と提案したら、相手に不快な反応を示され、都合が悪いと断られてしまった。

お相手は、こちらに幾らかの「好意」は感じていても、「まだ付き合いたい、とまでは思っていない」という段階だったのでしょう。こちらが焦って大きく距離感を縮めようとしたために、相手の心には「その行動は親密すぎる、困る、嫌だ、怖い」といったネガティブな反応が起こったのですね。ちゃんと段階を踏んでいけば、叶ったかもしれない恋愛が、このようにしてダメになってしまうことも、往々にしてあります。

上記の例もそうですが、「相手も自分に気があると感じたので、アプローチしているうちに嫌われてしまった」という場合、最初から勘違いだった場合もあるでしょうが、「最初は、少し好感を抱いてくれていた」相手も、おそらくいたはずです。このような、好意から恋愛成就へのアプローチがいつも成功しない、という方は、過去の経験をよく省みてみましょう。連れて行ったお店が良くなかったのか……といった反省ではなく、「相手との距離を、無理に縮めようとしなかったか」、「まだ親しくないのに、ラフな態度を見せすぎてはいなかったか」といった点について、ぜひ考えてみて下さい。『相手との距離感を微妙に調整する能力』や、『相手の反応を察する能力』が不足すると、恋愛のアプローチは成功しないことが多くなります。いくつか、実践での訓練が必要かもしれません。

焦らず、反応を確かめながら、一歩ずつ距離を縮めて


もちろん、アプローチを練る必要などなく、会ってすぐにお互いにピンと来て、すぐに恋人になれた、なんてカップルもいます。彼らの場合は、どちらか、もしくは両方が、出会ってすぐに親密なアプローチをし、相手の反応もとびきり良かった場合です。理想をいえば、こんな運命的な恋愛の始まり方が常にできればいいのですが、こんな出会いは、そう頻繁には起こらないもの。普段の“小さな恋の芽生え”を成就に繋げるには、その気持ちを、どんな風に少しずつ伝えるか、どんな風に関係を育てていくか……という「距離の縮め方」次第だと言えるでしょう。

前半に書いたように、親しくなりたければ、何らかのアプローチをしてみないことには、いつまでも知り合いや友人関係のままです。しかし、注意してほしいのが、相手の反応を気にせずに、アプローチをしてしまうこと。「今すぐ恋人がほしい!」と焦っていたり、「彼(彼女)が好き!」と感情が盛り上がっていたりすると、つい急いで関係を深めようとしてしまいがちですが、そうした傾向のある方は、なるべく落ち着いて行動することを心がけましょう。きちんと相手の反応を見ながら、一歩ずつ、距離を縮めていくこと。そして、相手の様子が何かおかしいな、と思ったら、すぐに相手との距離感を調整すること。こんなことが重要かと思います。トピ主さんも、ぜひ成就に向けて頑張ってくださいね。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事多め。発言小町の相談コラム『恋活小町』担当。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々遊歩しております

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