あなたの妻は大丈夫?「“平日昼顔妻”になるかも知れない女性」の特徴

目次

昼顔妻ってなに?


最近、「昼顔妻」なる言葉が流行している。平日の朝に夫を送り出したあと、昼に他の男性と不倫する主婦の総称のことだ。「昼顔妻」はカトリーヌ・ドヌーヴ主演、1967年制作のフランス・イタリア合作映画「昼顔」が語源で、フジテレビ「ノンストップ!」の番組で取り上げられたことから注目され火が付いた。

「昼顔妻? まさか~、ウチのに限って……」

「ウチの嫁にそんな色香があるわけない。ムリムリ」

……だが決してそうとは言い切れないのだ。

今「昼顔妻」をテーマとしたドラマが話題を呼んでいる。フジテレビ系列局で「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」が7月17日(木)に放映され、初回の平均視聴率は13.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と同時間帯でトップを記録し、世間の「昼顔妻」に対する注目のほどが伺える。このドラマでは平凡な主婦・笹本紗和を上戸彩、紗和をそそのかし不倫の道へと誘う美貌の女、滝川利佳子を吉瀬美智子が演じている。

「昼顔妻」は決してひとごとではない。あなたのそばにいるかもしれないのだ。そんな「昼顔妻になるかもしれない女性」を2タイプに分別してみた。

満たされないから浮気する・夢追い人“紗和タイプ”


ドラマで上戸が演じる笹本紗和は、結婚5年目のさえないパート主婦。夫との仲は悪くないがセックスレスで子供はない。精神面は安定しているとは言えず、意外と変なところで意固地でもある。紗和のような女性はいくらでもいる。現状への不満をくすぶらせ、何かのきっかけさえあれば不意に落とし穴へ落ちてしまうタイプ。私の周りにも、彼女のような女性がひとりいた。

……A子は37才。研究室で働く夫とのあいだに2人の娘をもうけ、傍目にはごく幸福そうに暮らしていた。男性経験がほとんどなかったA子は、出会った当初から夫にベタ惚れだった。

「彼以外となんて考えられない。彼と結婚できなければ死ぬ!」などという勢いで、それまで控えめでおとなしかった彼女は周囲を驚かせながらもゴールインした。しかし、その思いが逆にあだとなる。A子は結婚してからもなお、夫に恋人時代そのままの愛情を求め続けた。

「早く帰ってきて!」

「私を見て。母としてじゃなくて、女としての私をみて!」

夫からすれば、そういう訳にはいかなかった。結婚した以上、彼女は自分の妻。女性というより家族。まして子供ができたからには、妻というより子供たちの母親。さらに男は年齢が上がるにつれて、仕事の責任も重くなってくる。多忙で疲れ果てているのに世間知らずの妻はちっとも理解してくれず、自分の不満だけを言い募る。

A子の夫は意識的にではなくとも、妻を遠ざけるようになった。残業を装ったり部下を連れて飲みに行ったり、休日も「仕事だから」と言って研究室に引きこもる。そんな夫に彼女はますます鬱憤をぶつけるようになる。
A子が求めれば求めるほど夫は妻と向き合わなくなり、彼女は絶望へとおいやられた。
そしてA子はある日、パート先で知り合ったうんと年下の男性とあっけなく恋に落ちたのである。

満たされているゆえに不倫する・リアリスト利佳子タイプ


ドラマの吉瀬美智子演じる利佳子は、「何もかも持っている女」だ。夫は大手出版社の女性誌編集長、2人の娘にも恵まれている。住んでいるのは新築のゴージャスな一軒家だ。
そして周囲に「色気がない」と言われ落ち込む紗和と違うのは、利佳子は自分が美しい女だと、強く自覚していることだ。こういう女性は、実はけっこう多い。

……B子は35歳。美人で頭が切れる彼女は、あらゆる意味で将来を見据え女性の少ない理系の専門職に就いた。先見の明があった彼女は職場でモテまくり、25才の若さで、社内で一番有望な男性と結婚しすぐに子供にも恵まれた。彼女のような女性は早くに結婚、出産を済ませているので、体力気力が充実した30代を迎えることができる。遅くても30代の半ばを迎えるころにはもはや一日中子供の世話に追われることはない。ゆえに才覚を生かして主婦業のほかに、なにか起業をしていることも多い。

B子も自宅でできるアートフラワーの仕事を立ちあげた。高給取りである夫の財力を背景に、優雅なイメージを作ることに成功したB子のアートフラワー教室は見事成功した。そして自身の収入と人脈を得ることに成功した彼女は、美しい花を飛びまわる蝶のごとく浮気を始めたのである。

紗和と利佳子、その違い


おなじように不倫の道を走ることになるA子(=紗和タイプ)とB子(=利佳子タイプ)だが、内面は大きく異なる。その特徴をまとめてみた。

【紗和タイプ(A子)の特色】:

1.「私が浮気なんかするはずがない」と思っている
――ドラマの中の紗和も、利佳子に浮気をすすめられ最初はひどく激怒する。彼女たちは意図的にではなく、「やむにやまれず」浮気をする。

2.自分の容姿や人生に自信がない
――紗和もA子もパートや家事をきちんとこなしていながら物足りなさを感じている。人に誇れることがないと自信がなく、自分に価値を見いだしていない。だからこそたまに投げ掛けられたホメ言葉に反応し、言葉をくれた人に好意を抱いてしまう。

3.夫や家族を愛するロマンチストである
――前述の通り、A子は夫を愛していた。ドラマの中での紗和も夫との仲は、第一話の時点では良好である。彼女らは夫に愛や安らぎを求め、それがかなええられないゆえに絶望し、「……仕方なかったのよ」と正当化して他の男の元に走る。彼女らはおとぎ話の中のヒロイン、永遠の愛を求めるロマンチスト、であるとも言える。

4.いざ浮気をすると本気で溺れこむ
――浮気慣れしていないので、周囲を激しく巻き込むのもこのパターン。相手の男性に本気で惚れ込み、トコトン付いてゆくので事態が泥沼化しがち。ドラマの紗和はどのような結末をたどるのだろうか?

【利佳子タイプ(B子)の特色】:

1.罪悪感を持たず、自覚をもって浮気する
――自分に自信のある彼女たちは、まるで成功した男性のように情事の相手を選びとる。若い頃からモテていたので、男ゴコロをくすぐる術にも長けており、浮気相手に困ることもない。もちろん罪の意識などを持つくらいなら、最初から浮気などしない。

2.男性に夢を抱いていない
――賢く抜け目ない利佳子タイプの女性は、その洞察力で男性の底の底まで知りつくしていることが多い。まだ純情だった若い頃に男性の手ひどい本性(浮気性など)を知り、ひそかに苦しんだ過去もアリ。よって自分だって浮気しても構わないと思っているリアリストである。ドラマの利佳子が気軽な情事を楽しむようになった理由も、いずれ明らかにされるだろう。

3.夫婦仲はドライなことが多い
――利佳子タイプの女性の夫婦仲は悪いとまではいかなくても、ドライであることが多い。利にさとい彼女らは結婚の際、必ず将来性のある相手を選びとる。そういう男性は多忙で家にいないことが多く、夫婦で互いに浮気をしていたり、それをなんとなく黙認し合っていたりすることも。

4.浮気に本気でのめりこまず、後腐れなく別れる
――もともと互いに浮気と割り切った相手のみを選ぶので、浮気をしても大抵の場合はキレイに別れられる。相手に本気で惚れこまず、男性と“一蓮托生”(※いちれんたくしょう→ことの善し悪しや結果はどうあろうと、最後まで行動や運命をともにすることの意味)になる気などないので、相手が自分に有益にならない、使えない男とわかったらさっさとサヨナラ……なのである。

●最後に……

いかがだろうか? 男性は、自分の妻やパートナーのことを「うちのに限って」とか「そんなことはない」などと言うが、はたして“妻の本当の顔”をあなたは知っているのだろうか?

どんな貞淑な顔を持つ妻でも、紗和(A子タイプ)や利佳子(B子タイプ)のような「昼顔妻」のどちらかになる要素を、どこかに持ち合わせているのである。「昼顔」のドラマの冒頭にこんなセリフがある。

「夫は妻を冷蔵庫同然にしか見ない」

そう、私はいつでもそこに当たり前にあるウチの家具じゃない……。

そして私は「奥さん」でも「誰かのママ」でもない。

ひとりの女性として愛を感じたい、愛されたい……。

こういう願望を持った女性ならば誰もが「昼顔妻」となる可能性があるのだ。あなたの隣にいる女性も、昼と夜とでは“別の顔をもつ女”なのかもしれない。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニストとして活動し、ヒット記事の数々生み出す。大手ポータルサイトにてコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題を得意とし、文章セミナー、婚活セミナー講師も手がける。

関連記事