B型女子が結婚生活をうまくいかせる秘訣満載!? 『毎日がグチLove B型妻 VS A型夫』

B型はなぜか他の血液型から嫌われることが多く、アイドルや芸能人でも「偽証」することを勧められているという。

そんな話が載っていたのは、エッセイ『毎日がグチLove B型妻 VS A型夫』(わぐりめぐみ著/笠倉出版社)だ。一般的に、「協調性がない」「ひとりよがり」「変わったことをしてまわりを困らせる」などなど、さまざまなレッテルを貼られているB型。本書の著者も、そんなB型の女性である。

25歳でB型の男性と結婚したものの、性格が合いすぎて刺激がなく40歳で離婚し、A型の男性と再婚。今は「エキサイティング」な日々を送っているという彼女の結婚生活から、「嫌われ者」のB型の女性が結婚生活をうまくいかせる秘訣を学んでみよう。

目次

1.腹立たしいことも、他のうれしいことでプラマイゼロにする


「命令されることが大嫌いで、協調性はほぼナシ」なB型の女性は、男性と行動が合わないことも多い。本書にも、著者が夜中のラーメン屋の行列を待てず、夫に文句を言われたことが愚痴られている。

夫婦ででかけた温泉旅行の帰り道、食事をするのに、夫は「どこも混んでるだろうからイヤ」と言い、出発時間を遅らせたのだそう。でも、遅い時間に出れば、田舎のレストランなどあいているはずがない。著者としては、あまり気が進まなかったのだが、サービスエリアのラーメン屋で我慢することにした。が、結局そのラーメン屋でも長蛇の列。車に戻って別の店舗へ移動し始めたところ、「ガマンが足りない」と言われ、イライラが爆発したのだそう。
確かに不満はわかるが、それで「『はちきれんばかりの怒り』でいっぱい」になるとはさすがB型妻。

このようなエピソードを見ても著者が怒りを貯めやすい性格だということがわかる。でも、それから家に帰るとすっかり機嫌は元通りに。理由は、旦那からのプレゼントのポータブルスマホ充電器が宅配されていたから。

夫から文句を言われたことと、プレゼントをもらえたことはまったくの別件。しかし何かうれしいことがあったら、その分腹立たしいことを相殺することができるというのが、ストレスを貯めない秘訣なのだろう。

2.パートナーのイライラ行動を「儀式」とみなす


A型の几帳面さにイライラさせられることの多いB型。著者の夫も几帳面ゆえ、冬のドライブ開始前に必ず取る行動があるそうだ。

「運転席のドアを開ける→エンジンをかけて車内を暖める→運転席のドアを閉める→後部座席のドアを開ける→着ていたコートを脱ぎ、袖を合わせて裏返してキレイに畳む→カバンとコートをピチッと並べて置く→後部座席のドアを閉める→運転席のドアを開ける」

……B型妻でなくてもイライラしてしまいそうだが、著者はこれを「儀式」とみなすことで許せるようになったと言う。

他にも、「イヤホンをしまうときは丁寧に巻いた上で箱に詰める」(B型は箱まで取っておかない)「イチゴを切るとき3つずつ並べて切るのが楽だと言う」(並べる方が手間では?)と、著者をイライラさせるさまざまな習慣を持っている夫。

彼に限らず、妙な習慣を持つ男性は多い。それらすべて「儀式」だと思えば、著者のように不思議と納得できるようになるかもしれない。

3.カワイイ仕返しを考える


ガマンばかりではなく、ときにはパートナーに対する仕返しも必要だが、そこは「変わったこと」が好きなB型。ちょっとカワイイ仕返しの方法を考えてみるといい。

例えば、著者がホワイトデーに何のお返しももらえなかったときのエピソード。「悔しいから、寝ている間に、犬の鼻を腹にくっつけてやる。で、「ひっ!!」ってさせてやる。」実際やられたくはないが、なかなかお茶目な発想だ。

また、バレンタインにプレゼントを買ったとき。「よろこばなかったら、枕にカマドウマ仕込む。絶対仕込む。」あの足の長い昆虫を枕なんかに入れられたら……想像するだけでゾッとするが、わざわざ捕まえにいくのもイヤだろうし、最初から実行に移す気はないのだろう。

こういったことは、思いつくことが楽しいし、それだけで満足できることでもある。実際に行わなくてもいい。パートナーが本気でイヤがるような、かつ面白い仕返しを考え、想像だけで相手に「やめてください!」と言わせることができたら成功だ。

他にもB型とA型のさまざまな食い違いが描かれ、それゆえ「エキサイティング」を感じさせるこのエッセイ。中にはもちろん、血液型は関係ないのでは? と思わせるようなエピソードも多々含まれている。

そもそも血液型での性格分けや相性診断には、科学的な根拠はまったくないとされている。血液型ぐらいで人間関係が壊れてしまうのは、あまりに残念だ。けれど本書はそうではない。まったく正反対の性格の男女が、血液型の違いを架け橋として、少しずつ歩み寄っている姿が描かれているようでもいて、そこがほほえましい。

血液型診断を信じない女性も、本書を読みながら、性格の違うパートナーとの歩み寄り方について考えてみてはいかがだろうか。
(平原学)

写真はアマゾンより『毎日がグチLove B型妻 VS A型夫』(わぐりめぐみ著/笠倉出版社)

この記事を書いたライター

平原学
1985年佐賀県生まれ。作家・ライター・小説家。妻から「私より女子力高い」と言われているのが悩みの種。著書に『ゴオルデンフィッシュ』(文芸社)がある。

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