あんなに尽くしたのに…下積み時代を支えた女性をポイっと捨てられる男の心理とは

「下積み時代を支えた一般女性を捨て、女優の○○と電撃入籍!」
芸能ゴシップなどでときたま見かける見出しです。こういった類の話題を耳にすると、我々日本人は判官びいきな性分ですから、「ひどい男だなぁ……!」と憤ります。しかし、ここではあえて、下積み時代を支えた女性を捨てた男性側の言い分に的を絞りたいと思います。惚れた男の下積み時代を献身的に支えたプロ彼女的存在の女性が捨てられる理由は、一体どこにあるのでしょうか?

目次

「下積み時代」の定義とは?


そもそも、「下積み時代を支える」の定義とは何なのでしょうか? おっと、その前に。「下積み時代」とは、どのような期間なのでしょうか?
筆者周辺の一般男性に、下積み時代の有無を尋ねたところ、もっとも多かったのが「舞台役者やインディーズのバンドマン、お笑い芸人など、アルバイトをしながら夢に向かっていた時代」という回答。次いで、正社員として働いているが給料が激安だった時代、ほか奨学金返納も含めて借金返済期間を挙げた男性も。要するに、ひと言でいうと「金がない期間」のことです。

その、「カネがない期間」を支えるとは、どのような献身を指すのでしょうか? これまた、一般男女から経験談を募ったところ、「資格職で安定収入があった女性と同棲し、家賃や光熱費など、一応は折半というルールだったが、『今月は厳しい』と言うと、全額負担してくれた(数カ月間)」(30代・男性)とか、「利息ナシの無期限でお金を貸すのが当たり前になっていた」(30代・女性)など、生々しい体験が語られました。

当然のことながら、お金がない時代には、一般的カップルのようなデートなんぞ夢のまた夢。会うのはお家が当たり前。好きでなければ絶対にできない芸当です。

一生返せない「借り」


ここからが本題! 下積み時代を支えた女性を捨てる男性の本音とは? 3歳まで舞台役者として活動していたものの、志半ばで夢破れ、郷里で会社員になった男性A氏に話を聞きました。彼いわく、「舞台役者として成功できていれば、下積み時代の恩返しをして、対等な男女関係を構築できたのだろう。しかし、結局は田舎のサラリーマンにしかなれなかった自分は、彼女への『借り』が一生返せないようなもの。その関係性を続けるのは正直キツい!」とのこと。

ほか、起業の際に多額の借金を抱えたものの、返済完了後に事業拡大に成功したB氏は、次のように語ります。「お金を持ち始めると、自分と同じように金銭的に苦しい状況の女性に手が差し伸べたくなる」……そして彼は、借金苦時代を支えたキャリアウーマン女性から、副業しつつ資格取得を目指している若い女性に乗り換えました。

正しくないのはごもっとも!?


どちらの言い分も、女性心理としては受け入れがたいですよね。しかし、恋愛感情とはそういうものなのです。悲しいですが、「正しいか、正しくないか」で割り切れるものではありません。正しくなかろうとも、感情は移ろいゆくもの……といったところでしょうか。


以上を踏まえると、いま流行りの「プロ彼女」に徹して、下積み時代を支えたからといって、必ずしも報われるとは限りません。献身が無駄になるケースもあることを、頭の片隅にでも置いておくべきでしょう。
(菊池美佳子)

この記事を書いたライター

菊池美佳子
コラムニスト。1977年3月17日生まれ。岩手県盛岡市出身。21歳~29歳まで、舞台女優のかたわら、様々なナイトワークを体験。29歳で引退後、コラムニストとして活躍中。

関連記事