たまには親孝行! 失敗しない母デートの心得

友人女性が、「9月の連休に実家に帰ってみたら、母が一日中スマホでネットをしていた。昔は、休みの日にはおしゃれして友達と遊びに行っていたのに……」とこぼしていました。
 
「友達親子(恋愛トークをしたり洋服を貸し借りしたりする親子関係)」がSNSや芸能人のブログで盛り上がりを見せているように、母と娘は仲が良いことは当たり前といった雰囲気が拡がっています。
 
一方、ベタベタする関係にしっくりこない女性が一定数いるのもまた事実。その心情は自立している女性であれば当たり前です。毒母に悩まされている人ならずとも、母との距離感をうまくはかるのは現代女性の共通課題。「友達親子」のように、ベタベタとディズニーランドへ行ったりするのは嫌。だけども、母がどんどん老いていく姿を見て、うら寂しい気持ちになるのはもっと嫌……。
「母を老いさせない」という目的のためには、娘としてはどうすればいいのでしょうか? オススメは適当でこぢんまりとした「母デート」です。
 
目次

質素なデートでいい


「母デート」のポイントは2つ。喋らなくて済むものとお金がかからない方法を選ぶことです。具体的には、映画鑑賞や美術館、ワークショップへの参加など。買い物や旅行と違って、喋らないことが前提になっているので、話のネタがなくなって手持ち無沙汰になることがありません。
 
また、お金の負担は心の負担にも繋がりますから、お金をかけないことを影のテーマにすると良いでしょう。慎ましいデートを何度か重ねることで、母親もお出かけの楽しさを思い出してくるはずです。そのうち母から「私、〇〇に行きたいな」と言ってくるようになるかもしれません。
 

母のガスを抜いて、我が身を護る


適当な「母デート」には、母の老い防止以外にも効用があります。
 
仕事や家事、親戚付き合いといった日々のストレスから解放してあげることで、適度なガス抜きをすることができます。すると、あなたを襲う「いつ結婚するの?」「転職なんてしないで、安定した会社に勤め続けなさい」といった様々な攻撃から身を守ることにも繋がるのです。姉や妹をデートの輪に入れてエネルギー分散させるのも、一つの手です。
 

母とはつかず離れず


母と娘の関係は、気づくとウェットで濃いものになりがち。オトナ同士の付き合いとして適度な距離を保つのは前提ですが、そのことで罪悪感を覚えるようであれば、無理に実家に戻ったり、食事に連れ出したりするのではなく、適当に街に連れ出しましょう。
 
そうすることで、母の老いを食い止めつつ、娘としての義務も果たせるのです。 
(五百田達成)

この記事を書いたライター

五百田達成
作家・心理カウンセラー。「男女コミュニケーション」「きょうだい型性格分析」「ことばと伝え方とSNS」をテーマに執筆・講演。35万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズほか著書多数。

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