どんなタイプなら有効!? 恋愛における「駆け引き」のお作法

「連絡が来てもすぐには返事をしない」「男は追うより追わせる」「告白やプロポーズは女性からしないほうがいい」「ミステリアスに見せるため、情報を出しすぎない」などなど、恋愛には、数々の効果的とされる駆け引きがありますよね。確かにこうしたことが自然にできている人に恋愛上手が多いようですし、実際に効果が出ているケースも多く耳にします。しかし一方で、駆け引きをうまく使いこなせず、“策士策に溺れる”結果となってしまうケースもちらほら。駆け引きは、どんな風に使いこなすのがベストなのでしょうか。

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駆け引きは、相手によっては逆効果になる!?


駆け引きは、ある程度、社会経験を積んだ大人の男性の場合には逆効果になりやすい――そんな意見もあります。48歳で『オトナ婚』を決めた衿野未矢さんは、その著書で、大人の男性からのこんな助言を紹介しています。

「オヤジたちは仕事上で駆け引きをする場面にしょっちゅう出くわしていますから」「プライベートでは言葉の裏を考えたり、気を回したりせずにすむ、ストレートな付き合いを求めるのです」「(前略)駆け引きをすると、かえって損をしますよ。なぜならば『ふむふむ、この女性は自分を安売りしたくないと計算しているな』という具合に、意図を見透かされ、評価を下げるからです」

若い男性相手なら、駆け引きをするのも恋愛の楽しさのひとつだけれど……という前置きもされていましたが、男性からの意見だけに貴重ですよね。「駆け引きをしてくる女性は好きではない、冷める」という男性も、確かに一定数いるように思います。年齢もそうですが、直情的でなく、冷静に人を判断するタイプや、精神的に大人なタイプ、仕事で交渉ごとが多いような男性ほど、自然体に、素直に恋愛する女性のほうを好むのかも。好きな男性ができて、多少の駆け引きをしたほうがうまくいきそうか迷うときは、彼がどういうタイプかを一度冷静に考えてみるといいかもしれません。

恋愛ではなく「結婚」が目的なら、自分らしく臨むべし!?


また衿野さんは自身の経験から、「恋愛の駆け引きやテクニック」は「結婚」のそれとは違うと思う、という持論も述べています。結婚は、恋愛よりも“人間的な絆”が必要なもの。結婚を考える場合、相手を惑わすような恋愛テクニックは、確かにあまり有効ではないのかもしれません。

著者の周囲にも、「夫とは駆け引きせずにうまくいった」と語っていた新婚の知人がいます。昔は色々と駆け引きを試していたそうですが、次第に「無理して結婚できても、その後うまくいかなかったら意味がない」と開き直り、「自分らしく恋愛してダメなら、独身でもいいや」と思うように。以降は一切、恋愛ルールを自分に課さず、連絡したいときには自分からしたり、「告白したい」と思える相手なら素直に言ってしまったり……という自然体の恋愛スタイルを貫いたのだとか。うまくいかない相手もいたものの、そういう相手には執着せず素直に動いていったところ、駆け引きをせずにうまくいく今の旦那さんに出会えたそうです。

駆け引きをせず、“自然体な自分”で相手を探す――というやり方も、特定の相手に執着しないのであれば、有効な恋愛道だと思います。大人になると、ただでさえ「傷つきたくない」「大人としてみっともない」といった鎧を身にまといがちなので、「駆け引きスキル」よりも「素直になれること」のほうが武器になる場合もあるのかもしれませんね。

駆け引きをすると恋が楽しくなくなる!? 本気だから使う!?


とはいえ、やはり「駆け引き」もうまく使ったことで、恋愛成就や結婚に至った例も数多く知っています。そのうちのひとりが以前、こんなことを語っていました。「今がある程度幸せだから言えることかもだけど」と笑い飛ばしつつ、「こうすればこうなるのか〜とわかってしまったら、なんかちょっと夢が冷めた」「今までの相手もこうやっていれば落とせたのかも……と思うと、むなしいというか損した気分(笑)」と。

彼女が言いたかったのは「駆け引きはうまくなったけれど、その分、恋愛へのロマンが減った」ということなのでしょう。駆け引きを有効に使うには、ある程度の冷静さも必要。「自分を幸せにするためにやるんだ」と思える人はいいですが、心の底から相手に夢中になりたい人は、駆け引きなどしないほうが、やはり恋は楽しいのかもしれません。

一方で、「本気で好きな人だからこそ、駆け引きをしてでも落としたいと思う」「だって駆け引きは基本的に我慢だから辛い!」といった持論を語ってくれた女性もいました。これも一理ありですよね。結局のところ、恋愛成就法は千差万別ということでしょうか。駆け引きを使ってみたり、自然体で挑んでみたりしながら、最終的には「私にはこの方法が向いている」「私はこうやってみよう」という自分なりの成就法を見つけていくのがベストなのかもしれません。皆さんは、恋愛でなんらかの「駆け引き」を使っていますか?
(外山ゆひら)

(参考)『“48歳彼氏ナシ”私でも嫁に行けた!』 衿野未矢著 文藝春秋発行

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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