恋愛も友情も壊す“余計なおせっかい”をしてしまう理由

相手に有難がられない「余計なおせっかい」を焼いて、恋愛や友情にヒビを入れてしまう――。一度や二度ではなく、そうした経験があるという人は、もしかしたら「そういう性格だから」という以外の心理的原因がある可能性も考えられます。

必要以上におせっかいを焼きたくなってしまう理由と、それを止めていくコツについて紹介します。

目次

「もっと愛されたい」「相手を失うのが怖い」気持ちが隠れている場合


恋人や友達などの身内に必要以上のおせっかいを焼いてしまう場合には、

1.「もっと愛されたい」
2.「捨てられたくない」「関係を失うのが(極端に)怖い」
3.「自分の欲求を満たしたい」「自分の思う通りに相手を変えたい」

といった心理が潜んでいることが多くあります。

(1)や(2)は、恋愛への依存度が強い場合に顕著です。「もっと愛されたい」はわかりやすいですよね。「もっと愛されたい」「私だけを見てほしい」などと無意識に思っているため、とにかく相手に関わろうとして、余計なことをしてしまう。恋愛のみならず、同性の友達関係でもこうした心理はしばしば起こります。この傾向がある人は、今あるものに満足する心持ちと自立心を少しずつ育てていくことが肝心です。

「捨てられるのが怖い」「彼を失ったら私は無価値になってしまう」という“恐れ”から、おせっかいを焼いてしまう人もいます。しかしこれは「相手にもっと気に入られなくては」という下心があっての親切のため、逆に相手から見た自分の魅力を減らしてしまい、別れの可能性が高まる――といった矛盾が起こりやすいです。

逆の立場で考えるとわかりやすいですが、気に入られたい下心から親切にして来られると、恋人とはいえ、あまり嬉しくないですよね。「なんか怖い」「うっとおしい」と感じ、魅力も感じにくいです。この心理傾向がある人は、恋愛以外の分野でしっかり努力をして、「自信」を増やしていくことが解決策になるでしょう。

「こうなってほしい」価値観を押し付けている場合


(3)「自分の欲求を満たしたい」「自分の思う通りに相手を変えたい」という心理が隠れている場合もあります。自分が叶えられなかったことや後悔、あるいは自分が正しいと信じている価値観などを無意識に相手にぶつけてしまうのですね。そのため相手が「価値観を押し付けられている」「自分を変えようとしている」と苛立ちを感じるような、喜ばれないおせっかいを焼いてしまいがちです。

恋人や家族など身内に対してほど、この心理は起こりやすいです。たとえば、不機嫌な男友達がいたとき、「何をそんな怒ってんの?」「も~怒りっぽいんだから(笑)」なんて気軽に言えることもあるでしょう。しかし、こと彼氏となると「そんな態度しちゃダメじゃない?」「怒るのは愚かよ」などと相手を自分の価値観で“正そう”としてしまう。まるで口うるさい母親のようになってしまい、そうなると当然、男性は反発します。女性側は「彼のためを思って言っているのに、なぜ分かってくれないの?」と理解に苦しむ。そんなふうにして、関係が悪化してしまいがちです。

このようなおせっかいをやめるには、「恋人だからといって、自分が『こうしなさい』と言われてきたことや、『こうありたい』と思っている理想像を強要してはいないか」を自問し、「違う価値観を認め合うことを大切にしよう」といった真の理解(許容)の姿勢が重要になってくるでしょう。

つらさや落ち込みは、基本「見守って」あげよう


もちろん、世の中には純粋な親切心からの「おせっかい」もたくさんあります。こちらが自然体で、「自分のできる範囲のことをしたよ」という雰囲気のときは、相手も喜んでくれることも多いですよね。しかし、無意識の下心から親切に“しすぎて”しまうと、相手はそれを敏感に察し、不審に思ったり、重荷や迷惑と感じられたりということが起こります。親しい関係になればなるほど、いろいろと要求したくなったり、自分の価値観を押し付けたりしがちになる……ということは、しっかり心得ておくといいかもしれません。

特に男性に対してのおせっかいは、女性と違った配慮が必要です。男性は男性ならではのプライドもあり、女性に必要以上のおせっかいを焼かれすぎると、「無力さ」や「無能さ」を示されているような感じがして、非常にいい気分がしないようです。

性格にもよりますが、彼氏が落ち込んでいたり辛い状況だったりというとき、基本的なスタンスはやはり「見守ってあげる」がベストかも。余計な口出しをして険悪になるよりは、“深刻ではない楽しい話ができる相手”として側にいてあげたほうが「心安らぐ」と感じる男性は少なくないようです。

彼の方からアドバイスを求められたときは、慎重にしてあげるといいと思いますが、一方的に「早く立ち直って!」と何かをしようとするのは、ぐっとこらえてみましょう。もともと世話好きな女性は、「ちょっと放置しておく」くらいで丁度いいかもしれません。

おせっかいを焼きすぎて、友達や恋人と関係が悪化した経験がある……という方は、ぜひご参考くださいね。(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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