女性にとって結婚はデメリットだらけ? 結婚への不安を解消するには

20歳代前半の女性から、発言小町に「結婚のメリットとは?」という投稿が寄せられました。トピ主さんには交際中の男性がいて、来月から結婚を前提に同棲することになりました。しかし、「結婚を意識すればするほど、女性にとって結婚はデメリットでしかない」と思ってしまうそうです。

「男性側には家に賃金を払わなくて良くて、お金を稼いで来るベビーシッター兼お手伝いさんがいるというメリットがある」「けれど、働きながら家事育児をする女性側には、夫と一緒にいるメリットはない」と持論を展開。「そんな考えしかできない小娘に、どうか結婚のメリットを教えて頂けないでしょうか」とアドバイスを求めています。

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目次

結婚のメリットって一体なんだろう? 「形のないもの」もある


結婚を前提に交際している恋人がいて、「結婚後もフルタイムで働きたい、子どもが欲しい願望もある」というトピ主さん。自身の「結婚」が現実に迫る一方で、「結婚は女性側にはメリットがないのでは」と不安に思っているのですね。損得だけで結婚のすべてが説明できるわけではないですが、いい機会ですので、あえて「メリット」を一緒に考えていきましょうか。

まず一般的に考えられる「形のあるメリット」としては、家族や親戚、子ども、家や共有財産ができることなどがありますよね。相手の参加姿勢にもよりますが、家庭運営の協力者ができることや、毎日楽しく寝食を共にできる相手ができることなども、男女問わず見逃せないメリットでしょう。

また、「形のないメリット」もあります。愛情や思い出が得られることのほか、以下などは既婚者たちからよく聞かれることです。

結婚することで得られる、形のないメリット


1.世間や周囲からの風当たりが和らいだ


「結婚はまだかとしつこくネタにされる」「独身の頃のほうが、会社での風当たりが強かった」「結婚して子どもができたら『大変ね』と周囲が優しくなった」なんて話は、現在でも少なからず聞かれます。

無論その人の環境にもよりますし、20歳台前半のトピ主さんには実感が湧かないかもしれませんが、独身でいる期間が長くなると、「結婚すべき」という価値観の人々からあれこれ言われ、肩身の狭い思いをする機会も増えがちです。そうした干渉を受けなくなることは、結婚の大きなメリットだと感じる人もいるようです。

2.恋愛や結婚の“呪縛”から逃れられた


結婚すると「彼氏が欲しい・恋愛したい」「結婚したいのにできない」といった悩みから解放される、というメリットです。発言小町にもそうした悩みを綴った投稿がたくさんありますよね。どうしても「隣の芝生は青く見える」心理から、結婚のいいところばかりが目に付き、「うらやましい」「なぜ私だけが」といったネガティブな気持ちに囚われてしまうこともあります。

でも実際に経験してみると、結婚生活にもそれはそれで大変な部分がある、と理解できる。「結婚したい悩みから解放されること」「結婚のリアルを経験できること」なども、結婚のメリットのひとつと言えるかもしれません。

3.一緒に年を重ねていける相手がいることの安心感を得られた


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一番近くで一緒に年を重ねていける相手ができる、その“安心感”をメリットと考える人も少なくないようです。独身でも幸せに年を重ねていくことは可能ですが、結婚して円満な家族を築いていけば、年老いたときにも寂しい思いをしづらく、にぎやかな環境に恵まれる“可能性”は実感しやすいですよね。結婚すれば必ずそうなる、というわけではないのですが、一時的にでも「「将来への不安感が薄まること」は、ひとつのメリットと言えるかもしれません。

4.自分以外の存在に“喜怒哀楽”を感じられる楽しさ・よろこびを得られた


相手にうれしいことがあれば一緒に喜び、悲しいことがあれば側でなぐさめてくれる、そんな存在ができることが、結婚して家族を持つことの楽しさや喜びだと語る人もいます。友達や親との関係でもそうした感情はあるものですが、自分のパートナーや子どもといった存在に感じる喜怒哀楽は特別に大きいもの、と感じる人も少なくないようです。

「こうなりたい夫婦関係」を思い描き、それを目指して努力もできる


トピ主さんは、将来「夫が家事や育児を手伝わない」「妻ばかり苦労させられている」という夫婦関係になることを危惧しているようですね。確かに世の中には、そうした夫婦も実在します。しかしながら、すべての夫婦にあてはまるわけではありません。

なりたくない夫婦像があるのであれば、「この人となら大丈夫」と強く信じられる伴侶を選ぶこと。そして自分が「こういう夫婦になりたい!」という関係をきちんと努力して作り上げていくこと。この2点をしっかり心がけていけば、決して不可能なことではないと思いますし、実際にそうした関係を叶えている夫婦もいます。

トピ主さんには、「女性をお手伝いさんのようにこき使う男性は嫌で、子育てや家事分担ができる男性がいい」という思いがある様子。もし、今の彼に“そうなりそうな不安”を感じているのであれば、これからの同棲生活で判断してみてはいかがでしょうか。面倒でもきちんと意見を交わし、時には交渉もして相手と“協力関係”を作る努力をしてみましょう。

同棲は結婚のお試し期間と考え、自分の望まない夫婦関係になりそうだと判断したときは、別れる勇気も持っておく。そうすれば、望まない形の結婚生活を送る結果になることは、避けられるはずです。

愛情が続くかは未知数。「信頼感」や「意思」によって決断していこう


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最後に、愛情の持続について。「愛情は永遠には続かないもの」という価値観を持ち、「愛情が冷めた後」のことを心配しているトピ主さん。ご両親が離婚したことが影響されているようですね。

一番身近にいたご夫婦が離婚に至った影響は、少なからずあるだろうと思います。それでも、一生仲良く添い遂げていく夫婦も、この世にいないわけではありません。「一番近くにいた両親はたまたま結果的に離婚となったけれど、私は私。私の場合はそうならないかもしれない」と信じることは難しいでしょうか。「今の彼となら、ずっと仲良くやっていけるかもしれない」とは、まだ思えていない状況でしょうか。

結婚がうまく続いていくかどうかは、誰も保証しえないことです。結婚当初にどんなに愛し合っていても、いがみあう結果となることもあります。突然、予想もつかないトラブルが起きて離別する可能性もあります。それでも、今の時点で「この人となら、結婚生活もうまくやっていけそうだ」「どんな事があっても一緒にやっていこう」と思える相手がいるならば、そしてその“意思”を持てるのであれば、二人で挑戦してみる価値はあるのではないか、という気もします。

「やはり愛情が続かなかった」という結果になったとしても、できるかぎり頑張ってみた後ならば、また違う価値観にも出会えることでしょう。どうしても婚姻制度に否定的な気持ちがなくならないのであれば、“事実婚”といった選択肢もあります。ですがまずは、今の彼や二人の未来に対し、上記のような信頼感や意思を持てるかどうか、しっかり見極めることが最優先ではないでしょうか。

ひとりで悩まず、今感じている「結婚への不安」を、まずは正直に彼に話してみるのも一案です。そのときやその後の彼の対応によって、心が決まる部分も出てくるかもしれません。結婚する・しない、どちらに決めるにしても、決心できるまではどうぞ焦らずに。しっかりご自身が納得した道を選択できることを願っています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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