過去のトラウマが原因で男性に心を開けなくなった時の対処法

発言小町に「非恋愛体質が9年目を迎えようとしています」という投稿が寄せられました。最後に恋をしたのは学生時代で、当時は情緒不安定だったという28歳女性のトピ主さん。その彼に振られて以来、交際の機会は度々あったものの、体の関係やメールが苦痛になり、どれも長続きしませんでした。そこで、「異性に心を開けない対処法」「恋はしなかったけどパートナーを得られた方」というテーマで意見を求めています。

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目次

「交際」はしているけど、「恋愛」はしていない!?


投稿には、「非恋愛体質が約9年」「振られて2年間は引きずっていた」とある一方で、「交際の機会は度々あったものの」「昨年、5年ぶりに彼氏ができました」とあります。ようするに、この7年間「恋愛」はしていないけれども「交際」はしている……ということのようですね。

「他人事のような感情でしかつきあえず」という記述もみられますが、恋人関係という“入れ物”は作ることができても、中に“心”が入っていない関係ばかりが続いている様子。本来、恋愛が心の入っているものだとするならば、トピ主さんはこの7年間、恋愛というよりは“恋愛のようなもの”を多く経験したと言えるかもしれません。そうした経験の影響で、「そもそも恋愛とは何なのか」がよくわからなくなってしまっているのかな、とも推測しました。

「心を開きたい」「パートナーが欲しい」 両方の願いが同時に叶わない理由


読者への問いかけからもわかりますが、投稿から見えてくるのは「異性に思いきり心を開きたい」「パートナーが欲しい」という2つの気持ちです。一見近しい願いにも聞こえますが、この2つが両立しないからトピ主さんは悩んでいる。そこには、「関係構築の順序」が関係しているように思います。

パートナーが欲しい人は、新しく知り合う異性を最初から“恋愛の対象”として見ることが多くなりますよね。そのため、両者の好意が合致すれば、交際への展開も早くなるでしょう。しかし、“恋愛的なパートナー”になるということは、同時に「深入りする関係になること」でもあります。交際を始めてみたはいいものの、簡単に異性に心を開けないトピ主さんは、“深入り”するとなると途端に苦痛になってしまう……。

心を開ける相手探しから始めてみて


その原因は、「先に恋愛関係になる→徐々に心を開く」という順番を辿っているからではないでしょうか。この順序でうまく進んでいく恋愛も、もちろんあります。しかし、今のトピ主さんは“深く愛しあえる関係になれるかわからない相手”に無防備に身を委ねる、ということができなくなっている。であれば、今までとは逆の「心を開ける相手を見つける→恋愛関係になる」という順序で関係を進めることが打開策になるかもしれません。

恋人になった男性と体の関係を持つことにためらうのも、「それよりも大切で、欲しいものがある」と自覚しているからだと思います。今のトピ主さんは、“恋愛のようなもの”ではなく、もっとしっかりした信頼関係や愛情を持てるパートナーが欲しい、ということなのでしょう。

しかし、信頼や愛情は一朝一夕には築けません。そうした関係が本当に欲しいならば、
<1>まだ本物だと思えない“恋愛のようなもの”にすぐに手を出さない精神的な強さを持つこと
<2>性別を意識しすぎず、しっかり時間をかけて友情関係や人間関係を築くこと

この2つの姿勢が必要だと思います。

無論、どんなカップルもそうすべき、ということではありません。「異性に心を開けなくなった」と悩む今のトピ主さんには、上記を心がけることが変化のきっかけになるのでは? という提案だと考えてみてくださいね。

(C)LAURIER PRESS
(C)LAURIER PRESS

人間関係は「依存する」か「依存しない」かの二択ではない


学生時代の恋人と別れた後は、「相手に依存しないよう、自分で立てるように心がけてきた」とのこと。頑張ってきたのですね。ただ、人間関係は「依存する」か「依存しない」かの“二極”で考えている様子なのが少し気になります。

人は少なからず、頼りあって生きていますよね。それは何も、悪いことではないのです。0か100かではなく、「その時の状態や相手によって時々、頼ってしまうこともある」くらいが人の常だと考えてみましょう。

ただし、“頼る程度”を誤ると、人間関係が壊れてしまうこともあります。トピ主さんは学生時代の恋人に、「ちょっと頼りすぎてしまった」ということがあったのかもしれません。それでも、彼だって頼ってくるトピ主さんをかわいく、愛しく思った瞬間があったかもしれませんし、「恋愛相手に夢中になりすぎて、依存しがちになる」というのは、若いカップルにはよくありがちなこと。

頼る“加減”に気をつけていればOK!


過去の反省を生かすならば、「頼ってしまう“加減”には気をつけよう、と心得ておく」くらいで大丈夫だと思いますよ。「頼りすぎてしまったかな?」と思ったら、謝ったり少し甘えないようにしたり……といったバランス調整をすれば、大抵のことは挽回できるもの。極論で考えず、「適度に、バランスよく頼る」ことを目指していきましょう。

必要以上の依存はしないけれど、『甘えたい、頼りたい』と思った時には、感謝しつつ、ちょっと頼らせてもらう……。そうしたバランス調整ができるのが、トピ主さんがいうところの“自立した恋愛”だと私は思います。

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「100%心をオープンにできる関係」を目指すべきなの?


「異性に心を開けない」ことについても、“二極”思考は危険です。どんなに仲のいい家族や親友にだって、言えることと言えないことがありますよね。人は相手や状況によって、自分の心を開ける度合いを調節しながら人付き合いをしていますし、心をぜんぶ開きたいと思っても、「相手の負担になりそうだからやめよう」といったセーブもかけますよね。

そうしているから良好に保たれている、という関係もたくさんあります。「100%心をオープンにする」のが必ずしもいいこと、とは限らないのです。

トピ主さんが彼氏に依存しすぎてしまった」のは、「彼氏なら100%心を開けても受け止めてくれるはず」という過信があったからかもしれません。たとえばですが、「他の人が50%くらいなら、彼氏には70%くらい心を開ける」くらいを目指し、残り30%は自分や友達や趣味など、別のものに頼ってみようと心がけてみるのも一つです。

ともあれ、それは恋人ができてからの話ですね。今はまず、「心が入っていない“恋愛のような関係“は、もう私にはいらない」「相手にも人として信頼してもらい、こちらも相手を信頼できる関係を、少し時間をかけて築いていこう」という意識にチェンジすることから、始めてみてはいかがでしょうか。

知り合って早々に相手が迫ってきたとしてもOKせず、友人・知人関係を半年以上は設けて、信頼しあえる関係構築に取り組んでみる。自分がそういうスタンスに変われば、知り合う異性のタイプも態度も、きっと変わってくるはずです。変化が起きるといいですね。微力ながら、応援しています!
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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