女子を魅了する世界観がすごい♡ プロップスタイリスト・遠藤歩さんにインタビュー

雑誌、広告、カタログ、CM、MVなどで「かわいいなぁ」「素敵だなぁ」と思うスタイリングを見かけること、よくありますよね? 今、多くの女性たちがきゅんとする世界観を演出するプロップスタイリストとして人気を集める人物がいます。それが、多方面で幅広く活躍中のプロップスタイリスト・遠藤歩さん!

(C)LAURIER PRESS
(C)LAURIER PRESS

今回は遠藤さんに、プロップスタイリストとしてのお仕事についてや、先日開催された初の個展「THE WORLD」について独占インタビューをさせて頂きました♡ かわいいもの好きな女子必見です♡

(C)LAURIER PRESS
(C)LAURIER PRESS


目次

プロップスタイリストってどんなお仕事?


プロップスタイリストとは小道具専門のスタイリストで、雑誌 / 広告 / CM / MVなどの背景美術、ショーウィンドーディスプレイ、フォトブース製作などさまざまな場面において世界観を創る、空間を装飾するお仕事のこと。

遠藤歩さんのご活躍からプロップスタイリストという名前が日本で広まったようにも感じますが、プロップスタイリストとして、日々遠藤さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか。



「プロップスタイリストと一言で言えど、アクセサリーや化粧品などの物撮り用のスタイリングをする方をはじめ、さまざまなタイプの方がいらっしゃいます。私の場合、師匠のさくらさんが枠に捉われず、オールマイティーにさまざまな環境で世界観を作ってしまえる方だったので、私もそれにならっています。中学生の頃に 劇団四季の「CATS(キャッツ)」を見たのがきっかけで舞台美術家になりたかったのですが、挫折した後、憧れの蜷川実花さんのホームページで師匠のアシスタント募集を見つけ応募したのがプロップスタイリストという職業を知るきっかけです」

遠藤歩さんの世界観


その後、独自の世界観で“プロップスタイリスト”としてご活動することとなった遠藤さん。中学生の頃に「CATS」を見たことがきっかけともお話してくださいましたが、その頃から今のような“遠藤流”の世界観をお持ちだったのでしょうか?

「母が旅行好きで、私が幼い頃から年4回ほど海外のいろんな場所に連れて行ってくれたんです。世界の文化に触れさせてくれて、「CATS」を観たのも母からの勧めでした」

その旅行先で、24枚撮りのインスタントカメラを1つ渡されたという遠藤さん。"旅行期間中に24枚だけ自由に写真が撮れる"という経験が遠藤さんにとって印象に残っている思い出なのだそう。

「1日に数枚だけ撮れる。ということは、いかに自分の撮りたいものを素晴らしい画角で撮るかというのをものすごく考えなければならかったんです。24枚しかないので、1枚1枚に込める想いがとても強くて、四角の中に自分の一番撮りたい世界観をどう切り取るかということを考えさせられました。今もお仕事をしていく中で、バランスや配置、構図に関して絶対的な自信があるのは、この経験のおかげだと思っています。また、その時に母から『景色の写真はガイドブックに載っているから、景色だけだとつまらないから、必ず人物を入れて撮ってね』と言われたことが印象に残っています。私の創る世界観は、人やメインになる物が最後に入って完成するので、それを見越した配置で空間を作るのですが、子どもの頃に何気なく意識していた経験が今につながっているなと感じています」



お母さまのことを“すごい人、憧れの人”と話してくれた遠藤さん。今の遠藤さんのルーツを育て上げたのは、そうした存在によるものなのかもしれませんね。

今回の個展「THE WORLD」への想いは?


多方面で活躍される遠藤さんが、今年6月に個展「THE WORLD」を開催。今回の個展では、今までのお仕事ではあまり見たことがないような新鮮な作品も登場していました。その思いについてご本人に直撃してみました。

「今まではガーリーなテイストが好きで、ありがたいことに頂くお仕事もそのような案件が多かったので、遠藤歩=かわいい世界観を作る人というイメージを持って頂いてる方も多いと思います。ですが、経験を重ねていくうちに、30歳を目前にして「遠藤歩らしさ」に疑問を持ち始めるようになりました。スタッフではなく作家として、本当に自分自身が表現したい世界観を形にしてみたい、表面上の「かわいい」という表現だけでなく、人の心に深く残り続けるような想いや愛を伝えられるような美しい作品を作りたい! と思って挑んだのが今回の個展でした」




個展タイトルにもなっている「THE WORLD」とはどんな意味が込められているの?


「タロットカードに『THE WORLD』というカードがあって、それが一番最強のカードなんです。物事が完成して、新たなスタート地点に再び立ったことを表します。目標を達成したり願いが叶った後にはまた次のステージがあり、その繰り返しなんだよという意味があって、人生は終わりのない旅路で、人の成長には限界がないというカードです。今の私にピッタリな内容だったのでこのタイトルにしました」

これまでの仕事上の作品とは一線を画し、自分の創りたいものにトライしたと話す遠藤さん。また今回はこんなこだわりもあったのだそう。

「私の作品では、空間だけでなく人の存在が物語性を語る上で非常に重要だと考えています。今回の個展では人もプロップの一部として見せてみてはどうかと考えました。立体的なコラージュ表現のような平面と立体との違和感みたいなものを面白がってもらえたらと思い、実際にモデルさんに入って頂くのではなく、パネルという形で登場してもらいました」

開催された個展では、
・「THE LOVERS」
(C)LAURIER PRESS
(C)LAURIER PRESS

・「Aphrodite」
(C)LAURIER PRESS
(C)LAURIER PRESS

・「狐の嫁入り」
(C)LAURIER PRESS
(C)LAURIER PRESS

・「chinese twins」 
(C)LAURIER PRESS
(C)LAURIER PRESS

といういずれも愛をテーマにした4作品を展示。

どれも“遠藤歩”ならではの世界観で、遠藤さんらしさあふれる愛があふれる素敵な個展でした♡

最後に……今後の目標は?

 
最後に、今後やっていきたい活動や目標、ローリエプレス読者に向けてメッセージをいただきました!

「これまで通りのたくさんお仕事も行っていきたいですが、自分の作品や遠藤歩ディレクションでできる仕事も増やしていきたいなと思っています。一番やりたいと思っているのは、伊勢丹のショーウィンドウジャック。これはずーっと言っている目標です! また、ローリエプレス読者の若い方の中には写真を撮ってSNSに写真をアップするのが好きな子が多いと思いますが、“こうした方が良い”とか“ああした方が良い”とか周りの人の声に左右されるのではなくて、自分自身が本当に好きなものを、自分が撮りたいように撮っていくのが一番だと思います!」 

今回の個展に込めた思いや、今の遠藤さんに至るまでのルーツをお話しいただき、自分自身の「好き」を追求していくことがセンスを磨いていくためには大切なのだと気付かされました……♡

これからますます、自分の世界観を大事に邁進していきたいとお話ししてくれた遠藤さん。今までの遠藤歩さんの幅広いご活躍を楽しみにしています♡

(C)LAURIER PRESS
(C)LAURIER PRESS


(取材協力・遠藤歩 文・ローリエプレス編集部)

この記事を書いたライター

ローリエプレス編集部
恋愛・ファッション・美容・女子のトレンドに関するコラムを毎日配信中。動画やイラスト付きコラムも多数掲載中!

関連記事