「けれんみ」って誉め言葉?語源・意味・使い方を例文と共に詳しく解説!
「けれんみ」という言葉を知っていますか?見たことも聞いたこともないという人もいるでしょう。また、「けれんみ」のことを知っている人のなかには、それを誉め言葉だと思っているケースも少なくないようです。
しかし実際は、「けれんみ」は誉め言葉としても、批判する言葉としても使うことができる、使い勝手のいい言葉なんです。今回は、そんな「けれんみ」という言葉について、語源や意味、使い方や英語表現などを、ていねいに解説していきます。
「けれんみ」は、誰もが知っているような言葉ではないかもしれません。しかし、どんな言葉なのかを知ると、思わず使いたくなってしまうでしょう。なぜなら、この言葉1つで「良い」ということも「悪い」ということも表現することができ、言葉のおもしろさを感じられるからです。
最初はハードルが高く思えるかもしれませんが、感覚をつかめば「このときはこうかな?」と、いろんな場面で使ってみたくなるはずです。少しでも「けれんみ」という言葉に興味がわいたら、ぜひこの記事を読み進めてみてください!
「けれんみ」なんて聞いたこともないという人や、聞いたことはあるけど意味を知らないという人のために、気になる「けれんみ」の意味とその語源をまとめました。
「けれんみ」には、「はったりをきかせたり、ごまかしたりするようなところ」という意味があります。語感からは想像しづらい意味かもしれませんね。漢字では「外連味」と表記します。また、「ケレン味」とカタカナを使って表記されることも多いので、こちらも覚えておくといいでしょう。
「けれんみ」は、歌舞伎や人形浄瑠璃などの演劇に取り入れられる、ある演出方法が語源になっています。その演出方法は「けれん(外連)」と呼ばれ、大がかりな装置の使用や早替わりなど、観客をおどろかせるような奇抜なスタイルのものを指します。演目を盛り上げることができる一方で、「正統じゃない」「邪道だ」といったマイナスイメージもついてしまいました。
「けれんみ」の意味を理解したところで、次は使い方をみていきましょう。「けれんみ」は、いろんな場面で使うことができる、とても便利な言葉なんですよ。例文を使いながら、しっかりとご説明していきますね!
「けれんみ」は、使うシチュエーションによって、良い意味の言葉にも悪い意味の言葉にもなります。「けれんみ」を使う側も、それを受け取る側も、前後の文脈からどちらの意味になっているのかを判断する必要があります。
なので、使い方をきちんと理解していないと、誤解を招いてしまうかもしれません。しかし、使い勝手も良くおもしろい言葉なので、ぜひ使い方を覚えてみてください。
例えば、まじめさや正しさが求められる場面では、「けれんみがない」ほうが高く評価されるでしょう。そういった場面では、決められたことをそのまま正確に行うことが重視されるので、けれんみがないほうが物事がスムーズに運ぶのです。
一方で、クリエイティブさが求められる場面では、「けれんみがある」ほうが高く評価されるでしょう。そういった場面では、いかに人が考えつかないようなアイデアを提案できるかどうかが重視されるので、けれんみが必要になってくるのです。
(例)・あの店員は、けれんみのない誠実な対応をしてくれた。
・彼女の発想は、けれんみがあっておもしろい。
「けれんみ」を悪い意味で使うときというのは、「けれんみ」が邪魔になってしまうときです。例えば、要点を伝えることが最優先される場面でけれんみを盛り込んでしまうと、要点がぼやけてしまい、相手にきちんと伝わらなくなるおそれがあります。
反対に、クリエイティブさが求められるような場面では、けれんみがないとつまらないと思われ、評価が下がるおそれがあります。
(例)・彼の説明は、けれんみがあり過ぎてわかりにくい。
・このデザインは、けれんみに欠けていておもしろくない。
「けれんみ」は、映画や小説などの芸術作品を評価するときや、感想を述べるときによく使われています。芸術作品においては、どちらかというと「けれんみがない」よりも「けれんみがある」という言葉のほうが、評価が高い傾向にあるようです。
小説を例にあげると、わかりきったストーリーより、奇想天外なストーリーのほうが読者をワクワクさせるといった具合です。けれんみがある作品は、刺激が強い作品とも言えます。
もちろん作品によっては、けれんみがないほうが良い場合もありますので、どんな評価をしようとして使われているのかを見極めなければいけません。使い方に一癖ある言葉だからこそ、「けれんみ」を使った評価や感想には、深みが感じられるのかもしれません。
(例)・今話題の映画は、けれんみあふれるストーリー展開らしい。
・新しく始まったドラマは、けれんみのないキャスティングでがっかりした。
「けれんみ」は、ビジネスシーンでも使われることがあります。シチュエーションによって良い意味としても悪い意味としても使われています。例えば契約の場など、間違いの許されない場面では「けれんみがない」が誉め言葉になります。誠実で信用できるという意味合いで使われているからです。
一方で、企画を考えるときなど、柔軟な発想が求められる場面では「けれんみがある」が誉め言葉になります。注目を集めるような斬新な企画だと賞賛する意味合いで使われているからです。
(例)・取引先に伝わりやすくするために、けれんみのない契約書を作ろう。
・コンペで勝つためには、もっとけれんみのあるプレゼンをすべきだ。
ここでは、「けれんみ」の類義語をご紹介します。似ている言葉をおさえておくことが、正しい使い方への近道になるかもしれませんよ!
「偽ること」「真実でないこと」「嘘」などの意味を持つ「偽り」は、「けれんみ」に含まれる要素の1つと言えるでしょう。「けれんみ」よりも強いマイナスイメージを持っている言葉です。
(例)・新聞に、あの政治家は偽りだらけだと書いてあった。
・彼女の証言は、嘘偽りのないものだった。
「だまして人目をあざむくこと」「でまかせを言って真実をかくすこと」を意味する誤魔化しは、「偽り」と同様に「けれんみ」に含まれる要素の1つと言えます。漢字表記の「誤魔化し」は当て字で、ほかに「胡麻化し」と表記されることもあります。
(例)・教授のまえでは、誤魔化しがきかない。
・彼の誤魔化しには、全員がうんざりしている。
「いかにも本当らしく見せかけること。また、そのさまや、もの」「いんちき」を意味する言葉です。特に「いかにも本当らしく見せかける」という部分が、「けれんみ」と共通していると言えます。しかし、「けれんみ」にはあまり感じられない、悪意を含んだニュアンスがあります。
(例)・そんなめちゃくちゃな結果、いかさまとしか思えない。
・あの企業はいかさまをして不正な利益を得ているようだ。
「衒い」とは、「衒うこと」「衒う気持ち」を意味します。「衒う」は、「自分の才能や行為などをほこって、言動にちらつかせる・ひけらかす」という意味を持っています。「けれんみ」は、「わざと普通と違ったことをして人の注意を引こうとする」という意味の慣用句「奇を衒う(きをてらう)」に似ていると言えます。
(例)・彼女は衒いのない性格で好感が持てる。
・この画家は奇を衒った表現が得意だ。
「ウケ狙い」には、「相手の好みにすり寄った発言などをすること」「芝居におけるごまかし、はったり」などの意味があります。「けれんみ」に似ているのは2番目の意味です。
(例)・ウケ狙いで言っただけなのに怒られた。
・そんなのウケ狙いに決まっている。
しかし実際は、「けれんみ」は誉め言葉としても、批判する言葉としても使うことができる、使い勝手のいい言葉なんです。今回は、そんな「けれんみ」という言葉について、語源や意味、使い方や英語表現などを、ていねいに解説していきます。
目次
「けれんみ」ってなに?
「けれんみ」は、誰もが知っているような言葉ではないかもしれません。しかし、どんな言葉なのかを知ると、思わず使いたくなってしまうでしょう。なぜなら、この言葉1つで「良い」ということも「悪い」ということも表現することができ、言葉のおもしろさを感じられるからです。
最初はハードルが高く思えるかもしれませんが、感覚をつかめば「このときはこうかな?」と、いろんな場面で使ってみたくなるはずです。少しでも「けれんみ」という言葉に興味がわいたら、ぜひこの記事を読み進めてみてください!
「けれんみ」の意味・語源は?
「けれんみ」なんて聞いたこともないという人や、聞いたことはあるけど意味を知らないという人のために、気になる「けれんみ」の意味とその語源をまとめました。
「けれんみ」の意味は
「けれんみ」には、「はったりをきかせたり、ごまかしたりするようなところ」という意味があります。語感からは想像しづらい意味かもしれませんね。漢字では「外連味」と表記します。また、「ケレン味」とカタカナを使って表記されることも多いので、こちらも覚えておくといいでしょう。
「けれんみ」の語源は歌舞伎
「けれんみ」は、歌舞伎や人形浄瑠璃などの演劇に取り入れられる、ある演出方法が語源になっています。その演出方法は「けれん(外連)」と呼ばれ、大がかりな装置の使用や早替わりなど、観客をおどろかせるような奇抜なスタイルのものを指します。演目を盛り上げることができる一方で、「正統じゃない」「邪道だ」といったマイナスイメージもついてしまいました。
「けれんみ」の使い方を例文と一緒にみてみよう♪
「けれんみ」の意味を理解したところで、次は使い方をみていきましょう。「けれんみ」は、いろんな場面で使うことができる、とても便利な言葉なんですよ。例文を使いながら、しっかりとご説明していきますね!
良い意味でも悪い意味でも使える
「けれんみ」は、使うシチュエーションによって、良い意味の言葉にも悪い意味の言葉にもなります。「けれんみ」を使う側も、それを受け取る側も、前後の文脈からどちらの意味になっているのかを判断する必要があります。
なので、使い方をきちんと理解していないと、誤解を招いてしまうかもしれません。しかし、使い勝手も良くおもしろい言葉なので、ぜひ使い方を覚えてみてください。
「けれんみ」を良い意味で使うとき
例えば、まじめさや正しさが求められる場面では、「けれんみがない」ほうが高く評価されるでしょう。そういった場面では、決められたことをそのまま正確に行うことが重視されるので、けれんみがないほうが物事がスムーズに運ぶのです。
一方で、クリエイティブさが求められる場面では、「けれんみがある」ほうが高く評価されるでしょう。そういった場面では、いかに人が考えつかないようなアイデアを提案できるかどうかが重視されるので、けれんみが必要になってくるのです。
(例)・あの店員は、けれんみのない誠実な対応をしてくれた。
・彼女の発想は、けれんみがあっておもしろい。
「けれんみ」を悪い意味で使うとき
「けれんみ」を悪い意味で使うときというのは、「けれんみ」が邪魔になってしまうときです。例えば、要点を伝えることが最優先される場面でけれんみを盛り込んでしまうと、要点がぼやけてしまい、相手にきちんと伝わらなくなるおそれがあります。
反対に、クリエイティブさが求められるような場面では、けれんみがないとつまらないと思われ、評価が下がるおそれがあります。
(例)・彼の説明は、けれんみがあり過ぎてわかりにくい。
・このデザインは、けれんみに欠けていておもしろくない。
映画や小説など作品の評価・感想を述べるとき
「けれんみ」は、映画や小説などの芸術作品を評価するときや、感想を述べるときによく使われています。芸術作品においては、どちらかというと「けれんみがない」よりも「けれんみがある」という言葉のほうが、評価が高い傾向にあるようです。
小説を例にあげると、わかりきったストーリーより、奇想天外なストーリーのほうが読者をワクワクさせるといった具合です。けれんみがある作品は、刺激が強い作品とも言えます。
もちろん作品によっては、けれんみがないほうが良い場合もありますので、どんな評価をしようとして使われているのかを見極めなければいけません。使い方に一癖ある言葉だからこそ、「けれんみ」を使った評価や感想には、深みが感じられるのかもしれません。
(例)・今話題の映画は、けれんみあふれるストーリー展開らしい。
・新しく始まったドラマは、けれんみのないキャスティングでがっかりした。
ビジネスシーンで使うとき
「けれんみ」は、ビジネスシーンでも使われることがあります。シチュエーションによって良い意味としても悪い意味としても使われています。例えば契約の場など、間違いの許されない場面では「けれんみがない」が誉め言葉になります。誠実で信用できるという意味合いで使われているからです。
一方で、企画を考えるときなど、柔軟な発想が求められる場面では「けれんみがある」が誉め言葉になります。注目を集めるような斬新な企画だと賞賛する意味合いで使われているからです。
(例)・取引先に伝わりやすくするために、けれんみのない契約書を作ろう。
・コンペで勝つためには、もっとけれんみのあるプレゼンをすべきだ。
「けれんみ」の類義語は?
ここでは、「けれんみ」の類義語をご紹介します。似ている言葉をおさえておくことが、正しい使い方への近道になるかもしれませんよ!
「偽り(いつわり)」
「偽ること」「真実でないこと」「嘘」などの意味を持つ「偽り」は、「けれんみ」に含まれる要素の1つと言えるでしょう。「けれんみ」よりも強いマイナスイメージを持っている言葉です。
(例)・新聞に、あの政治家は偽りだらけだと書いてあった。
・彼女の証言は、嘘偽りのないものだった。
「誤魔化し(ごまかし)」
「だまして人目をあざむくこと」「でまかせを言って真実をかくすこと」を意味する誤魔化しは、「偽り」と同様に「けれんみ」に含まれる要素の1つと言えます。漢字表記の「誤魔化し」は当て字で、ほかに「胡麻化し」と表記されることもあります。
(例)・教授のまえでは、誤魔化しがきかない。
・彼の誤魔化しには、全員がうんざりしている。
「いかさま」
「いかにも本当らしく見せかけること。また、そのさまや、もの」「いんちき」を意味する言葉です。特に「いかにも本当らしく見せかける」という部分が、「けれんみ」と共通していると言えます。しかし、「けれんみ」にはあまり感じられない、悪意を含んだニュアンスがあります。
(例)・そんなめちゃくちゃな結果、いかさまとしか思えない。
・あの企業はいかさまをして不正な利益を得ているようだ。
「衒い(てらい)」
「衒い」とは、「衒うこと」「衒う気持ち」を意味します。「衒う」は、「自分の才能や行為などをほこって、言動にちらつかせる・ひけらかす」という意味を持っています。「けれんみ」は、「わざと普通と違ったことをして人の注意を引こうとする」という意味の慣用句「奇を衒う(きをてらう)」に似ていると言えます。
(例)・彼女は衒いのない性格で好感が持てる。
・この画家は奇を衒った表現が得意だ。
「ウケ狙い」
「ウケ狙い」には、「相手の好みにすり寄った発言などをすること」「芝居におけるごまかし、はったり」などの意味があります。「けれんみ」に似ているのは2番目の意味です。
(例)・ウケ狙いで言っただけなのに怒られた。
・そんなのウケ狙いに決まっている。
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