『できません』はNGワード?ビジネスで使える言い換えと英語表現を紹介

お仕事をしていれば、要望には精一杯応えたいと思っていても、やはり「できない」と伝えなければならない場面はありますよね。どうしても対応できなかったり、時間が合わなかったりすることもあるでしょう。しかし、お仕事相手にそのまま「できません」と言ってしまっていいものなのでしょうか……?


目次

「できません」はビジネスシーンでは使えない!?



結論からお伝えしますが、ビジネスシーンで「できません」は、基本使うことはおすすめしません。なぜなら、「できません」という言葉自体は正しい敬語ではありますが、断定的な表現なため、相手にあまりよくない印象を与えてしまうことがあるからです。

「できません」を伝えるときに忘れてはならないこと



たとえ「できません」という言葉が使えないとしても、伝えなくてはならない場面はありますよね。
そんなときに、以下で紹介するポイントを押さえておくだけでビジネスの場においてスムーズかつ丁寧にやり取りができますので、確認していきましょう。

断りの前置きをいれる


ビジネスで「できません」とぶっきらぼうに伝えた場合「あれ?なんか、感じ悪い……?」と相手が受け取ってしまうと、のちのち不利益となる可能性もあります。

なので、まずは「本当は、ご要望にお応えしたかったのですが……!」という気持ちをお知らせしたうえで、「できない」事実をきちんと伝えるのが社会人として、必要なスキルになるわけです。

このように、断るときのショックをやわらげるための前置きの言葉をクッション言葉と言います。このクッション言葉は、相手にとって不利益な内容でも気持ちよく受け取ってもらえるようにするために使います。

「できない」とは言っても、シチュエーションはさまざま。ビジネスシーンで使える断りの前置きを見てみましょう。

・あいにくですが、
・恐縮ですが、
・せっかくですが、
・残念ではありますが、
・大変ありがたいお話ですが、
・ご意向に添えず、
・不本意ではございますが、
・勝手ではございますが、
・身に余るお話ですが、
・願ってもない機会ですが、
・ご期待に添えず恐れ入りますが、


一気にご紹介しましたが、どんな要望に対しての断りなのかによって、前置きも選択していく必要がありますね。それでも、この一言があるかないかで、だいぶ相手が受け取るときの印象は、変わってきます。ぜひ活用しましょう!

お詫びの言葉を添える


「できない」ことを伝える際には、もちろんお詫びの言葉も必要です。社会人であれば、きっと自然にお詫びの言葉は出るのでは、と想像できますが、おもにメールなどの顔の見えない文書でお断りをする際には、より丁寧な表現が求められます。

「できない」ことを受け取った方は、少なからずがっかりしている方です。もしくは落胆が怒りへと変わる方も、なかにはいるかもしれません。お詫びの気持ちも丁寧に伝えましょう。

・お力になれず申し訳ございません。
・何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
・ご理解いただきますようお願い申し上げます。


ただ謝るだけではなく、相手を立てる言葉を用いて伝えると、きっと次に繋がっていくと思いますよ!

ビジネスで通用する「できません」の言い換え



上記では「できません」と伝える場合に、覚えておきたいことを紹介しました。ここからは実際に「できません」をビジネスの場や目上の人と話すときにどのように言い換えればいいかを解説していきます。

いたしかねます


「いたしかねます」とは「することが難しい」を謙譲語で言い表しています。相手を立て、自分をへりくだらせて伝えられるので、丁寧な断りの表現と言えます。

難しく存じます


「難しい」とは「簡単にはできない」を意味し、「存じます」は「思います」を意味します。そのため、「本当は要望に応えたいけれど、自分の力不足、または物理的に不可能な場合などの理由でできない」と、気持ちをスマートかつ丁寧に伝えられます。

承りかねます


「承る」は「受ける」の謙譲語で、「謹んで受ける」を意味します。
慣れないと舌をかんでしまいそうですが、「承る」はよく使うので、さまざまな表現を覚えておくのはプラスになると思いますよ!

一存では決めかねます


「できません」というそのままの意味とはズレてしまう言葉ですが、その場で答えを出すせない場合、このような断り方もありますね。まだまだ自分だけで全て判断するのは難しいこともあるでしょう。慌てずに上司の方と相談してお返事したいときにこのように伝えるようにすると、快く受け入れてもらいやすいうえに、マナーのある良い女性に思ってもらえるでしょう。

ビジネスでよく使われる「できませんでした」の言い方



次は、「できませんでした」の言い換えです。「できませんでした」と相手に伝えるまでに、少なからず時間を頂戴しているわけなので、きちんと丁寧かつ誠意のある返答ができる人になりたいですよね。それでは、さっそく見ていきましょう。

残念ながらご期待に添うことができませんでした


「期待」とは、実現するだろうと望むことを意味し「添う」は目的通りになることを意味します。「できるだろうと思っていたものができなかった」という意味合いから、相手の落胆が大きいことをわたしは察していますよ、と相手に伝える断りの言葉だと言えます。

ご要望にお応えできず申し訳ありませんでした


「要望」は「して欲しいと望むこと」を意味します。シンプルにそれに応えられなかったことを謝罪する言葉で、よく使われるフレーズでしょう。

残念ながらお断りせざるを得ないとの結論に至りました。


「せざるを得ない」とは、「しないわけにはいかない」を意味します。この場合「本当は受けたかったけれど、どうしても断らなければならない」、という切実な気持ちが込められていると言えます。

相手を不快にさせない「~できませんか?」の言い方



「できませんか?」という言い方は、威圧的に受け取られる場合があります。威圧的にならずに、相手に気持ちよく受け入れてもらえる、ビジネス用の言い方を覚えていきましょう!

可能でしょうか


敬語ではありますが、ビジネスではあまりおすすめできないと言われています。やはり正しい敬語であったとしても、受け取った相手に押しが強い表現と取られてしまう場合があるようです。ですので、目上の方や取引相手などには別の表現を用いるのが、より安心です。

お願いできませんでしょうか


こちらは実は「二重敬語」にあたるので、文法的には間違った表現なんです。しかし、一般的に多用されていることもあり、一概には間違いとは言えなくなっています。

「お願いできますでしょうか」と、できるだろうと肯定した表現よりも「お願いできませんでしょうか」と否定した言い回しの方が、相手への気配りが感じられることから、間違った表現ではありますが使用されるようになりました。

いただけないでしょうか


「いただく」というのは謙譲語なので、自分をへりくだらせた表現になるため、目上の方や取引先の方に使う言葉として問題ありません。

いただきたく存じます


こちらも何かお願いしたいようなときによく使われるフレーズです。「ご検討ください」だと、丁寧ではあるけれど、少し高圧的に捉えられなくもないですよね。「ご検討ください」から「ご検討いただきたく存じます」に変えるだけで、丁寧な印象が増します。

いただけると幸いです


「できませんか?」の疑問文とは異なりますが、「幸い」というのは「こうしてくれたらありがたい」という気持ちが込められているので、より丁寧な表現になります。

またメールなどの文書で気をつけるべき点になりますが、質問であっても、語尾に「?(クエスチョンマーク)」は付けるべきではありません。そのため、疑問文よりも肯定文での表現の方が、よりスマートな印象を持つ方もいます。

「できません」と同じくNGな敬語表現



「できません」のように、敬語であってもビジネスシーンでは不適切と言われる表現があります。こちらもぜひ覚えておきましょう。

できないです


「できないです」は文法としては敬語ですが、やはりシンプルなせいか、相手にとって幼い印象を与えたり、キツく響いてしまったりする表現なので、ビジネスでは控えた方が賢明でしょう。

できかねます


「できかねる」とは「できない」という否定の言葉を、遠回しに表現したものです。このような表現を婉曲(えんきょく)表現と言います。

「かねる」は、それ自体が敬語ではないので、例えば上司から部下にも使える言葉です。そのため、誤解を生むという意見もあるようですが、一般的に多用されている表現ではあります。

「対応 or 参加できません」をビジネス敬語で言うと?



お仕事の付き合いで、さまざまな会合やセミナーなどへのお誘いもありますよね。
でもどうしても参加できない。そんな時のスムーズな言い方をご紹介します。

辞退させていただきます


「ちょっと上からの言い方では?」と思われる方もいるかと思いますが、「させてもらう」を謙譲語にした表現で、問題なく使用できます。
ただ、やはり人によっては一方的で強い言葉に聞こえる場合もあるようです。

見送らせていただきます


「見送る」には、そのまま「遠くへ去る人を眺める」などの意味の他に、「やりすごす。さしひかえる。そのままにしておく。」などの意味もあり、ビジネスにおいては、上司やお客さまに対して、断りを入れる際の丁寧な表現として使用されます。

遠慮させていただきます


この場合、「遠慮する」というのは「辞退する」を意味するので、「辞退させていただきます」という言い方よりも、奥ゆかしさを感じる優しい表現と言えます。

「使用できません」をビジネス敬語で言うと?



「使用できない」というのは、禁止する場合にも使われるため、相手への配慮が必要になります。どんな点に気をつければよいでしょうか。

ご利用になれません


「利用できない」を、丁寧に表現したものを指します。敬語ではありますが、「ご利用いただけません」に比べると、強い禁止に聞こえる場合があります。

ご利用いただけません


「利用してもらえない」を謙譲語にした表現です。「利用できない」と不可能であることを伝えるよりも、「本当は利用してもらいたいのですが」という気持ちを伝えられる表現だと言えます。

「できません」の英語表現



お仕事によっては、海外の方とやりとりする方もいますよね。そんなときに使える、英語表現をご紹介します。

できないことをストレートに伝える表現


できません:Can't do it.シンプルで分かりやすいので、対面など、表情が見えるような場合は使えるかもしれません。

できないことを丁寧に断る表現


・すみませんが、できません:I’m sorry but I cannot.  I'm afraid I but cannot.
afraidには、せっかくですが、残念ながらなどの意味があります。
また、can’t よりも cannot と略さない方がより丁寧な表現として使えます。

・残念ながらできません:Unfortunately I cannot do it
Unfortunatelyには、あいにく、不運にもなどの意味があります。

・~させていただくのは難しい(いたしかねる):It is difficult for us to ~

英語圏の方はビジネスシーンであっても、フランクな表現を使っているように思われがちですが、丁寧な表現を必要とするのは、日本語を扱うわたしたちと変わりません。

ビジネスで「できません」と伝えなければならないとき



さまざまな「できません」の言い表し方をご紹介してきました。ビジネスシーンでは、敬語であっても適切ではない表現があることや、口頭と文章によっても気をつけるべきところがあるなど、一概に「これを使うべき!」と言えないのが本当のところです。

仕事をしていれば、お断りの内容を伝えることはできれば避けたいことではありますよね。「誠心誠意対応すれば、言葉なんて!」と、心意気も大切にしたいところですが、やはり社会人として仕事をしているのであれば、そうもいかないのが現実です。

最低限恥ずかしい思いをしなくて済むよう、謝罪する立場の際には、より丁寧に言葉を選んでいきたいですね。

(まい)
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