便秘、下痢、痔etc.今こそ知っておきたい便にまつわる基礎知識! 痔を防ぐ肛門体操も【デリケートゾーンの話第三夜】

お腹の調子は自分の健康状態をチェックするバロメーター。臭いものにふたをする前に、知っておきたい基礎知識を集めました!

お話をうかがったのは…
寺田俊明先生
肛門科専門医。胃・大腸・肛門の専門病院である『寺田病院』院長。大腸肛門病センター長として痔などの肛門診療を専門としている
江田 証先生
消化器専門医。『江田クリニック』院長。毎日、国内外からの200人近い患者の診察にあたる。『新しい腸の教科書』など著書多数
Q1.便秘かと思えば今度は下痢……。私のお腹、どーなってるの!?
A.過敏性腸症候群(IBS)の疑いあり
「過敏性腸症候群(IBS)」とは、文字どおり腸が過敏になること。感受性が強く、ストレスを受けやすい10~30代に多いそう。「下痢・便秘・腹痛・腹鳴・ガスの貯留感などの不快感が続く病気です。症状は下痢や便秘のいずれか、もしくは両方が起きて腹痛が生じます。女性の場合は便秘型か混合型が多いですね。症状が1カ月以上続くようなら病院へ」(江田先生)
Q2.便秘のことも人に相談しづらいよね……
A.専門外来はもちろん、便利なアプリも
「女性外来や便秘外来のほか、痔の症状があるなら肛門科へ。『痔を専門とする医師を探そう』というサイトで専門医を検索できます」(寺田先生)。便の記録ができる『ウンログ』というアプリも登場!
色や形、量やニオイなどを記録すると、100点満点から評価。記録するたびにポイントがたまり、Amazonギフト券と交換が可能。腸活食材やサプリの記録ができる腸活記録機能も。
『ウンログ』:無料。提供元:ウンログQ3.腸にきく食材って、やっぱりヨーグルト?
A.実は、逆効果の人もいます
腸内環境を整える食材をとると、かえって便秘や下痢を引き起こしてしまう人がいるのだそう。「特にIBSの人は、小麦類や豆類、りんごやヨーグルトに多い発酵性の糖質“FODMAP”を控えましょう。FODMAPは便秘やおなら、消化管障害の原因となることがわかっていて、食生活を変えて約3週間で約75%が不調改善したというデータもあるほど。また、お腹のはりやガスで悩んでいる人の主食は、パンよりも米がおすすめです」(江田先生)
Q4.痔を防ぐにはどうすれば?
A.便通を整え、肛門や腹筋を鍛えて
「肛門は毎日使うものですから、劣化するのは当然なんです。痔は、いきみや便秘が原因の生活習慣病なので、便通を整えることで症状は改善されます。いぼ痔や切れ痔なら、温めたり肛門体操をするのも有効。便を押し出す腹筋を鍛えるのもいいですね。電車やバスで座った時、腹筋に力を入れて両足を上げて30秒キープするだけでも腹筋を鍛えられますよ」(寺田先生)
①肛門体操で血行促進! 頭のてっぺんに肛門を引き上げるイメージでお尻の穴を締める
②力を抜いてゆるめ、また締める。最初は5回を目安に徐々に増やす。排便後にもおすすめ
♡最新号の試し読み・電子版の購入はこちら♡

取材・原文/国分美由紀 イラスト/うてのての

関連記事