【牡牛座】哲学派占い師SUGARさんの12星座占い<5/3〜5/16> 月のパッセージ―新月はクラい、満月はエモい―

12星座全体の運勢
「濃密なエモを嗅ぎとって堪能すればいい」
5月7日は鞍馬寺などでブッダの生涯を祝うウエサク祭が催され、蠍座で満月を迎えます。今回の蠍座の満月は「FULFILLMENT(約束の履行と実現)」がキーワード。これは言い換えれば「変容の成就」ということでもあり、古いパターンからの脱却や離脱、引きこもり期間の後に、人生のユニークでカラフルなビジョンに目覚めることがテーマとなっています。今週はできるだけ現実の豊かな匂いや味を堪能していくことで、心が昂揚する「エモッ!」を研ぎ澄ましていきたいところ。
牡牛座(おうし座)
今週のおうし座のキーワードは、「声色」。
川端康成の『雪国』の冒頭。汽車の窓から「駅長さん」と呼びかける葉子の声の印象について、作者は主人公の島村の視点から「悲しいほど美しい声」と書き、作中で何度も繰り返してみせました。

「悲しい」は感情であり、「美しい」は感覚的判断ですから、ふつうその二つは論理的には結びつかないのですが、私たちは聴覚でとらえる声のなかに、しばしば相手の輝くような黄色い喜びや青く透きとおった悲哀などの視覚的な「色」を見出し、ある種の共感覚体験をしていくことがあります。

そうした共感覚体験は、一般的に幼い子供の時期ほど経験しやすく、逆に大人になっていくほど経験しにくくなっていくとされていますが、これは心を対象から遠ざけるようになってしまうからではないでしょうか。

逆に言えば、幼児のように自分の方から心を開いて距離を寄せれば、相手の声の微妙な音色まで感じとれるもの。今週は、そんな‟出会いの場所”としての声の彩りに注目してみるといいかも知れません。

出典: 川端康成『雪国』(新潮文庫)<プロフィール>
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。
文/SUGAR イラスト/チヤキ

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