【双子座】哲学派占い師SUGARさんの12星座占い<5/3〜5/16> 月のパッセージ―新月はクラい、満月はエモい―

12星座全体の運勢
「濃密なエモを嗅ぎとって堪能すればいい」
5月7日は鞍馬寺などでブッダの生涯を祝うウエサク祭が催され、蠍座で満月を迎えます。今回の蠍座の満月は「FULFILLMENT(約束の履行と実現)」がキーワード。これは言い換えれば「変容の成就」ということでもあり、古いパターンからの脱却や離脱、引きこもり期間の後に、人生のユニークでカラフルなビジョンに目覚めることがテーマとなっています。今週はできるだけ現実の豊かな匂いや味を堪能していくことで、心が昂揚する「エモッ!」を研ぎ澄ましていきたいところ。
双子座(ふたご座)
今週のふたご座のキーワードは、「猫の爪」。
梶井基次郎は飼い猫と遊び戯れるうちに浮かんでくる空想を題材にした随筆『愛撫』の中で、「爪のない猫」について思いを巡らし、それに「空想を失ってしまった詩人」というイメージを重ねてみせました。

おそらく爪を失った猫は、高所から飛び降りることも、爪を研ぐことも、獲物めがけ飛びかかることも不可能となり、やがて絶望して死んでしまうだろう。猫の匕首(あいくち)のように鋭い爪は、「この動物の活力であり、智恵であり、精霊であり、一切である」。

従って猫の猫である所以は、爪の定期的な使用にこそあり、それを危険だからとか、喧嘩するからといった人間の自分勝手な都合で台無しにしてしまえば、詩の書けない詩人同然なのだと。

つまり、自分の中のもっとも危うい部分こそ、その適切な運用次第で最大の武器となりうる。そしてそれは他の誰かの都合を押しつけられて奪われてはならないものなのであり、今週のふたご座もまた、自分を猫に重ねてみたとき爪に該当するものが何なのかということを今一度思い浮かべてみるといいでしょう。

出典:梶井基次郎『愛撫』(ちくま日本文学028)<プロフィール>
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。
文/SUGAR イラスト/チヤキ

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