【蟹座】哲学派占い師SUGARさんの12星座占い<5/17〜5/30> 月のパッセージ ー新月はクラい、満月はエモいー

12星座全体の運勢
「自分を変えるための学びを」
木々の若葉が青葉に変わり、夏の兆しが一気に濃くなっていく二十四節気の「小満」が5月20日。その直後にあたる5月23日に、私たちは双子座で新月を迎えていきます。今回の全体キーワードは「学力の形成」。これは何か本を読んだり出来事を向きあったときに、「それでいったい何が解ったことになるのですか」と自問するということであり、「解ることによって自分が変わる」ということを身に沁みて感じていくということでもあります。今回の新月前後は「自分を変えるための学び」をどこに見出し、そこに手間をかけていけるかを改めて意識していきたいところ。
蟹座(かに座)
今週のかに座のキーワードは、「なつかしい」。
誰しも「はじめて見知ったことなのに、なつかしい」と感じて、不思議な心持ちになった経験が一度や二度はあるはず。

『日本国語大辞典』によれば、「なつかしい」とは動詞「なつく」の形容詞化したものであり、もともとは猫が「なつく」ように、いま目の前に存在する対象に「心が惹かれ離れたくないさま」を表す言葉であったのが、やがて過去や離れているものへの想いとして転用されてきたのだと言います。

つまり、一度しか接したことのないような疎遠な対象であったとしても、「心が惹かれ、離れたくない」と想わされたなら、それは「なつかしい」のです。

中でも、失われた何ものかは、記憶の再浮上を通してのみ出会うことができますから、格別になつかしさを想起させられ、結果として冒頭のような印象を私たちに与えることになるのかも知れません。

「質の高い記憶イメージは心の中ので「動く」。音も出すし、匂いや味もする。触れれば当然、あたたかかったり冷たかったりする。いわば五感を総動員した共感覚的な特質を具えているのだ。」(桑木野幸司『記憶術全史』講談社選書メチエ)

遠くもあり、近くもある。そんな不思議な距離感を覚える対象を、あなたは持っているでしょうか。

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<プロフィール>
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。
文/SUGAR イラスト/チヤキ

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