【石原さとみ】スペシャルインタビュー1「魅力的なものは自分のすぐそばにもある、と気づけるようになった」

石原さとみ 言葉のミチシルベ
正直に語られる等身大な“言葉”の数々。それはいつも前向きな力を届け、道標のように私たちを導いてくれた。石原さんの“過去”からつながる“今”の言葉。モア読者への心に響くメッセージ。MORE5月号に掲載されているインタビューを3回に分けてお届けします。変化と探究ーー変わらずに大切にしていること、今の彼女の探究心が向かう場所。
常に自分の中に目標を掲げ、自ら行動を起こし、変化し続ける人。変わらずに大切にしていること、今の彼女の探究心が向かう場所。

 その時どんな自分でいたいかって、いつも自問自答しているんでしょうね
(2019年8月号)

 10代後半から、毎年手帳に“65歳までにかなえたいこと、そのために実行するべきこと”を書き出していたんです。逆算して、今やらなきゃいけないことを自分に課して、それが多すぎて情けなくなったりもして……
(2016年11月号)「仕事の目標やなりたい自分を言語化してメモ。そこに近づくためにはどうすればいいか考え実行する。これは私が10代の頃から続けていることです。メモするのは未来のことだけ。過去のメモを見返すことはめったにないんですけど、これまで『MORE』に掲載いただいたインタビューを読み返してみると、過去に語った“なりたい”がけっこう叶っている自分が今ここにいるんですよね。“成長しているんだな”と実感することができたから、たまには振り返るのもいいのかもしれない(笑)」

 今の自分に満足することなく常に変化を意識。自分のあるべき姿を探究するため、学び、人に会い、旅に出る。悩み迷いながらも自ら行動を起こし、進化してきた石原さん。その経験を語る言葉はいつも読者にたくさんの気づきを届けてくれた。そして、彼女は今も変化し続けている。

「2021年の私がメモした言葉のひとつが“ときに考えないことも大切”。世界が一変した昨年は私自身、不安な気持ちになることもありました。そんな時、『考えないことを覚えたほうがいい』と言葉をかけてもらったことがきっかけで、私がチャレンジしているのがメディテーション。呼吸に集中して頭をからっぽにする、最初は難しかったけれど、だんだんと頭の中がクリアになったんです。いかに考えすぎていたか、その考えに振り回されていたかに気づき、本当に大切なものが見えるようになり、漠然とした未来への不安も無意味なものだと思えるようになりました。

 探究するのが好きな私にとって“行動”を起こすことが難しい今の状況は苦しい時もあります。でも、気づかされたことはとても多くて。たとえば、家の掃除を隅々までするようになって初めて、壁紙がきちんと合わさっていない箇所を見つけたんです(笑)。長く暮らしている部屋の中にも驚くような発見があったり、遠出はできなくても散歩の途中で創業100年以上続くお豆腐屋さんを見つけたり、未曽有の状況下だからこそ家族の優しさや温かさに気づけたり……。新しい環境、新しい場所、新しい出会い。それは刺激にもなるけれど、自分のすぐそばにも魅力的なものがたくさんある。そこに気づけるようになった自分が今は少しうれしくもあるんです」

ベスト¥68200・ブラウス¥26400・パンツ¥45100/リステア総合カスタマーサービス(アイレネ) リング(右手)¥12650・(左手)¥13750・ブレスレット¥12100/ソワリー 靴/スタイリスト私物
 いつだって自分に飽きたくない
(2018年2月号)

 私は今も決して強い人間じゃない。まだまだブレブレだけど、だからこそ、“こんな自分になりたい”という気持ちに支えられて進んでいます
(2017年7月号)
選択ーー彼女が手に入れたもの、見つけたもの。
選択の積み重ねが自分をつくる。その大切さについて語り、選択を繰り返してきた彼女が手に入れたもの、見つけたもの。

 人生も自分の選択次第でどんどん変わる。それを楽しめるようになるまでは、意識的に努力をすることも、時間をかけることも必要。自分の本心から逃げずに、一歩ずつでも進んでいけばいつか楽しめるようになる。20代後半は、そのことを学べたから、すごく幸せな時間だったと思います
(2017年7月号) 過去のインタビューで石原さんが繰り返し語ってきたのが“選択すること”の大切さ。自分と向きあい、自分で選び、責任を持ちながら前に進む。その大切さと楽しさを私たちに届け、教えてくれた。

「悩み迷っていた20代前半。自分で選択することを覚えた時に、私は初めて自分の足で人生を歩き始めた気がします。自分が選んだものは、自分の心が何を求め、どこに向かおうとしているのかを教えてくれる。私にとって“選択”は自分自身と向きあう作業でもあって、それを積み重ねることでより自分のことを理解できるようになりました。今の私は興味が自分の内側に向いているというか。日々の生活を大切にすること、生きるために自分が何を必要としているか心の声に耳を澄ますこと……。誰かや何かの力に頼るだけではなく、自分で自分を鼓舞する方法や、自分で自分を豊かに幸せにする方法を少しずつ学び、身につけることができているのを感じているんです。それはとても居心地がよくて。言葉で表現するなら“自分の足に合う靴がようやく見つかった”感じ。

 その“一足”に出合うことができたのは、今までたくさんの靴を自分で選び、試しばきを繰り返してきたから。自分をよく知らなかった頃は靴ずれをつくっては自分の足を傷つけることもあったし。『これだ!』と思ったのに、はいたらとても歩きづらくて途中で脱いでしまった靴もあれば、周りからは『可愛いね』と言われるけれど私の足には合わない靴もありました。そんなトライ&エラーを積み重ねたからこそ“本当に自分に合う一足”を見つけることができた。自分らしいと思える生き方が見えてきた。これまでいろんなことを経験してきたけれど、喜びも悲しみもすべてムダではなかったなとあらためて思うんです。私ならではの一足に出合えた今は、どこまでも歩いていけそうな気がしています」

 たくさんある選択肢の中から自分だけの“大好き”を見つける、その積み重ねが自分の個性になり自信にもつながっていく
(2019年2月号)
SATOMI ISHIHARA
いしはら・さとみ●1986年12月24日生まれ。第27回ホリプロタレントスカウトキャラバンにてグランプリ受賞を果たし女優デビュー。主演ドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系・水曜22:00~)が4月から放送開始。舞台『終わりよければすべてよし』が5月12日開幕

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撮影/生田昌士(hannah) ヘア&メイク/木部明美(PEACE MONKEY) スタイリスト/宮澤敬子(WHITNEY) フラワースタイリスト/神田諭佳(てん.) 撮影協力/アワビーズ バックグラウンズ ファクトリー 取材・原文/石井美輪 構成・企画/高戸映里奈(MORE)

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