コスメブランド『uneven』ディレクター・コジマ サキさんの履歴書「『面白そう』と思ったほうに進んだだけ」

It girlの「私の履歴書」
選んだ生き方にこそ、センスが表れる
自分の「好き」という気持ちに正直に選択し、イキイキと働く女性たちを取材するこの連載。第3回は、PR、ヘア&メイク、コスメブランド『uneven(アニヴェン)』ディレクターと複数の肩書を持つコジマ サキさんにお話をうかがいました。
コジマ サキさん
フリーランスPR、ヘア&メイク、ブランドディレクターと3つの「好き」を両立しながら働く
Job :
フリーランスPR、ヘア&メイク、コスメブランド『uneven(アニヴェン)』ディレクター
Profile :
1991年生まれ、新潟県出身。ヘアサロンPRを経て、フリーランスPR、ヘア&メイクとして独立。2020年にコスメブランド『uneven』を立ち上げるHistory
2010
医療栄養について学ぶ4年制大学に入学。2年通ったのち中退。教育系の栄養専門学校に再入学し、栄養教諭を目指す
2013
専門学校卒業。美容・ファッション系の仕事につく知人に影響を受けヘアサロンに就職
2019
受付として就職したヘアサロンでPRやメイクアップの経験を積み独立。フリーPR、ヘア&メイクに
2020
PR、ヘア&メイクをしながら、コスメブランド『uneven』を立ち上げ、ディレクターに
コジマ サキさんの選択
“発信していれば、自分の「能力」や「進む道」を見つけてくれる人がいる”
「自分の直感を信じることが大切」と、道を切り開いてきた人はよく言うが「直感」とはなんなのだろうか。コジマさんにとっては「面白そう」という気持ちなのだという。

コジマ サキ「大学時代は、学校にいる給食のお姉さんに憧れ栄養学を学びましたが、結果的にその道は自分にとって『何か違う』と判断しました。時間とお金をかけて学んできたものを超えるやりたいことに出会えたからです。それが美容やファッションの道でした」

その選択が当然だったかのように話す彼女だが、ずっと抱いていた夢から方向転換することは簡単ではないように思える。

コジマ サキ「『面白そう』と思ったほうに進んだだけなので、ためらいはなかったです。興味を持ったきっかけは、大学時代にファッションショーなどを開催するイベント会社の方に出会ったこと。もともと古着やコスメは好きでしたが、業界で働く方の話を聞くうちに魅力に引き込まれていきました」

就職活動ではファッション、美容関係の企業を受け、縁があったヘアサロンに就職。受付をしながらサロンのビジュアル撮影のディレクションや、サロンモデルとして来店する知人たちにメイクをするようになる。

コジマ サキ「学校などでメイクの勉強をしたことはなかったのですが、やり始めたら楽しくて! 今思えば、勉強していないからこそ『こうあるべき』という固定観念がなく、自由に自分の『可愛い』を形にできたのがよかったのかもしれません。頭の中にあるものを表現する楽しさを知り、美容だけでなくもっと幅広いジャンルに携わりたいという思いからサロンを退職しフリーランスに。ファッションブランドのPRや、ヘア&メイクのお仕事もするようになりました」

枠にとらわれない表現が目に留まり、独立後にヘアサロン時代のお客さんからブランドディレクターの話が舞い込んだという。

コジマ サキ「思いがけない話に驚きましたが、ワクワクしたので『とりあえずやってみよう』と流れに身を任せることに。今の3つの仕事は、最初の入口こそ自分で決めたものの、周りからすすめられて挑戦したことばかり。私も普段から好きなことは口に出すようにしていますが、今はSNSもありますし、発信することで自分以外の人が道を切り開いてくれるパターンもあると思います」“当たり前の日常を意識し直せばインプットの種があふれているかも”
「『uneven』ディレクターの仕事内容は幅広く、アイテムの開発をはじめ、ビジュアル、HPやInstagramの投稿内容など目に見えるすべてのディレクションに関わっています。インプットのためにしていることは実はあまりなく……音楽や『Netflix』、『YouTube』などの配信動画にも疎いのが正直なところ。ただ、何かを生み出すための情報収集はエンタメからしか得られないわけではないと思っています。街中で出会う人、当たり前にある自然や街並みだって意識して見てみると発見があるもの。実際、『uneven』のコスメはふと目に入った花やコンクリート、石などからインスピレーションを得ています」(コジマさん、以下同)
「私には3つの肩書がありますが、どれも同じくらいのバランスで進めています。それぞれまったく違う業務内容なので、仕事の切り替えをほかの仕事でしている感覚(笑)。ひとつの仕事で学んだことがほかで生かされることも多いですね。たとえば、誰かに相談すること。『uneven』のディレクションを通じて、人の意見を聞くことの大切さに気づいたんです。学生時代からわりとリーダーを任されることが多くて、自分で何かを選択することは苦手ではありませんでしたが、『熱量の高いメンバーの意見を集めて生まれたアイデアは、決してひとりだけでは生み出せない』と実感して。ディレクター業以外の仕事でも相談することが増えました」Saki’s OSHIGOTO STYLE
FASHION
「『uneven』のブランドカラーは、肌に近いベージュと、どんな色も引き立てる黒。そのため、ディレクターの仕事をする日はブラックコーデと決めています。テイストはその日の気分と予定によりますが、今日は取材の日なのでデザインワンピで華やかにしてみました」MAKE-UP
「服に合わせてバッグや靴を選ぶように、メイクも服とのバランスで毎日変えています。今日はやわらかなピンクメイク」Private
●これまで配信した「It Girlの『私の履歴書』」はこちらから
「常に仕事のことを考えてしまうタイプなので、オフィスから少し離れた街に引っ越し。移動で気分を切り替え、家でワインを飲む時間が楽しみ」撮影/山根悠太郎 取材・原文/宮田彩加

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