話題のイベント『Moments of Life』の詳細を徹底レポート!


「いけばな」「映画」「最新テクノロジー」が融合した、時空間ミュージアム『Moments of Life』が2月26日~3月1日まで華道家元池坊のホールで開催されました。


今回のイベントでは「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して始まった、短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』の第2弾となる、『MIRRORLIAR FILMS season2』とのコラボレーションが実現! 短編映画9本をモチーフに制作されたいけばな9作品と、映画といけばなからインスピレーションを受け映像化されたデジタルアートが1つの空間の中で融合するという、全く新しい試みが体感できるミュージアムになっていました!


豪華クリエイターが集結!



2月28日(月)には、短編映画を制作した監督や華道家が集結したスペシャルトークセッションが開催され、豪華クリエイターが集結! 『MIRRORLIAR FILMS』プロデューサーの山田孝之、短編映画の監督を務めた三島有紀子、Azumi Hasegawaをはじめ、華道家で池坊中央研修学院の研究員である柿沢正一、XR技術を活用した映像作品を制作している『THINK AND SENSE』のリーダーでヴィジュアルアーティストの松山周平など、異なるジャンルのプロフェッショナルが集まり、映画やいけばなへの理解を深めるトークセッションが行われました。


トークでは映画をモチーフに作成されたいけばなとデジタル映像の見どころや制作秘話、映画監督たちによるいけばな作品への感想などが語られ、映画やいけばなへの理解がさらに深まる時間に。



トークセッションの最初に、展覧会の総合プロデューサーを務めた松山は「(いけばなは)どこからでも鑑賞していただけるというのが1つの特徴です。鑑賞というよりか体験というような言い方が出来ると思います。どの瞬間にも違った表情を見せるので、遠くから見たり近くで見てみたりと、能動的な鑑賞をしていただければと思います」と展覧会の楽しみ方を説明。松山の言葉の通り、見る角度によって全く違った表情を見せるいけばなの魅力に引き込まれました。


映画をモチーフにした、繊細ないけばな作品


『The Little Star』をモチーフに柿沢正一が制作した「noir」

イベントでは映画をモチーフにした9つのいけばな作品が順に紹介され、華道家と映画監督が作品の解釈について紐解くトークを繰り広げられました。山田孝之が主演を務めた短編映画『The Little Star』をモチーフに華道家の柿沢正一が制作した「noir」について、柿沢は「一番印象的なシーンが、我が子が誘拐された時に妻が旦那さんを責めるシーン。針を刺すようなシーンが印象的で、そこに注目して表現しました」と制作理由を説明。


それを受けて、責められる旦那を演じた山田は「切ないっすね。下に落ちている一輪。そこに作品の中での自分の娘だったり、娘が誘拐されてしまった時に持っていたパンダのぬいぐるみにも見えたりするし、夫婦の最後を繋ぎ止めていたものだったり…いろんなものに感じます」と、『The Little Star』のシーンを振り返りながら、柿沢の作品を絶賛。見る角度やタイミング、見る人によって違った表情を見せるいけばなの奥深さを感じることができました。


『Denture Adventure』をモチーフに池坊短期大学華道部の皆さんが制作した「美しい心」

Azumi監督がニューヨークで撮影した『Denture Adventure』をモチーフに池坊短期大学華道部の皆さんが制作した「美しい心」が紹介された場面では、Azumi監督が「(この作品は)未亡人のミセス・ワンが、ある日浜辺で金歯を拾って、帰ってつけてみたら次の日若返った、という話なんです」と作品の概要を説明。


続けて、いけばな作品について「金歯の位置まで正確に入れてもらったり、ポップでファンタジーさを的確に表現していただきました。私が作ったものに対してインスパイアされて、新しい解釈で素敵なものを作ってくれるのは、本当に嬉しかったです」と、学生の皆さんとコラボレーション出来た喜びを語っていました。


異色のコラボで新しい文化が生まれる



トークセッションでは、アーティスト自身もお互いに大きな刺激を受けたそう。柿沢は「普段のいけばなではしないような表現にあえて挑戦した作品もある」と話し、制作にあたって「映画を通した時の生花の美しさというものを考えた。美貌というのは様々で、美貌の多様化を改めて感じた」と今回のイベントで感じた収穫について振り返りました。


また、短編映画『インペリアル大阪堂島出入橋』の監督を務めた三島も、いけばなの作品を見て「主役を演じた佐藤浩市さんがここに立っているよう。いけばなの表現力を改めて感じた」と絶賛。異なるフィールドで活躍するアーティスト同士が、コラボレーションを通じて普段の制作の枠を超えた作品ができた、というトークからは、今回のイベントの醍醐味が感じられました。



トークセッションの最後に三島監督は、「自分が撮っている映画は役者さんが演じてくださって、魂であったりエネルギーは想像するしかない。いけばなは1つの生命のエネルギーを具現化できることが良いな、と思いました」と映画といけばなの表現の違いについて触れ、「『MIRRORLIAR FILMS』という映画も世界の人に見ていただいて、お花とCGのアートと一緒に世界に羽ばたいていって欲しいな、と思いました」とイベントを締め括りました。


「映画」と「いけばな」、「CGを使った最新テクノロジー」と今までに見たことのない、異色のコラボレーションが楽しめた今回の展覧会。“芸術”と一口に言っても、表現の仕方は無限大。様々なジャンルの表現者が集まることで、お互いの表現と想像力が相乗効果で高められていくのを感じ、今後の更なる広がりが楽しみになりました。今から次回のイベントが待ちきれないです!

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