想像力の膨らむ抒情的なジャケット〜サイモン&ガーファンクル『サウンド・オブ・サイレンス』〜平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)連載

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音楽と絵画を愛するお笑い芸人・平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)が美術館の館長となり、自身が所持する数々のCDジャケットのなかから絵画的に見て優れているもの、時に珍しいものをご紹介する連載。

第173回:想像力の膨らむ抒情的なジャケット

今回ご紹介するのはこちら。

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サイモン&ガーファンクル『サウンド・オブ・サイレンス』(1966年)

1960年代フォークロックアーティストとしてはたぶんボブ・ディランと知名度を二分するデュオ。日本でもいまだによく聴かれるいくつかの超有名曲ももっている。

『サウンド・オブ・サイレンス』はまさに日本人にもよく知られている彼らの代表曲のひとつ。物悲しげなアコースティックギターのイントロから始まり、消え入りそうに儚いアート・ガーファンクルの歌唱。内省的な歌詞を珠玉のメロディに乗せて切々と歌い上げていく。まさに音楽の歴史に残るべくして残った大名曲である。

ただ、本作に収録されている『サウンド・オブ・サイレンス』に関しては実はオリジナルバージョンではなく、オリジナルはデビューアルバム『水曜の朝、午前3時』に収録されている。その違いはサウンドそのもの。もともとアコースティックギターのみの純粋なフォークスタイルだったものを、プロデューサーのトム・ウィルソンがボブ・ディランの『ライク・ア・ローリング・ストーン』のようなロックとの融合を試み、バンドサウンドを追加しセカンドアルバムである本作に再録されることとなった。つまり『サウンド・オブ・サイレンス』サウンド・オブ・ディファレンスバージョンである。セールス的に不振だったデビューアルバムに比べ、まずこの『サウンド・オブ・サイレンス』をシングルとして発売したところ大ヒット。この勢いに乗り短期間で仕上げたセカンドアルバムが本作というわけである。

タイトル曲以外にも素晴らしい名曲が多く収録されており、アコースティックギターのみのインスト曲『アンジー』や、美しいメロディをもつフォークスタイルの楽曲『4月になれば彼女は』からロック調の『はりきってゆこう』『アイ・アム・ア・ロック』までのラスト3曲の流れなんかはたまらないものがある。

そしてこのジャケットがまた実にサイモン&ガーファンクルらしい。目的のない旅にでも出るかのような雰囲気のふたり。通り過ぎる風にふと振り返った瞬間のような……。画面に動きがあり、センチメンタルで色々と想像力の膨らむ抒情的なジャケットである。このまま普通にコンビニにでも行かれたら超冷める。

いまだ色褪せない歴史的名曲『サウンド・オブ・サイレンス』に耳を傾け、“静寂の音”に耳を傾けよう。

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