いとこ同士で結婚できる?いとこ婚をするメリット・デメリットとは
あなたのいとこはどんな人ですか?
いとこは自分の親のきょうだいの子どものことを指します。人によっていとことの距離はさまざまです。
めったに会うことがない場合もあれば、住んでいる場所が近く、しょっちゅう顔を合わせる間柄の人もいることでしょう。幼いころから接していて好きになってしまった!ということもあるでしょうし、いとこであることを知らずに恋に落ちてしまった!というドラマみたいな展開もないとは言い切れません。
今回はそんないとこと結婚はできるのか、メリットやデメリットをあわせて紹介していきます。
いとこ同士での結婚、いわゆる「いとこ婚」を知っていますか?中には「いとこと結婚できるの?」と思っている方もいるでしょう。学校でもいとこと結婚できるということは習うはずなのですが、案外知らない人も多いのが現状です。ここからは「いとこ婚」について詳しく説明していきます。
日本の法律上、いとこ同士での結婚は認められています。
1親等:あなたの実父母、配偶者、子供
2親等:あなたの兄弟姉妹、祖父母、孫
3親等:あなたの曾祖父母、おじ・おば、甥・姪
3親等以内の結婚は禁じられいますが、いとこは4親等にあたるので、問題はありません。
日本において、江戸時代ごろまではいとこ同士の結婚は今ほど珍しいものではありませんでした。
世界的に見ても、王族や貴族など地位の高い人々の間では当たり前のように行われていました。昔は家系や血統が重要視されていた時代であったことも理由のひとつです。血を濃くたもつために近親間で結婚することがあたりまえの時代もありました。今では考えられませんね。
昔は親同士が決めた相手と結婚する事も多く、いとこ同士は物理的に距離が近い場所で住んでいると、親同士が話をつけやすいこともあったのでしょう。
現在は昔より自由に結婚相手を選べるようになりましたし、出会いの場が広がったことで恋愛結婚やお見合いで結婚するケースが増え、昔に比べていとこ婚は少なくなってきました。
少なくなってきたことで、いとこ同士の結婚を知らない人が増え、中にはタブー視する人もいます。
いとこ同士での結婚が許されているのであれば、実際にメリットがあるかどうか気になるところですよね。ここからは、意外にたくさんあるいとこ同士で結婚するメリットを紹介します。
いとこ同士ということは、お互いが親戚同士ということになります。自分の両親の兄弟姉妹が近くに住んでいるのなら、小さなころから付き合いがあることでしょう。まるでおさななじみやきょうだいのように育つことも珍しくありません。
小さなころから付き合いがあるということは、お互いをよく知っていることに繋がります。結婚してから「こんな人とは思わなかった!」ということが起きる確率が下がります。お互いの良いところも悪いところも知っているからこそ、結婚へのハードルも下がり、結婚後のギャップが少なくなります。仲がよく、お互いの思っていることを何でも言いあえる夫婦になれそうです。
結婚前にお互いを知るために同棲を始めるカップルは多いですが、いとこ同士の距離が近く、昔から相手のことを良く知っているのなら、このステップを省けるというメリットがあります。お付き合いから結婚へいきなりのステップアップも可能なのです。
いとこ婚のもうひとつのメリットは、嫁姑問題がないことです。いとこの両親のどちらかは自分の親のきょうだいなので、家庭内で問題が起きても相談しやすいというメリットがあります。
多くの奥様の悩みのタネのひとつである嫁姑問題は、幼いころから家族同士の付き合いが長い場合だと更に避けやすくなります。お互いが近しい親族だからこそ、良好な関係を続けたいという気持ちが双方にあることが理由のひとつです。結局最後に大事になるのは思いやりと意思の力ですね。嫁姑問題は夫や家族にも相談しづらいのが世の常ですが、いとこ婚ならその心配はなさそうです。
もちろんいとこ婚でなくとも姑といい関係を築ける場合もありますが、いとこ同士だとさらにいい関係を作りやすいと言えます。女性にとって嫁姑問題がないことは嬉しいポイントです。
親戚付き合いも結婚生活において悩みのタネになりやすい問題です。結婚するまではもちろん、結婚してからも季節の挨拶など、さまざまな場面で気を使うことになってしまいます。かといって親戚付き合いを放棄するのこともできないので、無理をして相手の家族に合わせる場面もあることでしょう。
いとこ婚だと、両家の両親がそもそも親戚関係にあるため、昔から付き合いがあればなおのこと親戚付き合いは楽になります。親同士はきょうだいなので気兼ねない付き合いができますし、自分たちにとって相手の両親は叔父・叔母になります。小さいころから可愛がってもらう機会も多いことでしょう。子どものころのようにおじちゃんやおばちゃんの家に遊びにいくという感覚で親戚付き合いができるのは助かりますよね。
ふつうの結婚では考えられないほど、ラフでフランクな親戚付き合いができることでしょう。とはいえ、親しき仲にも礼儀ありといいます。お互いに良い距離感で付き合っていく努力は必要になりそうです。
いとこ婚には多くのメリットがあることがわかりました。しかし物事に裏表があるように、メリットがあればデメリットもあります。愛が燃えあがるのは良いことですが、いとこ同士で結婚することによって生じるデメリットについてもしっかり考えていきましょう。
日本の法律では、いとこ婚は禁止されていませんし、昔は珍しくない風潮でした。でも、現在はどうでしょうか?日本におけるいとこ同士の結婚の件数は減っており、珍しい存在になりつつあります。中にはいとこ同士で結婚ができることを知らない人すらいます。それぐらい珍しい存在になってきているのです。
しかも血縁的にもわりと近い相手との結婚になるので、血の濃さを心配する人も多いのが現実です。そういった事情もあり、血縁関係がない相手との結婚の方が安心と考えている人も多いです。少数派であることから、よく知らない人に差別的な目で見られたり、偏見(へんけん)の目で見られることもあるでしょう。
周囲の目を気にする2人には厳しい状況になるかもしれません。心ない言葉や態度で傷ついてしまうかもしれないという覚悟も必要です。それを乗り越える2人の愛も大事ですね。
いとこ同士で結婚し、皆で仲良く暮らせれば最高です。しかし、もし離婚してしまった場合に、気まずくなるのは2人だけではありません。
お互いの両親同士の仲も気まずくなる可能性があります。しかも離婚後も親戚付き合いは続きます。さまざまな親族間の行事で顔を合わせることもあるでしょう。円満離婚し、その後も仲良くやっていけたら問題ありませんが、両家を巻き込んだ離婚騒ぎを起こすとそうはいきません。
かつては仲の良い親戚同士だったのに、離婚をきっかけに疎遠になってしまう可能性もあります。そうなると親戚付き合いのたびにギクシャクしてしまいます。自分達の親だけでなく、他の親戚にも迷惑をかけてしまうかもしれません。
いとこ同士の結婚が心配・不安だと感じたり、反対する人の多くが子どもへの障がいが出る可能性を理由に挙げます。結婚すれば子どもができるのは自然なことです。
いとこ同士での子どもは、血縁関係にない夫婦に比べて遺伝病や奇形、障がいを抱えて生まれてくる確率が高いと言われています。
アメリカなどではいとこ婚を禁じる州も多くあります。中国や韓国でも同じく禁じられており、血が濃くなることで起きうる子どもへの影響を心配していることがわかります。
どんな夫婦でも子どもが障がいを持って生まれてくる可能性はあります。いとこ同士だとそのリスクが上がることを事前に考えておきましょう。生まれてくる子のためにも責任をもって双方が納得する必要があります。
かつていとこ同士や、近親間での結婚は珍しいことではなかったとお伝えしましたが、逆にいえば自分の親がいとこ同士で結婚している可能性もゼロではありません。血が濃くなりすぎることがわかったなら、諦めることを選択しに入れなければならない時もあるでしょう。
いとこ同士の子供が、必ず障がいを抱えて生まれてくるとは断定されていません。しかし遺伝子的に一定のリスクを持っており、研究結果として血縁関係がない夫婦の子どもより数%ではありますが、リスクが上がると言われています。
血が近いということは、遺伝子的にも似たものを持っていることになります。いとこ同士の劣性遺伝子の組み合わせによっては生まれてくる子が遺伝病を抱えて生まれてくる可能性が高くなるといった話も聞かれます。
とはいえ、劣性遺伝子は誰もが持っているものです。それがいとこ同士だと、持っている劣性遺伝子が似通っていたり相性が悪い場合に起こります。心配しすぎることはありませんが、可能性があり、普通の夫婦よりは少しリスクが高いことはしっかりと理解しておきましょう。
いとこ同士で子どもを作るリスクは、心配しないでいい程度の確率という発表もあれば、リスクは普通に比べてかなり高いという発表もあります。遺伝子のことはまだまだ解明されていない部分が多いです。
いとこ婚のメリットやデメリットを紹介してきました。実際にデメリットを乗り越え、メリットの恩恵にあずかることができるのかが一番気になりますよね。
ここからは、いとこ婚が現実的なのか、世間の意見も交えて紹介していきます。
日本では法律で許されているので、いとこ婚自体にはなんの問題もありません。でも、世間の意見はどうなのでしょうか。
肯定的な意見としては、「法律で認められてるんだからOK」という意見や、「お互いに幸せなら良いと思う」という意見が多くみられます。実際、いとこ同士で結婚している幸せな2人を知っていて、幸せそうだから良いと考えている人も多いです。「2人が幸せならばいい」「周囲も認めてくれたならいい」と、最終的には人の目ではなく自分たちが決めることだという意見もありました。
いとこ婚に否定的な意見の中には、「いとこ相手に恋愛感情がわかない」など、「もし自分がいとこと結婚するなら無理」という主観的な意見が多くありました。「身内で恋愛関係になるということが考えられないので嫌悪感がある」など、血の濃さを気にする意見もあります。「家族・親族の目が気になる」など、いとこ婚のデメリットで紹介したものもありました。
世間の意見は賛否両論なので、絶対に受け入れられないとは言い切れませんし、かといって全ての人に祝福されるとは限りません。とはいえ、法律で許されていることなので、2人が望むのならばいとこ婚に踏み切るのもアリです。
世間の目や意見は、2人の愛情で乗り越えられるかもしれません。ですが、他人や家族に受け入れられない可能性があることや、生まれてくる子どもへのリスクがゼロではないことなど、2人の愛情だけではどうにもならないことがあるのも事実です。
周囲の反対を押し切って結婚した場合、困った時に助けを求められない状況に陥るかもしれません。いとこ婚を考えるには、まずは冷静に子どもや将来のことを考えましょう。
冷静に考えた結果、それでもいとこと結婚したい!という気持ちがあるならば、強い意志を持ちましょう。せっかく愛し合った2人が、周囲の環境や要員のせいで気まずくなって破局してしまうのはもったいないです。
逆境に負けない強い意志を持ち、2人の生活を楽しく継続するための努力が必要になります。
いとこ同士の結婚が法律で許されているのなら、実際にいとこ同士と結婚した人もいるはずです。中には私たちでも知っているような大物有名人がいるかもしないと思い、調べてみました。
菅直人さんは、日本の政治家でかつて副総理を務めました。そんな菅直人さんはいとこであるエッセイスト・姫井伸子さんと結婚しました。結婚の際には、両家の親族から反対されてしまったそうです。兄妹である双方の親が揃って話し合いの席が設けられたにも関わらず、最後には政治的論争が繰り広げられ、家族会議でもその調子で、最後には皆が疲れて寝てしまったというエピソードがあります。
芥川比呂志さんは、日本の俳優・演出家で、多くの著作や出演作を残しています。あの「羅生門」を書いた芥川龍之介氏の長男としても有名で、氏の2番目の姉の長女である芥川瑠璃子さんと結婚しました。調べたところ、いとこである瑠璃子さんとの結婚に反対されたという話はありませんでした。
村上信夫さんは、フランス料理を日本に広めたシェフとして有名で、「ムッシュ村上」の愛称で親しまれていました。帝国ホテルの料理長を勤め、バイキング方式を日本で初めて行った先駆者です。そんな村上シェフもいとこと結婚しています。
日本人ではありませんが、理論物理学者のアルベルト・アインシュタインもいとこ同士で結婚しています。アインシュタインには前妻がいましたが、離婚して4カ月ほど経ったころ、いとこのエルザと再婚しています。
いとこ婚は法律で許されているので、いとこ同士での結婚は可能です。いとこを好きになって結婚を考えるのもアリですし、世間の声も反対意見ばかりではありません。いとこ婚だからこそ、問題が少々複雑な一面もありますが、親戚として距離が近いからこそのメリットもあるし、近いからこそのデメリットもあります。そもそも、相手がいとこでなくても、どんな結婚にも心配事はあるものです。
どんな夫婦も子どもに影響があるかもしれないとなれば心配もあるでしょう。ですが、統計上でそれ程大きなリスクはないので心配しすぎることはありません。知らないままで結婚するのではなく、リスクのことも考えての決断は必要です。
いとこ婚に関するメリット・デメリットを理解したうえで、それでも結婚したい!と思える相手なのか。燃え上がる愛も素敵ですが、時には立ち止まって冷静に考えることも必要です。あなたの決断が将来の笑顔を生むものでありますように。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
(まい)
いとこは自分の親のきょうだいの子どものことを指します。人によっていとことの距離はさまざまです。
めったに会うことがない場合もあれば、住んでいる場所が近く、しょっちゅう顔を合わせる間柄の人もいることでしょう。幼いころから接していて好きになってしまった!ということもあるでしょうし、いとこであることを知らずに恋に落ちてしまった!というドラマみたいな展開もないとは言い切れません。
今回はそんないとこと結婚はできるのか、メリットやデメリットをあわせて紹介していきます。
目次
いとこ同士での結婚「いとこ婚」って知ってる?
いとこ同士での結婚、いわゆる「いとこ婚」を知っていますか?中には「いとこと結婚できるの?」と思っている方もいるでしょう。学校でもいとこと結婚できるということは習うはずなのですが、案外知らない人も多いのが現状です。ここからは「いとこ婚」について詳しく説明していきます。
いとこ同士での結婚は法律上OK
日本の法律上、いとこ同士での結婚は認められています。
1親等:あなたの実父母、配偶者、子供
2親等:あなたの兄弟姉妹、祖父母、孫
3親等:あなたの曾祖父母、おじ・おば、甥・姪
3親等以内の結婚は禁じられいますが、いとこは4親等にあたるので、問題はありません。
昔はいとこ婚は普通だった
日本において、江戸時代ごろまではいとこ同士の結婚は今ほど珍しいものではありませんでした。
世界的に見ても、王族や貴族など地位の高い人々の間では当たり前のように行われていました。昔は家系や血統が重要視されていた時代であったことも理由のひとつです。血を濃くたもつために近親間で結婚することがあたりまえの時代もありました。今では考えられませんね。
昔は親同士が決めた相手と結婚する事も多く、いとこ同士は物理的に距離が近い場所で住んでいると、親同士が話をつけやすいこともあったのでしょう。
現在は昔より自由に結婚相手を選べるようになりましたし、出会いの場が広がったことで恋愛結婚やお見合いで結婚するケースが増え、昔に比べていとこ婚は少なくなってきました。
少なくなってきたことで、いとこ同士の結婚を知らない人が増え、中にはタブー視する人もいます。
いとこ同士で結婚するメリット
いとこ同士での結婚が許されているのであれば、実際にメリットがあるかどうか気になるところですよね。ここからは、意外にたくさんあるいとこ同士で結婚するメリットを紹介します。
お互いをよく知っている
いとこ同士ということは、お互いが親戚同士ということになります。自分の両親の兄弟姉妹が近くに住んでいるのなら、小さなころから付き合いがあることでしょう。まるでおさななじみやきょうだいのように育つことも珍しくありません。
小さなころから付き合いがあるということは、お互いをよく知っていることに繋がります。結婚してから「こんな人とは思わなかった!」ということが起きる確率が下がります。お互いの良いところも悪いところも知っているからこそ、結婚へのハードルも下がり、結婚後のギャップが少なくなります。仲がよく、お互いの思っていることを何でも言いあえる夫婦になれそうです。
結婚前にお互いを知るために同棲を始めるカップルは多いですが、いとこ同士の距離が近く、昔から相手のことを良く知っているのなら、このステップを省けるというメリットがあります。お付き合いから結婚へいきなりのステップアップも可能なのです。
嫁姑問題がない
いとこ婚のもうひとつのメリットは、嫁姑問題がないことです。いとこの両親のどちらかは自分の親のきょうだいなので、家庭内で問題が起きても相談しやすいというメリットがあります。
多くの奥様の悩みのタネのひとつである嫁姑問題は、幼いころから家族同士の付き合いが長い場合だと更に避けやすくなります。お互いが近しい親族だからこそ、良好な関係を続けたいという気持ちが双方にあることが理由のひとつです。結局最後に大事になるのは思いやりと意思の力ですね。嫁姑問題は夫や家族にも相談しづらいのが世の常ですが、いとこ婚ならその心配はなさそうです。
もちろんいとこ婚でなくとも姑といい関係を築ける場合もありますが、いとこ同士だとさらにいい関係を作りやすいと言えます。女性にとって嫁姑問題がないことは嬉しいポイントです。
親戚付き合いが楽
親戚付き合いも結婚生活において悩みのタネになりやすい問題です。結婚するまではもちろん、結婚してからも季節の挨拶など、さまざまな場面で気を使うことになってしまいます。かといって親戚付き合いを放棄するのこともできないので、無理をして相手の家族に合わせる場面もあることでしょう。
いとこ婚だと、両家の両親がそもそも親戚関係にあるため、昔から付き合いがあればなおのこと親戚付き合いは楽になります。親同士はきょうだいなので気兼ねない付き合いができますし、自分たちにとって相手の両親は叔父・叔母になります。小さいころから可愛がってもらう機会も多いことでしょう。子どものころのようにおじちゃんやおばちゃんの家に遊びにいくという感覚で親戚付き合いができるのは助かりますよね。
ふつうの結婚では考えられないほど、ラフでフランクな親戚付き合いができることでしょう。とはいえ、親しき仲にも礼儀ありといいます。お互いに良い距離感で付き合っていく努力は必要になりそうです。
いとこ同士で結婚するデメリット
いとこ婚には多くのメリットがあることがわかりました。しかし物事に裏表があるように、メリットがあればデメリットもあります。愛が燃えあがるのは良いことですが、いとこ同士で結婚することによって生じるデメリットについてもしっかり考えていきましょう。
周囲の目が痛い
日本の法律では、いとこ婚は禁止されていませんし、昔は珍しくない風潮でした。でも、現在はどうでしょうか?日本におけるいとこ同士の結婚の件数は減っており、珍しい存在になりつつあります。中にはいとこ同士で結婚ができることを知らない人すらいます。それぐらい珍しい存在になってきているのです。
しかも血縁的にもわりと近い相手との結婚になるので、血の濃さを心配する人も多いのが現実です。そういった事情もあり、血縁関係がない相手との結婚の方が安心と考えている人も多いです。少数派であることから、よく知らない人に差別的な目で見られたり、偏見(へんけん)の目で見られることもあるでしょう。
周囲の目を気にする2人には厳しい状況になるかもしれません。心ない言葉や態度で傷ついてしまうかもしれないという覚悟も必要です。それを乗り越える2人の愛も大事ですね。
離婚した時に困る
いとこ同士で結婚し、皆で仲良く暮らせれば最高です。しかし、もし離婚してしまった場合に、気まずくなるのは2人だけではありません。
お互いの両親同士の仲も気まずくなる可能性があります。しかも離婚後も親戚付き合いは続きます。さまざまな親族間の行事で顔を合わせることもあるでしょう。円満離婚し、その後も仲良くやっていけたら問題ありませんが、両家を巻き込んだ離婚騒ぎを起こすとそうはいきません。
かつては仲の良い親戚同士だったのに、離婚をきっかけに疎遠になってしまう可能性もあります。そうなると親戚付き合いのたびにギクシャクしてしまいます。自分達の親だけでなく、他の親戚にも迷惑をかけてしまうかもしれません。
子どもに障がいが出る可能性がある
いとこ同士の結婚が心配・不安だと感じたり、反対する人の多くが子どもへの障がいが出る可能性を理由に挙げます。結婚すれば子どもができるのは自然なことです。
いとこ同士での子どもは、血縁関係にない夫婦に比べて遺伝病や奇形、障がいを抱えて生まれてくる確率が高いと言われています。
いとこ婚を禁じる国も多い
アメリカなどではいとこ婚を禁じる州も多くあります。中国や韓国でも同じく禁じられており、血が濃くなることで起きうる子どもへの影響を心配していることがわかります。
いとこ同士で子どもを作る前に考えたいこと
どんな夫婦でも子どもが障がいを持って生まれてくる可能性はあります。いとこ同士だとそのリスクが上がることを事前に考えておきましょう。生まれてくる子のためにも責任をもって双方が納得する必要があります。
かつていとこ同士や、近親間での結婚は珍しいことではなかったとお伝えしましたが、逆にいえば自分の親がいとこ同士で結婚している可能性もゼロではありません。血が濃くなりすぎることがわかったなら、諦めることを選択しに入れなければならない時もあるでしょう。
なぜいとこ同士だとリスクがあるのか
いとこ同士の子供が、必ず障がいを抱えて生まれてくるとは断定されていません。しかし遺伝子的に一定のリスクを持っており、研究結果として血縁関係がない夫婦の子どもより数%ではありますが、リスクが上がると言われています。
血が近いということは、遺伝子的にも似たものを持っていることになります。いとこ同士の劣性遺伝子の組み合わせによっては生まれてくる子が遺伝病を抱えて生まれてくる可能性が高くなるといった話も聞かれます。
とはいえ、劣性遺伝子は誰もが持っているものです。それがいとこ同士だと、持っている劣性遺伝子が似通っていたり相性が悪い場合に起こります。心配しすぎることはありませんが、可能性があり、普通の夫婦よりは少しリスクが高いことはしっかりと理解しておきましょう。
いとこ同士で子どもを作るリスクは、心配しないでいい程度の確率という発表もあれば、リスクは普通に比べてかなり高いという発表もあります。遺伝子のことはまだまだ解明されていない部分が多いです。
いとこ同士での結婚は現実的にアリなの?
いとこ婚のメリットやデメリットを紹介してきました。実際にデメリットを乗り越え、メリットの恩恵にあずかることができるのかが一番気になりますよね。
ここからは、いとこ婚が現実的なのか、世間の意見も交えて紹介していきます。
世間の意見は賛否両論
日本では法律で許されているので、いとこ婚自体にはなんの問題もありません。でも、世間の意見はどうなのでしょうか。
肯定的な意見
肯定的な意見としては、「法律で認められてるんだからOK」という意見や、「お互いに幸せなら良いと思う」という意見が多くみられます。実際、いとこ同士で結婚している幸せな2人を知っていて、幸せそうだから良いと考えている人も多いです。「2人が幸せならばいい」「周囲も認めてくれたならいい」と、最終的には人の目ではなく自分たちが決めることだという意見もありました。
否定的な意見
いとこ婚に否定的な意見の中には、「いとこ相手に恋愛感情がわかない」など、「もし自分がいとこと結婚するなら無理」という主観的な意見が多くありました。「身内で恋愛関係になるということが考えられないので嫌悪感がある」など、血の濃さを気にする意見もあります。「家族・親族の目が気になる」など、いとこ婚のデメリットで紹介したものもありました。
2人の愛情だけではどうにもならないことも
世間の意見は賛否両論なので、絶対に受け入れられないとは言い切れませんし、かといって全ての人に祝福されるとは限りません。とはいえ、法律で許されていることなので、2人が望むのならばいとこ婚に踏み切るのもアリです。
世間の目や意見は、2人の愛情で乗り越えられるかもしれません。ですが、他人や家族に受け入れられない可能性があることや、生まれてくる子どもへのリスクがゼロではないことなど、2人の愛情だけではどうにもならないことがあるのも事実です。
周囲の反対を押し切って結婚した場合、困った時に助けを求められない状況に陥るかもしれません。いとこ婚を考えるには、まずは冷静に子どもや将来のことを考えましょう。
結婚するなら強い意志を持つべき
冷静に考えた結果、それでもいとこと結婚したい!という気持ちがあるならば、強い意志を持ちましょう。せっかく愛し合った2人が、周囲の環境や要員のせいで気まずくなって破局してしまうのはもったいないです。
逆境に負けない強い意志を持ち、2人の生活を楽しく継続するための努力が必要になります。
いとこ同士で結婚した大物有名人
いとこ同士の結婚が法律で許されているのなら、実際にいとこ同士と結婚した人もいるはずです。中には私たちでも知っているような大物有名人がいるかもしないと思い、調べてみました。
菅 直人
菅直人さんは、日本の政治家でかつて副総理を務めました。そんな菅直人さんはいとこであるエッセイスト・姫井伸子さんと結婚しました。結婚の際には、両家の親族から反対されてしまったそうです。兄妹である双方の親が揃って話し合いの席が設けられたにも関わらず、最後には政治的論争が繰り広げられ、家族会議でもその調子で、最後には皆が疲れて寝てしまったというエピソードがあります。
芥川 比呂志
芥川比呂志さんは、日本の俳優・演出家で、多くの著作や出演作を残しています。あの「羅生門」を書いた芥川龍之介氏の長男としても有名で、氏の2番目の姉の長女である芥川瑠璃子さんと結婚しました。調べたところ、いとこである瑠璃子さんとの結婚に反対されたという話はありませんでした。
村上 信夫
村上信夫さんは、フランス料理を日本に広めたシェフとして有名で、「ムッシュ村上」の愛称で親しまれていました。帝国ホテルの料理長を勤め、バイキング方式を日本で初めて行った先駆者です。そんな村上シェフもいとこと結婚しています。
アルベルト・アインシュタイン
日本人ではありませんが、理論物理学者のアルベルト・アインシュタインもいとこ同士で結婚しています。アインシュタインには前妻がいましたが、離婚して4カ月ほど経ったころ、いとこのエルザと再婚しています。
いとことの結婚はできる!でも冷静に考えて
いとこ婚は法律で許されているので、いとこ同士での結婚は可能です。いとこを好きになって結婚を考えるのもアリですし、世間の声も反対意見ばかりではありません。いとこ婚だからこそ、問題が少々複雑な一面もありますが、親戚として距離が近いからこそのメリットもあるし、近いからこそのデメリットもあります。そもそも、相手がいとこでなくても、どんな結婚にも心配事はあるものです。
どんな夫婦も子どもに影響があるかもしれないとなれば心配もあるでしょう。ですが、統計上でそれ程大きなリスクはないので心配しすぎることはありません。知らないままで結婚するのではなく、リスクのことも考えての決断は必要です。
いとこ婚に関するメリット・デメリットを理解したうえで、それでも結婚したい!と思える相手なのか。燃え上がる愛も素敵ですが、時には立ち止まって冷静に考えることも必要です。あなたの決断が将来の笑顔を生むものでありますように。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
(まい)
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この記事を書いたライター
まい
1993年7月生まれ、22歳より大手出版社に入社し美容系の雑誌にて編集業務に従事、現在はフリーランスとしてライターを中心に多方面で活動をしています。
得意分野はファッション・美容・恋愛記事で、複数メディアにてその分野に関する記事を執筆中!その他にも夢占いや言葉の使い方など色々なジャンルにも興味あり♡
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