10年後の自分のために、“今”どうしても知っておいてほしい「子宮頸がん」のこと

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女性特有のがんである子宮頸がん。実はワクチンと検診で予防できるめずらしいがんなんです。「名前は聞いたことがあるけど、詳しくは知らない……」という方もいらっしゃるのでは?

今回は、イーク表参道副院長の高尾美穂先生にローリエガールズのあいちゃん(21)とたまきちゃん(22)がお話を聞いてきました。子宮頸がんとはどんな病気で、どうしたら予防ができるのか、10年後の自分のために学んでいきましょう。


高尾 美穂/MIHO TAKAO
・産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター
・女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長
・株式会社ドーム(アンダーアーマー) アドバイザリードクター
・文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー
イーク表参道では、内科・婦人科・乳腺の診療を通して女性の健康をサポートし、 婦人科部門責任者として女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポート。またその環境を活かし、マターナル(周産期)ヨガも提供。
http://www.mihotakao.jp/


目次

子宮頸がんってどんな病気?





あいちゃん
「子宮頸がん」という名前は聞いたことがあるのですが、具体的にはどんな病気なのでしょうか?


高尾先生
子宮頸がんは「感染症によって起こる」がんです。性交渉でヒトパピローマウイルス(以下、HPV)に感染することで発症するということがわかっています。


たまきちゃん
がんと聞くと年齢の高い方がなるイメージがありますが、若い女性でも発症することはあるんですか?


高尾先生
たまきちゃんの言う通り、一般的にがんの発症の多くは50〜60代以降の方です。

しかし、女性特有の子宮頸がんや乳がんは20〜30代で発症することもあります。特に子宮頸がんの発症のピークは30代後半ですが、20代後半〜30代前半ごろから増加傾向(※)が見られます。妊娠がわかって婦人科を訪れ、そこで受けた検査で子宮頸がんを知るケースもあるのです。

母親になろうというタイミングでがんであると知ることがあるため、子宮頸がんは「マザーキラー」とも呼ばれる病気なのです。子育て世代の母親が家族を残して亡くなるケースも多く、発症に気付くのが遅れると20〜40代の輝く時期に、ある日突然命を脅かされる病気といえるでしょう。
※出典:がん情報サービス

たまきちゃん
まさに私たちと同じ20代でもなりうる病気なのですね.....。治療や入院による体や心へのダメージも大きそうです。

HPVに感染すると必ず子宮頸がんになってしまうんですか?




高尾先生
必ずがんになるわけではありません。HPVが侵入してきたとしても一時的に留まりますが、その後は自然に消滅するケースがほとんどなんです。

しかし、ウイルスが長期的に留まった場合、だんだんと子宮の入り口の細胞が、がん細胞に変化するという特徴があります。

「子宮頸がんの検査で引っかかった」という言葉を聞いたことがありませんか?


たまきちゃん
ブログやSNSでの発信で見聞きしたことはあります。


高尾先生
「子宮頸がんの検査で引っかかった」というのは、子宮頸がんになる前段階(以下、異形成)で見つかった(※)ということなんですよ。

子宮頸がんは、「がん」の状態になる途中の段階で見つけられるケースもあるのです。


※子宮頸がんになってから見つかるケースもあります

あいちゃん
そうなんですね!がんになる前に見つかるってすごい




高尾先生
検査で異形成が見つかったら、医師から検査の間隔を短くする提案をされることもあります(※)。そうすることで、万が一悪化していた場合は、早く気が付けるんです。


※病期が進んでいた場合、精密検査や治療開始を勧められるケースもあります

たまきちゃん
検査を受けることってとても大切なんですね。ちなみに……子宮頸がん検診は、どれくらいの間隔で受診するのがいいんでしょうか?


高尾先生
20歳以上の女性は2年に1回定期的に受診することが大切です。また、異常を指摘されたとしても良くなっていく場合もあるので、定期的に検査を受けて経過を観察しましょう。

一方で発見が遅いと、子宮だけでなく卵巣や卵管を全摘出したり、膣の一部やリンパ節も取り除くため女性ホルモンが出なくなったり、性交渉が困難になったりとさまざまな障害が出てくることも……。


たまきちゃん
検査をすることで異常に早く気が付くことができ、悪化する前に対策できるんですね。


高尾先生
それでも年間約2,900人が亡くなるという現状があるのです。日本は定期検診受診率も低く、20~69歳以下では半数以下の44%しか受けていません。多い国では70%以上の受診率なので、日本はまだまだ少ないと言わざるを得ません。(※)

だから、自治体から子宮頸がん検診のクーポン(費用助成)のはがきが届いたら「受けてみようか」と考えてみてほしいです。


※出典:OECD.Stat Health Care Utilisation:Screening(Last updated on July 2 2021.

OECD.Stat Health Care Utilisation:Screening(Last updated on July 2 2021.)より作図
OECD.Stat Health Care Utilisation:Screening(Last updated on July 2 2021.)より作図


あいちゃん
そういえば、はがきが届いていた気がするけれど、ちゃんと見ていなかったです……。

子宮頸がんになったら自覚症状で気が付くことはできるんですか?


高尾先生
初期症状はほとんどありません。だからこそ定期的な検診が大切なのです。


あいちゃん
初期症状が無いと、自分では気が付きにくいですよね……。予防する方法はあるんでしょうか?




子宮頸がんを予防する方法はある?



高尾先生
ワクチン接種と定期検診を受けることが、子宮頸がんの予防に繋がります。

日本では2009年にワクチンが承認され、予防できることが広く認知されました。海外ではもっと前からこのワクチンプログラムが進んでいて、イギリスやデンマークでは接種率80%以上(※1)、オーストラリアでは2028年までに子宮頸がんを撲滅できる(※2)といわれているんです!

※1 出典:Garland SM et al. Clin Infect Dis. 2016; 63: 519-527.
※2 出典: Hall MTら.Lancet Public Health. 2018 Oct 1. dot: 10.1016/S2468-2667(18)30183-X
1) 厚生労働省定期の予防接種実施者数より作図 (Accessed Sep.30 2021)2) Garland SM et al. Clin Infect Dis. 2016; 63: 519-527. より作図
1) 厚生労働省定期の予防接種実施者数より作図 (Accessed Sep.30 2021)


2) Garland SM et al. Clin Infect Dis. 2016; 63: 519-527. より作図


たまきちゃん
え~すごい!海外ではそのようなデータが出ているんですね。日本ではどうなのですか?


高尾先生
日本では世界各国と比較し接種率が低い現状があります。2011〜2014年でコロンビア、マレーシア、イギリスなどが80%以上(※1)なのに対し、日本は2019年時点でわずか1.9%(※2)というのが現状です。


※1 出典:Garland SM et al. Clin Infect Dis. 2016; 63: 519-527.
※2 出典:厚生労働省 定期の予防接種実施者数

あいちゃん
世界各国と比較して、日本がこれだけ接種率で遅れをとっているなんて知らなかったです……!

ワクチンの対象年齢はどうなっているのでしょうか?


高尾先生
ワクチン定期接種プログラムの対象は、一般的に性交渉を持つ前の世代となる小学6年生〜高校1年生相当です。

しかし、平成9年度から平成17年度生まれの女性でHPVワクチンの接種機会を逃した方を対象に、キャッチアップ接種というものがあります。2025年3月末までの期間限定ですが、国の負担で接種することができますよ。


キャッチアップ接種とは?
■接種の対象となる方
・平成9年度生まれ~平成17年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日)の女性(※1)
・過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない(※2)

※1 このほか、平成18・19(2006・2007)年度生まれの方は、通常の接種対象の年齢(小学校6年から高校1年相当)を超えても、令和7(2025)年3月末まで接種できます。
※2 過去に接種したワクチンの情報(ワクチンの種類や接種時期)については、母子健康手帳や予防接種済証等でご確認ください。


■接種が受けられる時期
接種の対象に該当する方は、令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月の3年間、HPVワクチンを公費で接種できます。

■接種を受けるための手続き
具体的な接種方法は、住民票のある市町村からお知らせが届きますので、そちらをご覧ください。

また、過去に受けた接種回数や時期により、接種方法が異なる場合があります。できるだけ母子健康手帳を確認・持参して、市町村や医療機関に相談してください。

引用:厚生労働省「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ〜キャッチアップ接種のご案内〜」


あいちゃん
キャッチアップ接種というものがあることを初めて知りました!

ワクチンの回数は1回よりも2回など複数回のほうがいいのですか?


高尾先生
決められた間隔をあけて、同じワクチンを合計3回接種します。

HPVは150種類以上あり、がんの原因になるといわれているのがその内の15種類。最も悪性度が高いことがわかっている2つの型をワクチンで予防しているのです。


たまきちゃん
性交渉の経験があっても、HPVワクチンを打つ意味はあるのでしょうか?


高尾先生
性交渉の経験がある方は、すでにいずれかの種類のHPVに感染している可能性がありますが、HPVワクチンでカバーできる全ての種類のHPVに感染している状態はあまり考えられません。

そのため、すでに性交渉の経験があっても、ほとんどの人がワクチンによる予防効果を得られると考えられています。


まずは「予防の選択肢がある」事実を知ることが大切


高尾先生にこれからワクチンを接種する世代に伝えたいメッセージを伺いました。



高尾先生
子宮頸がんを予防することだけでなく、自分の命を守るために人生を広く長い目で見て、いつ頃に何が起こるかをざっくり知っておくと対応しやすくなります。

例えば、女性は人生の中で生理や出産、更年期などさまざまなことを経験しますよね。これらの経験と同じで、自分が子宮頸がんにかかる可能性はゼロとは言い切れません。その中であらかじめできることとしてワクチン接種や、早期発見できるように定期検診があることを知っていただきたいです。

子宮頸がん予防のための選択肢が自分にはあるということを、みなさんにお伝えできればと思います。


ローリエガールズの2人は高尾先生のお話を通してどのように感じたのでしょうか。



あいちゃん
私自身、実はワクチンの接種については両親任せで、HPVワクチンを打っているかもわかりませんでした。子宮頸がんは自分にはまだ関係ない、よく知らなくても問題ないと思っていたけれど、20代の今だからこそ予防できることをみんなが知って、自分の意思で判断していくことが大事だと思いました。

ワクチンや検診には怖いイメージがあったけれど、高尾先生のお話をお聞きして予防できるがんだと知り、ポジティブに捉えられるようになりました。


たまきちゃん
ワクチンの接種や検診は今だからこそできることなんだと知って「ハッ」とさせられました。子宮頸がんになって治療や入院することは精神的な負担も大きいので、予防法について自分で考えて選択したいと思いました。

まずは子宮頸がんについて知ることが大切ですね。今回学んだことを友達にも共有して、お互いに情報発信していきたいです。


10年後の自分のために“今”できること


今、具体的にできることを考えることが10年後、20年後の自分の体を守る一歩になります。

がんと聞くと怖い病気というイメージが強いですが、子宮頸がんはワクチンや定期検診で防げるがんなのです。

ご家族で話し合い、不安な場合はかかりつけの医師、または婦人科に相談してみてはいかがでしょうか。


(文:湯浅道子、編集:ローリエプレス編集部/伊藤杏実、撮影:小嶋文子)

この記事を書いたライター

ローリエプレス編集部
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