キュレーションパートナーにデザインハウスAnyhowを迎え、伊勢丹新宿店 本館5階で『藝の工藝展』を開催

会期:2025年6月18日(水)~24(火)開催場所:伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク/ザ・ステージ#5

           

『藝の工藝展』キービジュアル

                
株式会社マーチングバンドは、今年も伊勢丹新宿店 本館5階での企画展を開催します。

昨年は『工藝は人間にとって必要不可欠なものである』をテーマに、工藝家を“熟達へと向かう鍛錬者”と捉え、次世代の日本工藝を担う作家をフィーチャーしました。
2年目となる今年は、デザインハウス〈Anyhow〉をキュレーションパートナーに迎え、コンセプトをさらに深化します。

「工芸」という言葉は、長い歴史の中でさまざまに定義されてきましたが、その枠組みは時代とともに多様性を帯びています。実用性の有無や製作方法を基準に定義することは、伝統を守る一方で、新たな表現や技術の発展を制限することにもなり得えます。

工芸が定義されはじめる以前から、多種多様なものづくりは存在し、その中には、定義の枠に収まらず、正統な工芸とは認められなかったものも多くあるはずです。「工芸」という概念が特定の基準によって形作られたものだとすれば、その基準から外れたものが排除されてきたのは自然なことかもしれません。工芸の本質を考えるとき、伝統と進化のバランスを見つめ直し、より広い視点でその可能性を探る必要があります。
藝の工藝展では、「工芸」の解釈が多様化している現代に、実用性と美しさを兼ね備えた手工芸品や作品を制作する技術や芸術の「芸」ではなく、「藝術」が本来もつ精神的価値体験を植え付ける技としてデザイン性の高い 「藝」に着目し、工藝を再解釈します。
金属、木、ガラス、漆、陶器──
本展では選び抜かれた10組の作家による、至高の作品群をご紹介します。


■センターパーク〈小〉
テーマは「植える」。
注目するのは“天然繊維”です。
世界最薄の手漉き和紙として知られる「土佐典具帖紙」を繊維の域にまで解し、精緻な千切り絵という技法でまるで剥製のような迫力を生み出す作家〈Aki Yamanaka〉。そして同じく天然繊維を扱い、ラグというかたちで空間の価値を高める新進気鋭のラグブランド〈RÈI〉が参加します。

■センターパーク〈大〉
キュレーションはデザインハウスのAnyhow。多様化する工芸の解釈の中から「藝術」という精神的価値に着目し、工藝を再定義。デザイン性と精神性をあわせ持ち、“今”の工藝を体現するために体験すべき8名の作家が集結します。

参加作家紹介 <センターパーク小>

Aki Yamanaka | アキ ヤマナカ 
和紙
和紙〈土佐典具帖紙〉を繊維レベルまで解し、一本一本を“植毛”の如く再配置して圧倒的解像度の“繊維のタブロー”を創出。従来のちぎり絵観を覆す研究を続け、2011年制作開始。2019年作品献上(天皇皇后両陛下・彬子女王殿下)、2020年全国和紙画展金賞、21年同大賞受賞。Paper Resolution、個展“A Pure Gazer”、二人展「けっこうけだらけ」など国内外で精力的に発表し、常に進化し続ける。
https://www.instagram.com/aki.yamanaka_tengu/

『Gazer02』F50 (H1167×W910mm), 木製パネル+土佐楮灰煮典具帖紙+木製額縁, ¥1,870,000(税込)

『SOUCHINOSHI』F30サイズ (H910×W653mm), 木製パネル+土佐典具帖紙+木製額縁, ¥880,000(税込)

『FN ファイバーノイズ 白 小』S3サイズ (H273×D273mm), 木製パネル, 土佐楮灰煮典具帖紙, ¥88,000(税込)


RÈI | レイ 
天然繊維 ラグ
京都・京丹後で70年以上の歴史を誇る織物企業SUMINOE発のラグジュアリーブランド。厳選ウールを熟練職人がハンドタフテッド製法で一針ずつ織り上げ、色糸を幾層にも重ねることで機械では得られない立体感と陰影を実現。オーダーメイドの一枚は、“余白”の美を宿し忙しい日常にゆとりと温もりを添える。京丹後の手わざが奏でる柔らかな質感は、一人の静かな時間から家族団らん、友との語らい、そっと涙する瞬間まで包み込む。サステナブルな素材調達で環境にも配慮し、長く愛される質とデザインを追求。
https://www.instagram.com/rei_tapis_2024/



『SECTOR#2』 H1200 W1200 (mm), SILK49% WOOL51%, ¥712,800(税込)

『R-2024』メリノウール100%, 既成12サイズ展開,¥132,000より。 フルオーダーも承ります。



参加作家紹介 <センターパーク大>

Haruka Sotome | 五月女 晴佳 
漆 オブジェクト
乾漆と漆皮膜を組み合わせ、身体性と内面の艶を映す造形を探究。大学修士課程修了後に副手を務め、金沢卯辰山工芸工房で研鑽を深める。Art Fair Tokyo、KOGEI Art Fair Kanazawa、Art Central Hong Kong などで高評価を得ており、輪島漆芸美術館・金沢21世紀美術館の企画展にも参加。Mode学園CMのメインビジュアルにも起用されている。
https://www.instagram.com/haruka_sotome/

『SUPPRESSION』 W570 D200 H530 (mm), 漆, ¥616,000(税込)

『One day Lip series [SASABENI]』H140 W180 (mm), 漆, ¥173,800(税込)

『One day Lip series [Queen]』H140 W180 (mm)、漆, ¥173,800(税込)


Jusmin Noda | 野田 ジャスミン
陶器
奈良を拠点に、器物造形とインスタレーションでルーツと多様な価値観の狭間に潜むアンビバレンスを探求。陶の可変的形態と光沢を用いて工芸とアートの境界を問い、個展「うつわのサイコメトリー」「comet」、Art Fair Tokyo、KOGEI Art Fair Kyotoなどで発表。
https://www.instagram.com/jusmin_noda/

『ghost_2024_tiger in bamboo forest』H390 W450 D450 (mm), 陶土, ¥660,000(税込)


Mari Kobayashi | 小林 茉莉 
彫金 ジュエリー・オブジェクト
細密な金線と透明釉薬で日用品を詩的な小宇宙へ昇華し、身体と記憶、日常と非日常のあわいをすくい取る。装飾を超えたブローチやリングは静謐な光を放ち、身に着ける者と共鳴する“藝の工藝”の結晶。これまで平山郁夫賞・安宅賞他、卒業制作は藝大美術館買い上げ賞、修了制作はメトロ文化財団賞を受賞している。
https://www.instagram.com/_mari_kobayashi/

enfold 『knife』130×15×10 (mm), Silver+Gold+Enamel+Stainless steel, ¥165,000(税込)

enfold 『fork』120×18×15 (mm), Silver+ Gold+ Enamel, ¥165,000(税込)

enfold 『ring』 no.1, #9/#12, Silver+ Gold+ Enamel, ¥165,000(税込)



Mana Nakamura | 中村 真那 
ガラス オブジェクト
富山ガラス造形研究所で学び、瀬戸市新世紀工芸館で研鑽を深める。独自の技法によって吹きガラスを発泡させ、儚さと強さ、軽やかさと重厚さという、相反する要素を共存させたような造形は、素材と技術を再発見する喜びの精神に満ちている。
https://www.instagram.com/mana.nakamulaa

『Volcano crater』W240 D130 H230 (mm), ガラス, ¥44,000(税込)

『ラベンダードレッシン』 W105 D90 H140 (mm), ガラス, ¥27,500(税込)


Mariko Saji | 佐治 真理子
鋳金 オブジェクト
無表情の人型像や茶道具に社会の孤独と祈りを投影し、金属の質量と空洞で精神性を可視化する。今展では「願い」の依代をテーマに、古代中国青銅器の饕餮文を模した面を添え、魔除けと権威の象徴を再解釈する彫刻的作品を発表し、見る者に無意識の願望や恐れを問い掛ける。
https://www.instagram.com/saji____m/

『饕餮面の人』右から)「饕餮文瓿」「丁冉卣」「鴟鴞卣」, W40 D50 H110 (mm/それぞれ), 真鍮, ¥46,200(税込/それぞれ)

『小オニ』W40 D55 H150 (mm), 真鍮, ¥57,200(税込)

『よりしろ』 W650 D300 H400(mm/全体), 真鍮, セットで¥770,000 (税込)


Shino Nakamura | 中村 志野  
木工 オブジェクト
彫刻文化財保存修復で博士号を取得後、大学助手・技術職員を経て挽物轆轤の技を研鑽。緻密な自然観察と仏教美術の普遍性を重ね、木と対話しながら椀・茶杓・仏具を制作。年輪の偏重や光をはらむ漆膜が祈りと日常をゆるやかに接続し、器を小宇宙に見立てる独自のユーモアと深みで観者を包む。
https://www.instagram.com/shino_n_a/

『迦楼羅面』H19 W11.5 D9.5 (cm), 桐+矢車玉+白土+顔料, ¥253,000 (税込)

 『蝶蓋物』H5 W8 D2.2 (cm), 檜+顔料+漆, ¥36,300 (税込)

『蝶蓋物』H5 W8 D2.2 (cm), 檜+顔料+漆, ¥198,000 (税込)



Yu Uno | 野 湧 
陶器
ワレモノとしての陶磁に着目し、あえて破損や経年変化を取り入れながら焼きものを制作する。文化や美術の歴史における保存の在り方を念頭に、ものの存在やものへの触れかた、その遺し方についての新しい視点を提案する。企画展「NEXT 2025」(とうしん美濃美術館)、 「工芸のゆくえ」(工芸青花)や個展「呼び戻されるフレーク」(GALLERY crossing)、MIND TRAIL 2023などで発表。今回はすべて全て新作を出品する。
https://www.instagram.com/uno.you/

『一瞬間のルビー』H410 W242 D30 (mm), 陶土+金属顔料+和紙+和糊+アクリル+パネル, ¥72,600 (税込) ※掛軸仕様で出展予定

『困ったときの神頼み』H530 W333 D30 (mm), 陶土+金属顔料+和紙+和糊+アクリル+パネル, ¥145,200 (税込) ※掛軸仕様で出展予定


Yuzuru Hinaiji | ヒナイジ ユズル 
流木 彫刻
昭和レトロ家具店運営で培った「古いものへのまなざし」を背景に、2023年より流木を動物へと見立てる彫刻を始動。樹皮や割れ、枝振りなど海が刻んだ形を活かし、人の手を最小限添えて命の余白を宿す。大量消費に埋もれる素材に新たな可愛さと価値を与え、2024年銀座FBIギャラリー初個展で全11作完売、さらなる展開が期待される。家具再生で磨いた審美眼を継ぎ、刻々と変化する自然の痕跡と人の意図を交差させる作品は、鑑賞者に時間の層と呼吸を感じさせる。
https://www.instagram.com/hinaijiyuzuru/

『白鳥の水浴』W38 H60 D14 台座丸型19(cm), 木(流木), ¥418,000 (税込)



※本企画における出展作品、価格等は変更になる可能性があります。
【作品のお渡しについて】
*作品により、会期最終日まで展示をさせていただくため、当日お持ち帰りいただけない作品もございます。あらかじめご了承ください(当日持ち帰りの可・不可は店頭にてご案内差し上げます) 。
*当日の混雑状況により、お持ち帰り作品のお渡しまでに約30分ほどお時間を頂戴する場合がございます。
*特にお申し出のない場合は、簡易包装とさせていただきます。
開催概要


『藝の工藝展』 
 開催期間:2025年6月18日(水)~6月24日(火)
 開催場所:伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク/ザ・ステージ#5
 住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目14-1

■ Anyhowについて
Anyhowは、ロンドンと京都を拠点とするインターナショナルなブランド・デザインハウスです。 アジアやヨーロッパをはじめとする多様な国々で、ブランディングを手がけてきたストラテジスト、デザイナー、イラストレーター、ジャーナリストが集結したグローバルなチームを構成しています。 ブランド戦略の立案から、タイムレスで一貫性のあるデザインの提供まで、世界に強いインパクトを与える為に文化や表現の枠を超えたクリエイティブ事業を行っています。2023年からは、金という素材が持つ普遍的な魅力と、デザインの可能性を探求する自社展示A Piece of Goldも開催しています。
www.anyhowstudio.com

■ イベントインフォメーション
Instagram  https://www.instagram.com/geinokougei
カスタマーお問い合わせ:a@marchingbandcompany.com

株式会社マーチングバンド
株式会社マーチングバンドは、ファッション・食・文化・芸術・テクノロジーの五領域を自在に横断し、文化的文脈と商業的成果を両立させる“結節点”をデザイン。ブランド戦略の構築・支援を行い、国内外ブランドのために、新たな舞台を創出し続けます。

【本件に関するお問い合わせ】
株式会社マーチングバンド
EMAIL: press@marchingbandcompany.com
担当:道田/冨田