水族館&いきものを深掘り!発見がいっぱい!サンシャイン水族館いきものディスカバリー通信vol.22「カワウソにまつわる覚えておきたいたくさんのK “かわいい”に隠れたウラの顔、教えます!」

5月29日(水)は 世界カワウソの日!!

サンシャイン水族館(東京・池袋、館長:丸山克志)では、5月29日の“世界カワウソの日【World Otter Day】”を含む5月17日(金)~29日(水)の13日間で、カワウソの魅力を発信するとともに、絶滅が危惧されている現状に目を向けるきっかけとなるイベント「世界カワウソの日2024 in サンシャイン水族館」を開催しています。イベントページ: https://sunshinecity.jp/aquarium/event_performance/event/entry-28141.html今回のディスカバリー通信ではカワウソについて、イベント内では伝えきれない、知られざる魅力、「かわいい以外のたくさんの顔」に焦点を当ててご紹介します。※本リリースPDFはこちらよりダウンロードいただけます→https://prtimes.jp/a/?f=d20364-878-62749df492917e131e91d2aa24ac9985.pdf





カワウソの覚えておきたいたくさんの「K」


■家族愛溢れる!鳴き声を使い分けて仲間や家族とおしゃべりする!?
カワウソは集団・ファミリーを形成していることが多く、10種類以上の異なった鳴き声を使い分けてコミュニケーションを取り合っていると言われています。
群れからはぐれないようにする習性もあり、より個体同士が親密になりやすい傾向にあるのではないかと考えられています。また「家族愛」も強く、鳴き声も使いながら両親が協力して仔育てをします。
仔を抱く父
仔を抱く父



「カワウソたちの水辺」水槽では新しい命の予感!!!
https://x.com/Sunshine_Aqua/status/1790654512933593189





■活発・器用で怖いもの知らず?!
手先が器用な理由は、野生下で主食となる生き物たちにあります。エサとなる魚やカニ・エビなどの甲殻類、カエルなどの両生類は、岩や草木の陰や砂の中に隠れており、カワウソは、その隙間などに手を入れて、生き物たちを捕まえています。
小石をジャグリング
小石をジャグリング

必見!器用な手の動き!
必見!器用な手の動き!


■最強の毛(温かく高密度)・感覚毛
カワウソは陸でも水中でも生活するため、体温調整のために体毛が2重になっており、その本数は
数億本*と高密度です。
水をはじく長く太い上(外)の毛と、短くびっしり生えた細い下(内)の毛の2層構造になっていて、
上の毛は水はけがよく皮膚が水に濡れないようになっているため、体を冷やしにくくしています。
毛並み動画
毛並み動画

参考:毛並み動画(https://app.box.com/s/v3kbvrp1txfvi6m1clfbj8nc6iuqbm2b
さらに顔の周りにあるヒゲや肘には感覚毛を持っています。自然界などの濁った水でも獲物の振動を感覚毛で敏感にキャッチすることで、獲物を捕まえることが出来ると言われています。肘に生えた長い感覚毛は、水流を感じたり、獲物がいるかを確認したりするアンテナの役割を果たしていると考えられています。
*生き物の中で一番密度が高いと言われているラッコの体毛(8億本)に比べ、カワウソの体毛も負けないくらいの毛量があると言われています。

カワウソの毛と肘の感覚毛
カワウソの毛と肘の感覚毛

実は「クサい・狂暴・貴重」 の3K??


■体感してほしい!カワウソのニオイは“クサい”!?
日頃間近で接する飼育スタッフが思う、コツメカワウソの大きな特徴の一つに「ニオイ」があります。当館で飼育しているコツメカワウソでも、それぞれニオイに違いがあるものの、特にオスのニオイは強く、酸っぱく鼻にツンと来るニオイで、飼育スタッフの体や服にもニオイが移るほど強烈。
鼻を近づけて、思いっきり吸い込むことは困難です。
カワウソのニオイは年齢、性別、生殖状態を知らせると言われ、オスが放つ強いニオイは自己のアピールや、なわばりの主張、威嚇時にも使用されると言われています。


■X(旧Twitter)でも話題!カワウソの“狂暴”さが分かるビリビリユニフォーム
現在水族館内では、ビリビリに引き裂かれた無残な姿のユニフォームを展示しています。
体の大きさや仕草から「かわいい」と表現されがちなコツメカワウソですが、濡れた体をこすりつけ、拭いたり乾かすための布として古くなった飼育スタッフのユニフォームを与えたところ、このような状態に。
巣材(巣の材料となるもの)を集める際に引っ張ったり、振り回したりする行動をとるため、ユニフォームはあっという間にボロボロに。このビリビリユニフォームを目の当たりにすればコツメカワウソのギャップを感じられるはず。
無残な姿となったユニフォーム
無残な姿となったユニフォーム

カワウソの歯
カワウソの歯

■カワウソは貴重で環境が大事
カワウソは、分布域が広く、生息環境が非常に多様です。生態についても未解明な部分が多いのが現状です。
自然界では多彩なエサを食べるカワウソは、体重の管理が成長や繁殖に大きく影響し、エサの量をグラム単位とカロリーでより細かく管理する必要があります。
自然界で低カロリーのものを頻繁に、かつ非常に多くの量を摂餌しているコツメカワウソは、常に動いてエサを探すという習性を持ち、生き物のプロである飼育スタッフや獣医が常駐し、設備も整った水族館でもその環境を作り出すことは困難を極めます。
また、肉食生物としての能力とも言える狂暴さや危険性も持ち合わせており、カワウソの飼育は大きな事故にも繋がりかねません。
カワウソたちが充実した生活を送り、心身ともに健康な状態で「飼育」することは相当な技術、知識、環境が必要となるのです。
自分の体を持ち上げられるほどの強靭なあごの力
自分の体を持ち上げられるほどの強靭なあごの力


動画「活発に動き、強いあごの力でロープを離さないカワウソ」
https://twitter.com/Sunshine_Aqua/status/1525733998525558785







まだまだある!覚えておきたい「K」


■ 知ってほしいもう一つの「K=飼えない」
カワウソは環境破壊により生息地の環境が変化したり、小さな体と可愛らしい顔が人気となり、ペットなど愛玩動物として密輸されていました。
当時、日本は最大の密輸先とされ、その密輸では生まれたてのカワウソが劣悪な環境の中で運び込まれ、大半は輸送中に死んでしまうということがありました。
2019年にはワシントン条約の附属書Iに掲載され、無償・有償、個人・事業者を問わず、商取引が禁止となり、ペットに限らず新規の移動や販売は原則禁止となりました。

カワウソにはここでは書ききれない、まだまだたくさんの魅力があります。
ぜひサンシャイン水族館へお越しいただき、ご自身の目でカワウソを見て、知って、そしてカワウソを取り巻く環境問題に対して何ができるか、考えて行動してみてください!

世界カワウソの日2024 in サンシャイン水族館 開催中!!



サンシャイン水族館では、5月29日の世界カワウソの日【World Otter Day】に合わせて、カワウソの生態やカワウソが置かれている厳しい現実を伝えるイベントを実施します。
各開催期間中、カワウソの生態や生息地の環境問題、水族館での飼育についての解説パネルを設置。飼育スタッフ渾身のカワウソのニオイを体感できる「カワウソのニオイクンクンBOX」が登場します。
開催期間:5月17日(金)~5月29日(水)
料金:サンシャイン水族館入場料金でお楽しみいただけます
  (一部コンテンツ有料)
   大人(高校生以上)2,600円~、こども(小・中学生)1,300円~、
   幼児(4才以上)800円~ ※変更の場合あり
ニュースリリース:https://co.sunshinecity.co.jp/press-room/news-release/2024-03-19.html?year=2023

サンシャイン水族館 飼育スタッフ コメント


サンシャイン水族館 飼育スタッフ カワウソ担当 芦刈 治将
サンシャイン水族館 飼育スタッフ カワウソ担当 芦刈 治将

カワウソを飼育展示していて、感じることは、カワウソたちの魅力や知られざる能力の一部しかお伝えできていないということです。確かに容姿や動きの「かわいさ」は持っているとは思います。その「かわいさ」がコツメカワウソの魅力を隠してしまっているような気もしています。我々は飼育や展示を通じて、カワウソの見えていない部分を見つけ、飼育下でしか得られない情報を見つけつつ、皆様にお伝えしていくことが非常に重要だと思っています。そういう意味で、あの手この手を使い、表現しお客様に「かわいいの一歩先」へお連れできたらと考えています。それらを、世界カワウソの日を通じて伝えたいと考えています。


※本リリースPDFはこちらよりダウンロードいただけます→https://prtimes.jp/a/?f=d20364-878-62749df492917e131e91d2aa24ac9985.pdf




いきものディスカバリー通信のアーカイブはこちらから
https://sunshinecity.jp/aquarium/animals/discovery/





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■サンシャイン水族館 概要
所在地:東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル・屋上
営業時間:9:30~21:00
※最終入場は終了1時間前 ※変更の場合あり
入場料:大人(高校生以上)2,600円~、こども(小・中学生)1,300円~、幼児(4才以上)800円~ ※変更の場合あり
問合せ先:サンシャイン水族館 03-3989-3466 https://sunshinecity.jp/aquarium/
※土・日・祝日及び特定日は、日時指定チケットの購入または日時指定WEB整理券の取得が必要です。
詳しくは、水族館 ウェブサイトをご確認ください。
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※状況により、内容・スケジュールが変更・中止となる場合がございます。
※画像はイメージです。※金額はすべて税込です。