肌透明感を解き明かす  肌透明感に関わる因子を特定し、客観的に評価する手法を開発

株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、皮膚計測により、これまで不明瞭だった肌透明感に関わる因子を特定し、客観的に評価する手法を開発しました。個人差の大きい肌透明感を把握することで、お客さまの肌特性に合わせたスキンケア提案につなげていきます。


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「肌透明感」とは、“皮膚がくもりなく透き通ったように見える状態”と定義され(日本化粧品工業連合会)、年代を問わず多くのユーザーが高い関心を持っています。従来の肌透明感における評価法は、専門評価者による目視評価(図1)に加えて、肌の光透過性に着目した手法や顔画像解析による手法などが提案されてきました。しかし、肌透明感にどのような因子が関与しているかについては十分に明らかになっていませんでした。今回、これらを明らかにするため、専門評価者の目視による肌透明感のスコア付けと、機器測定により得られる水分量など様々な肌パラメータとの相関を調べました。

 


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 肌透明感は彩度・色相角度・等方性で決まる  
 肌透明感に関わる因子を特定するため日本人女性78名を対象に肌質の調査を実施しました。まず、顔画像の取得や肌表面のキメやシワなどの形状分析に加えて水分量などの様々な肌パラメータを測定し、目視による肌透明感スコアとの相関を求めました。
 その結果、目視の肌透明感と相関性が高い因子は、「彩度」「色相角度」および肌のキメに偏りがないことを示す「等方性」という指標であることが明らかになりました。


彩度と色相角度は、肌の色を表す値です(図2)。この2つの因子は顔画像より得ることができ、彩度や色相角度の値が小さいほど肌透明感があることが分かりました(図3)。また、等方性は肌表面形状の解析から算出することができ(図4)、値が大きい(キメ流れの方向に偏りがない)ほど透明感がある肌を示します。これらの因子を用いて肌透明感の推定スコアを算出し、目視による肌透明感スコアとの相関分析を行ったところ高い相関性が得られ、肌の透明感を客観的に評価できるようになりました(図5)。


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透明感の高い肌状態では、肌表面の凹凸の差が小さく(なめらか)、キメ流れの方向の偏りが小さい傾向があります(等方性が大きい)。また、透明感の低い肌状態では、肌表面の凹凸の差が大きく、キメ流れの方向に偏りが認められました(等方性が小さい)。



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 今後の展望  
今回の研究により、肌透明感に関わる因子は、「彩度」「色相角度」「等方性」であることを特定しました。さらに、透明感という主観的な感覚を客観的に評価する手法の開発に成功しました。今後は、グローバルに視野を広げ、本手法が肌色の異なる様々なユーザーに対しても適用可能か検証を行います。また、本手法を活用した肌診断ツールの開発や、お客さまの満足度が高いスキンケア方法の提案に繋げられるよう検討を進めていきます。
この研究成果は第84回SCCJ研究討論会(2019年7月18日、大阪)にて発表しました。

コーセーでは、お客さま一人ひとりを対象とした「モノづくり」へ向けた研究開発を推進していきます。


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