【高島屋史料館】企画展「DESIGN MANIA~百貨店・SCのデザイン~」

2024年9月7日土曜日から高島屋史料館(大阪)で開催



日本の百貨店は、さまざまな時代の転換期を乗り越えてきました。大正期に本格的百貨店となった「高島屋」。昭和の初め、大阪と東京に相次いで大型店舗を開店しました。多種多彩な催事を通して新しい情報を次々に提供し、アイデアあふれる広告戦略と商品開発で発展しました。
 戦中そして戦後復興期の厳しい時代を経て、高度経済成長期には人々が憧れ夢見る生活を紹介。百貨店はつねに最新の流行を発信する場であり、同時に文化を創造し育む場でもありました。
1969(昭和44)年、首都圏郊外の宅地開発とマイカーブームの到来という新たな時代の幕開けに、玉川高島屋S・Cを開店。それは、日本初の郊外型SC(ショッピングセンター)の誕生でした。
現在、高島屋はグループ総合戦略に「まちづくり」を掲げています。その象徴として、2018(平成30)年、専門店エリアを新設・増床した日本橋高島屋S.C.は、新・都市型SCとして生まれ変わりました。
そして、2023(令和5)年に開業した京都高島屋S.C.はやがて1周年を迎えます。商業施設のあり方の変容は、時代や世相を反映する鏡でもあります。
本展は、「広告」「衣服」「生活」「まち」の4つのデザインを軸に、百貨店・SCの過去と現在、そしていま描く未来像をご紹介する展覧会です。
※本展は会期をI部・II部に分け、展示作品を一部入れ替えて構成します。
■展示内容■
1.広告のデザイン
 いつの時代も独特の広告戦略で話題を集めてきた高島屋。人々をアッと驚かせ、楽しませるアイデア溢れる広告の数々は、後に著名なグラフィックデザイナーとなる人々の手から生まれました。各時代を彩った広告宣伝物は、そのまま、高島屋があゆんできた歴史を物語るものでもあります。


日本橋店開店ポスター(原画:岡田三郎助) 1933年






2.衣服のデザイン
 呉服店時代より、自ら流行衣裳を創り出してきた高島屋。「百選会」は最も世に広く知られた呉服催事でした。やがて日本人の衣服が和から洋へ変化する頃には積極的に洋装を紹介。戦後は、世界的デザイナーと提携するなど、いつも最新の流行を発信しました。


専属デザイナー:ドロシー・エドガースがデザインした高島屋の婦人服(復元)






3.生活のデザイン
 日本国内の生活の洋風化を見すえて、いち早く室内装飾業をはじめた高島屋。皇居や
官公庁舎の大仕事を次々と受注しました。その一方で、時代を先取るインテリアや家具、生活のあり方を紹介。新しく、便利で、快適な暮らしを提案してきました。

ル・コルビジエ、レジエ、ペリアン3人展図録 1955年




4.まちのデザイン
 日本初の郊外型SC(ショッピングセンター)として玉川高島屋S・Cを誕生させた高島屋。以来、百貨店と専門店が一体となったSC開発を進めてきました。グループ総合戦略として掲げる「まちづくり」を通じて、すべての人々の「こころ豊かな生活」に貢献することを目指しています。

山口晃《日本橋南詰盛況乃圖》2021年 (第I部)





[特別展示] 同志社大学の学生による「高島屋への未来の提言」ポスター
高島屋の歴史をふまえ、「進取の精神/美/暮らし/まちづくり」をテーマに、百貨店の未来のための提言をポスターで表現するという課題に、同志社大学社会学部メディア学科 竹内幸絵ゼミ3回生(2023年度)が考案したポスター4作品を特別展示します。
■イベントのご案内■
1.2.いずれも参加無料、要申込み、 抽選制 です。当館ホームページよりお申込みください。
 ※詳細は当館ホームページをご覧ください。状況により、イベントを中止する場合がございます。

1.講演会「京都四条河原町の歴史的変遷とそれに関わった高島屋の役割」  要申込み・抽選制
 講師=米田庄太郎(高島屋顧問)
 9月29日[日]午後1時~午後2時30分
 会場=多目的ルーム
 定員=20名

2.講演会「京都高島屋S.C.開業」という仕事のデザイン(開業苦労話)   要申込み・抽選制
講師=三井敬士(京都店企画宣伝部長)
 11月24日[日]午後1時~午後2時30分
 会場=多目的ルーム
 定員=20名
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■学芸員によるギャラリートーク■
会期中の毎週土曜日 午後2時~(約30分)
※お申込み不要、開始時間までに企画展示室にお集まりください。