千葉県松戸市の市民が中心となって立ち上げた芸術祭「科学と芸術の丘 2024」、10/25(金)~10/27(日)に開催決定!
世界的なメディアアートの文化機関・アルスエレクトロニカとの共同キュレーションによる参加アーティスト&プログラムを公開
千葉県松戸市の市民が主体となってつくりあげる「科学と芸術の丘」が、2024年10月25日(金)~27日(日)に開催決定しました。科学と芸術の丘は、オーストリア・リンツに拠点を置く世界的なメディアアートの文化機関「アルスエレクトロニカ」の協力を得て毎年開催しています。
公式サイト:https://science-art-matsudo.net/
「City of Artists ~つくるをひらく~」をテーマにさまざまな展示や参加型企画を実施
“何かをつくり出すことを「アート」というのであれば、街に暮らす私たち誰しもが、「アーティスト」である、と言えるのではないか?” 。そんな問いから、今年のテーマ「City of Artists ~つくるをひらく~」が決まりました。科学と芸術の丘を通じて、能動的に「つくる」ことで得られる実感や喜びを体験していただけるような作品展示や参加型企画を実施いたします。
#エキシビジョン
世界的なメディアアートの文化機関、アルスエレクトロニカとともにキュレーションした、国内外のアーティストによる作品展示を行います。作品は戸定邸の各所にてご覧いただけます。
<メイン会場・戸定邸>
【Ars Electronica Selection 】Diane Cescutti《Nosukaay》
(C)︎Blanche Lafarge
「Nosukaay」は、西アフリカの織機とコンピューターを組み合わせ、織物機械に改造した「コンピューター」を作る初めての試みです。マンジャク(西アフリカに住む民族)が用いる織機の構造を模倣し、伝統的な織機のフレームの代わりにプラスチックの外殻を取り除いた2枚のスクリーンが設置されています。機械の神であるNosukaayは、コンピューター、マンジャクの織物の知識、数学の間にあるつながりを強調するオルタナティブな歴史についての物語を語ります。この物語は、セネガルで入手したテキストや映像資料、3D画像を組み合わせて構成されています。「Nosukaay」は、インタラクティブな作品であり、セネガルの首都ダカールの工房で作者のDiane Cescuttiと織物職人のEdimar Rosaが両手で織った腰布をキーボードとして使用し、鑑賞者はこのキーボードを用いて物語にアクセスして探求することができます。
(C)︎Ayomide Tejuoso
Diane Cescutti
Diane Cescuttiは、1998年生まれのフランスのトランスメディア・アーティストで、現在はフランスのサン・テティエンヌを拠点に制作活動を行っています。計算の誕生に織機が果たした役割に触発された彼女は、コンピューターコードの歴史をたどる中で、織物の世界に関心を持つようになります。また、織機の糸の交差をたどることは、化学の基本となる原子間の結合の形、すなわちアルゴリズムに行き着きます。歴史と未来を結びつけた考察、思索的・物語的アプローチを通じて、彼女は織物、テキスタイル、コンピューターの間に存在する歴史的、技術的、数学的、そして美的なつながりを探求しています。織物、彫刻、インスタレーション、ビデオ、3D技術などの手法を用いながら、テクノロジーとテキスタイルに対する私たちの理解、そしてそれらが知識、データ、伝統、精神性を伝える手段として果たす役割について問いかけようとしています。
【Ars Electronica Selection 】Sasha Stiles《CURSIVE BINARY》ほか
アセミック・ライティング(特定の意味を持たない文字を書くこと)とコンピュータサイエンスに影響を受けた「CURSIVE BINARY」は、人間の限界を超えた理解を目指して提案された言語であり、人間から機械への翻訳の機能的な手段であると同時に、人間と機械の協働のプロセス、特質、成果が絡み合う詩的なメタファーでもあります。この書記体系は、Sasha Stiles自身の人間の手書き文字と、機械言語の0と1を融合させて形成されており、自由に流れるような筆記体の形と、再帰的なコードパターンを対比させ、古いものと新しいもの、有機的なものと自動化されたもの、仮想と生々しいもの、肉体とノードという視覚的な二項対立を表現しています。
Sasha Stiles
Sasha Stilesは、第一世代のカルムイク系アメリカ人の詩人、言語アーティスト、AI研究者であり、テキストとテクノロジーの関係性において活動し、生成文学やブロックチェーンの詩学の先駆的な実験で知られています。伝統と遺産を革新的な創造性と意識の探求を通して再解釈し、機械時代における人間の声の役割を探求しています。「デジタルアートシーンを形成するトップアーティスト」の一人に選ばれた彼女は、MoMA、アートバーゼル、クリスティーズ、Prix Ars Electronica、Lumen Prize、Artforum、NPR、グッチなどから世界的な注目を集めています。ハーバード大学とオックスフォード大学を卒業し、実験的な文学コレクティブtheVERSEverseの共同創設者であり、人間型アンドロイドBINA48の長年の詩のメンターでもあります。彼女は、夫でスタジオパートナーのKris Bonesとニューヨーク近郊にて暮らしています。
【Ars Electronica Selection 】Peter Haider, Denise Hirtenfelder, Nicolas Naveau and Maria Pfeifer (Ars Electronica Futurelab)《Bridge 2040》
(C)️tom mesic
「Bridge 2040」は、未来への架け橋となることを目指す、誰でも短時間で楽しめるカードゲームです。このゲームは、8歳から14歳の子供たちと65歳以上の高齢者が一緒に未来の課題について考え、語り合うことを目指しています。プレイヤーは、2040年に生きる様々なキャラクターの創造的なストーリーを考え、語り合います。「科学と芸術の丘」では、あらゆる世代や背景の人々にプレイヤーとして参加していただき、カードに描かれたトレンドや問い、アート作品をヒントに、社会、経済、技術、都市計画、気候変動、健康などのテーマを探求します。さらに、フェスティバル期間中は、製作者によるガイド付きのワークショップセッションも開催されます。
(C)️Bernadette Geißler
Peter Haider, Denise Hirtenfelder, Nicolas Naveau and Maria Pfeifer (Ars Electronica Futurelab)
アルス・エレクトロニカ・フューチャーラボは、オーストリア・リンツにあるアルス・エレクトロニカの研究開発ラボとして1996年から活動をしています。2023年に同ラボのメンバーであるPeter Haider、Denise Hirtenfelder、Nicolas Naveau、Maria Pfeiferは協力し、「Futurelab Ideas Expedition」の一環として「Bridge 2040」というアイデアを実現しました。この社内コンペティションでは、社員のプロジェクトの中から毎年2つの優れたプロジェクトが選ばれます。このチームの4人の多様なクリエイターたちは、未来の課題の議論において、世代を超えた参加が促進される未来を描いています。
Sareena Sattapon《Balen(ciaga) I belong》
不平等な社会において、違う層にも人々が存在しているということに我々は気が付いたことがない。 高層タワーに住んでいる富裕層はそれを建てた労働者/移民に気が付かない。我々は社会は一つではなく多くの層にいる人々によって動いているという真実を無視している。
Sareena Sattapon
1992年タイ生まれ。現在、東京藝術大学グローバルアートプラクティス専攻博士課程在籍。パフォーマンス、インスタレーション、写真など、様々なメディアを用いて作品を制作。自身の経験や日常生活から芸術的インスピレーションを得ている。現在、サッタポンは接続性や非場所性に関連したパフォーマティブな空間力学に関心を持っている。これまでに、タイ、台湾、シンガポール、韓国、中国、インドネシア、ドイツ、ポーランド、ウクライナ、スロバキア、ノルウェー、スウェーデン、日本などで国際的に展示を行っている。
金箱淳一+首藤圭介《the blink stone》
敷きつめられた石の上を歩くたびに足元で一つひとつの石が瞬きのような光を放ちます。鑑賞者が本作品の上を歩く事で、石が内包している膨大な記憶の時間軸の中では瞬きのように過ぎ去る私たちの生の瞬間と、連綿と続くこの世界が今、この瞬間にも確かに自分と繋がっている証としてそっと光を放ちます。本作品は、ライフラインに依存しないメディアアートの可能性を提示します。たとえ人々に忘れ去られる存在となっても、踏まれればいつでも光る作品として在り続けるでしょう。
(C)️Yuki Moriya
金箱 淳一
1984年、長野県浅科村(現:佐久市)生まれ。 楽器インターフェース研究者、Haptic Designer。神戸芸術工科大学准教授。障がいの有無にかかわらず、共に音楽を楽しめる「共遊楽器」(作家による造語)を研究・開発している。作品「楽器を纏う」の開発経験を基に東京2020パラリンピック閉会式 演出協力、他クライアントワークも多数行う。作品「音鈴 - 信濃」「Vibracion Banco」は長野県立美術館に収蔵。
首藤 圭介
大分県生まれ、神奈川県在住。慶應義塾大学メディアデザイン研究科修了。女子美術大学アート・デザイン表現学科メディア表現領域准教授。
<サテライト会場>
サテライト会場での展示に参加するアーティストは、本展のために作品を制作/過去に手がけた作品を再構成します。
会場名:キテミテトナリ
住所:千葉県松戸市松戸1313(松戸駅西口徒歩6分)
《Jamscape Breath》(2023)
荒川 弘憲
1993年生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程在籍。内臓感覚とメディア環境のアレンジメントとして制作をしている。これまでに映像に宿る身体性と鑑賞者の身体との、見えないインタラクションが生じる映像インスタレーションを発表してきた。こうしたイメージを生産する身体の問題意識を引き継ぎつつ、近年は舐めて鑑賞する立体作品を展開している。主な個展に、「Jamscape Insectcage」(Room_412、東京、2021)。グループ展に、「さいたま国際芸術祭2023」(旧市民会館おおみや、埼玉、2023)など
《Quartet (self-synchronized rhythm)》(2019)
ライブコーダ/クリエイティブコーダ/前橋工科大学准教授/東京藝術大学非常勤講師/慶應義塾大学非常勤講師
田所 淳
1972年生まれ。アルゴリズムを用いた音の合成による音楽作品の制作や、ライブコーディングによる音と映像による即興演奏を行う。近年では大型映像を用いたインタラクティブなインスタレーションや没入型ドームスクリーンを用いたオーディオビジュアル作品を発表している。大学ではTouchDesigner、openFrameworks、p.js、Sounic Pi、TidalCyclesなどを用いたクリエイティブコーディングやライブコーディングについて講義を行っている。講義資料はWebサイトで公開され、多くの学生やクリエイターに利用されている。著書に「Beyond Interaction[改訂第3版] クリエイティブ‧コーディングのためのopenFrameworks実践ガイド」「演奏するプログラミング、ライブコーディングの思想と実践 ―Show Us Your Screens」など。
《hemi hemi・Typin’#1》(2023)
吉田 桃子
1989年 兵庫県生まれ、千葉県在住。京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業後、同大学大学院絵画専攻修了。音楽を聴いているときの高揚感や脳裏で想像する映像を基点として、他者と共有可能なイメージを持つ自立した絵画を制作している。 周囲の人々や現代のアイコンなどを参考にして人物像を設定、デジタルとアナログを横断する制作プロセスを通じ、実在する人間やバーチャルのアバター、アニメのキャラクターにも見えるようなハイブリッドな空気感を持つ若者の肖像を描く。
#ワークショップ
最新の科学、芸術、自然を体感するワークショップを開催します。
場所:戸定が丘歴史公園、松雲亭
参加方法:要チケット、要事前予約
※詳細は公式サイトにてご確認ください。
遅四グランプリ実行委員会《ワイルド遅四駆をつくって自然の中を走らせよう!》
日時:10/26(土)、10/27(日)共に11:00~14:30(お昼休憩あり)、15:00より丘のマルシェにてお披露目
会場:松雲亭
参加費:2,000円 ※「科学と芸術の丘」エキシビジョンのチケットが必要です。
定員:各回20名程度
対象:全年齢 ※10歳未満の方は、保護者さまと一緒にご参加ください。
遅四グランプリ実行委員会は一番遅いミニ四駆(遅四駆)を決めるレース大会「遅四グランプリ」を開催してきました。今回は、オフロード仕様のオリジナル・ワイルド遅四駆をつくって自然の中を走らせます!水戸藩最後の藩主 徳川昭武が隠居後に写真や狩猟などのレクリエーションを楽しんだという戸定が丘歴史公園でみなさんも “遅” を楽しみましょう!
千葉大学大学院園芸学研究院 応用昆虫学 野村昌史研究室《昆虫観察アウトドアワークショップ「科学と芸術の丘探検隊」》
(C)️Mari Kuzuhara
日時:10/26(土)、10/27(日)共に1.10:30~12:00 / 2.13:30~15:00
会場:戸定歴史が丘公園
参加費:500円 ※「科学と芸術の丘」エキシビジョンのチケットが必要です。
定員:各回20 名程度
対象:小学生以上 ※小学生以下の方は、保護者さまと一緒にご参加ください。
通路やお庭などを見て回り、戸定が丘歴史公園内の昆虫たちを探し出す探検隊、今年も結成します。忙しく活動中の昆虫や冬越しの準備をしている虫たちを観察して、今の時期の昆虫たちの姿を浮かび上がらせます。季節を惜しむように活動する種類や、冬を乗り切る準備に忙しい姿を探しだします。身近な場所で小さな自然を一緒に観察しましょう!雨天決行です。
#トーク
科学、芸術、自然について考える対話を実践します。
会場:戸定邸、オンライン同時配信あり
*全プログラムをYouTubeにて配信します。
科学と芸術の丘 YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCHi9PHy_eO5azkHolASEWFw
参加方法:戸定邸現地観覧は要チケット、要事前予約。オンライン視聴はチケット・予約ともに不要。
10/26(Sat)
11:00~11:15 / オープニングトーク
▷Speaker
本郷谷健次(松戸市長)*予定 ※公務の都合によって変更の可能性あり
清水陽子(Ars Electronica Futuerlab Key Researcher & Artist)
関口智子(科学と芸術の丘 総合ディレクター/一般社団法人ゼロファクトリアル代表理事)
*ほか戸定歴史館長登壇予定
11:30~12:15 / アーティストトーク
▷Speaker
金箱 淳一(中継配信)
13:00~13:45 / アーティストトーク
▷Speaker
Sareena Sattapon
14:30~15:15 / アーティストトーク
▷Speaker
Denise Hirtenfelder (Ars Electronica Futurelab)
10/27(Sun)
11:30~12:15 / アーティストトーク
▷Speaker
Sasha Stiles(収録配信)
13:00~13:45 / アーティストトーク
▷Speaker
Diane Cescutti(収録配信)
開催概要
名称:科学と芸術の丘 2024
日時:<本祭>2024年10月25日(金)/ 26日(土)10:00 ~ 16:30 、27日(日)10:00 ~ 16:00
会場:千葉県松戸市(戸定邸、松雲亭、戸定が丘歴史公園、松戸市内各所)
< メイン会場:戸定邸、松雲亭、戸定が丘歴史公園 (〒271-0092 松戸市松戸714番地の1)>
料金:一般 1,000円、高校生・大学生 900円、松戸市市民割 500円(在住/在勤/在学の方)、中学生以下 無料
出展アーティスト:Diane Cescutti、Sasha Stiles、Peter Haider/Denise Hirtenfelder/Nicolas Naveau/Maria Pfeifer (Ars Electronica Futurelab)、Sareena Sattapon、金箱淳一+首藤圭介
トーク登壇者:本郷谷健次(予定)、清水陽子、金箱淳一、Sareena Sattapon、Denise Hirtenfelder、Sasha Stiles、Diane Cescutti、関口智子
ワークショップ講師:遅四グランプリ実行委員会、千葉大学大学院園芸学研究院 応用昆虫学 野村昌史研究室
*9月下旬公開予定のPeatixより参加チケットをお買い求めいただけるほか、当日、戸定邸入口前【総合受付】にてお受付いたします。なお、トーク・ワークショップは、チケット購入後にご案内するPeatixのURLにて10/1(火)より事前予約を開始いたします。
*一般、高校生・大学生の当日券は+500円
*トーク、ワークショップなどへの参加は別途予約制
主催:松戸市、科学と芸術の丘実行委員会
企画運営:科学と芸術の丘実行委員会、丘のマルシェ実行委員会
協力:Ars Electronica(アルスエレクトロニカ)、千葉大学大学院園芸学研究院 応用昆虫学 野村昌史研究室、遅四グランプリ実行委員会
特別協力:松戸シティガイド
後援:JOBANアートライン協議会、松戸商工会議所、一般社団法人松戸市観光協会、公益財団法人松戸市文化振興財団、公益財団法人松戸市国際交流協会、松戸市教育委員会
協賛:株式会社千葉銀行、株式会社千葉興業銀行、東京ベイ信用金庫、プラーレ松戸
※内容は予告なく変更する場合があります。予めご了承ください。
10/24(木)14:00~プレスツアー開催
10/25(金)~27日(日)に開催する「科学と芸術の丘」本祭にさきがけ、メディアの皆様向けにメイン会場・戸定が丘歴史公園、戸定邸、松雲亭のプレスツアーを実施します。
来日を予定している今年のアルスエレクトロニカでの受賞アーティストをはじめ、出展アーティストへの直接のご取材も可能です。ぜひご参加ください。
日時:2024年10月24日(木)14:00~15:30
会場:戸定邸・松雲亭・戸定が丘歴史公園(〒271-0092 松戸市松戸714番地の1)
参加アーティスト:
参加方法:フォーム【https://forms.gle/rvhYT9pkqjz4sXmG9】よりお申し込みください。
千葉県松戸市の市民が主体となってつくりあげる「科学と芸術の丘」が、2024年10月25日(金)~27日(日)に開催決定しました。科学と芸術の丘は、オーストリア・リンツに拠点を置く世界的なメディアアートの文化機関「アルスエレクトロニカ」の協力を得て毎年開催しています。
公式サイト:https://science-art-matsudo.net/
「City of Artists ~つくるをひらく~」をテーマにさまざまな展示や参加型企画を実施
“何かをつくり出すことを「アート」というのであれば、街に暮らす私たち誰しもが、「アーティスト」である、と言えるのではないか?” 。そんな問いから、今年のテーマ「City of Artists ~つくるをひらく~」が決まりました。科学と芸術の丘を通じて、能動的に「つくる」ことで得られる実感や喜びを体験していただけるような作品展示や参加型企画を実施いたします。
#エキシビジョン
世界的なメディアアートの文化機関、アルスエレクトロニカとともにキュレーションした、国内外のアーティストによる作品展示を行います。作品は戸定邸の各所にてご覧いただけます。
<メイン会場・戸定邸>
【Ars Electronica Selection 】Diane Cescutti《Nosukaay》
(C)︎Blanche Lafarge
「Nosukaay」は、西アフリカの織機とコンピューターを組み合わせ、織物機械に改造した「コンピューター」を作る初めての試みです。マンジャク(西アフリカに住む民族)が用いる織機の構造を模倣し、伝統的な織機のフレームの代わりにプラスチックの外殻を取り除いた2枚のスクリーンが設置されています。機械の神であるNosukaayは、コンピューター、マンジャクの織物の知識、数学の間にあるつながりを強調するオルタナティブな歴史についての物語を語ります。この物語は、セネガルで入手したテキストや映像資料、3D画像を組み合わせて構成されています。「Nosukaay」は、インタラクティブな作品であり、セネガルの首都ダカールの工房で作者のDiane Cescuttiと織物職人のEdimar Rosaが両手で織った腰布をキーボードとして使用し、鑑賞者はこのキーボードを用いて物語にアクセスして探求することができます。
(C)︎Ayomide Tejuoso
Diane Cescutti
Diane Cescuttiは、1998年生まれのフランスのトランスメディア・アーティストで、現在はフランスのサン・テティエンヌを拠点に制作活動を行っています。計算の誕生に織機が果たした役割に触発された彼女は、コンピューターコードの歴史をたどる中で、織物の世界に関心を持つようになります。また、織機の糸の交差をたどることは、化学の基本となる原子間の結合の形、すなわちアルゴリズムに行き着きます。歴史と未来を結びつけた考察、思索的・物語的アプローチを通じて、彼女は織物、テキスタイル、コンピューターの間に存在する歴史的、技術的、数学的、そして美的なつながりを探求しています。織物、彫刻、インスタレーション、ビデオ、3D技術などの手法を用いながら、テクノロジーとテキスタイルに対する私たちの理解、そしてそれらが知識、データ、伝統、精神性を伝える手段として果たす役割について問いかけようとしています。
【Ars Electronica Selection 】Sasha Stiles《CURSIVE BINARY》ほか
アセミック・ライティング(特定の意味を持たない文字を書くこと)とコンピュータサイエンスに影響を受けた「CURSIVE BINARY」は、人間の限界を超えた理解を目指して提案された言語であり、人間から機械への翻訳の機能的な手段であると同時に、人間と機械の協働のプロセス、特質、成果が絡み合う詩的なメタファーでもあります。この書記体系は、Sasha Stiles自身の人間の手書き文字と、機械言語の0と1を融合させて形成されており、自由に流れるような筆記体の形と、再帰的なコードパターンを対比させ、古いものと新しいもの、有機的なものと自動化されたもの、仮想と生々しいもの、肉体とノードという視覚的な二項対立を表現しています。
Sasha Stiles
Sasha Stilesは、第一世代のカルムイク系アメリカ人の詩人、言語アーティスト、AI研究者であり、テキストとテクノロジーの関係性において活動し、生成文学やブロックチェーンの詩学の先駆的な実験で知られています。伝統と遺産を革新的な創造性と意識の探求を通して再解釈し、機械時代における人間の声の役割を探求しています。「デジタルアートシーンを形成するトップアーティスト」の一人に選ばれた彼女は、MoMA、アートバーゼル、クリスティーズ、Prix Ars Electronica、Lumen Prize、Artforum、NPR、グッチなどから世界的な注目を集めています。ハーバード大学とオックスフォード大学を卒業し、実験的な文学コレクティブtheVERSEverseの共同創設者であり、人間型アンドロイドBINA48の長年の詩のメンターでもあります。彼女は、夫でスタジオパートナーのKris Bonesとニューヨーク近郊にて暮らしています。
【Ars Electronica Selection 】Peter Haider, Denise Hirtenfelder, Nicolas Naveau and Maria Pfeifer (Ars Electronica Futurelab)《Bridge 2040》
(C)️tom mesic
「Bridge 2040」は、未来への架け橋となることを目指す、誰でも短時間で楽しめるカードゲームです。このゲームは、8歳から14歳の子供たちと65歳以上の高齢者が一緒に未来の課題について考え、語り合うことを目指しています。プレイヤーは、2040年に生きる様々なキャラクターの創造的なストーリーを考え、語り合います。「科学と芸術の丘」では、あらゆる世代や背景の人々にプレイヤーとして参加していただき、カードに描かれたトレンドや問い、アート作品をヒントに、社会、経済、技術、都市計画、気候変動、健康などのテーマを探求します。さらに、フェスティバル期間中は、製作者によるガイド付きのワークショップセッションも開催されます。
(C)️Bernadette Geißler
Peter Haider, Denise Hirtenfelder, Nicolas Naveau and Maria Pfeifer (Ars Electronica Futurelab)
アルス・エレクトロニカ・フューチャーラボは、オーストリア・リンツにあるアルス・エレクトロニカの研究開発ラボとして1996年から活動をしています。2023年に同ラボのメンバーであるPeter Haider、Denise Hirtenfelder、Nicolas Naveau、Maria Pfeiferは協力し、「Futurelab Ideas Expedition」の一環として「Bridge 2040」というアイデアを実現しました。この社内コンペティションでは、社員のプロジェクトの中から毎年2つの優れたプロジェクトが選ばれます。このチームの4人の多様なクリエイターたちは、未来の課題の議論において、世代を超えた参加が促進される未来を描いています。
Sareena Sattapon《Balen(ciaga) I belong》
不平等な社会において、違う層にも人々が存在しているということに我々は気が付いたことがない。 高層タワーに住んでいる富裕層はそれを建てた労働者/移民に気が付かない。我々は社会は一つではなく多くの層にいる人々によって動いているという真実を無視している。
Sareena Sattapon
1992年タイ生まれ。現在、東京藝術大学グローバルアートプラクティス専攻博士課程在籍。パフォーマンス、インスタレーション、写真など、様々なメディアを用いて作品を制作。自身の経験や日常生活から芸術的インスピレーションを得ている。現在、サッタポンは接続性や非場所性に関連したパフォーマティブな空間力学に関心を持っている。これまでに、タイ、台湾、シンガポール、韓国、中国、インドネシア、ドイツ、ポーランド、ウクライナ、スロバキア、ノルウェー、スウェーデン、日本などで国際的に展示を行っている。
金箱淳一+首藤圭介《the blink stone》
敷きつめられた石の上を歩くたびに足元で一つひとつの石が瞬きのような光を放ちます。鑑賞者が本作品の上を歩く事で、石が内包している膨大な記憶の時間軸の中では瞬きのように過ぎ去る私たちの生の瞬間と、連綿と続くこの世界が今、この瞬間にも確かに自分と繋がっている証としてそっと光を放ちます。本作品は、ライフラインに依存しないメディアアートの可能性を提示します。たとえ人々に忘れ去られる存在となっても、踏まれればいつでも光る作品として在り続けるでしょう。
(C)️Yuki Moriya
金箱 淳一
1984年、長野県浅科村(現:佐久市)生まれ。 楽器インターフェース研究者、Haptic Designer。神戸芸術工科大学准教授。障がいの有無にかかわらず、共に音楽を楽しめる「共遊楽器」(作家による造語)を研究・開発している。作品「楽器を纏う」の開発経験を基に東京2020パラリンピック閉会式 演出協力、他クライアントワークも多数行う。作品「音鈴 - 信濃」「Vibracion Banco」は長野県立美術館に収蔵。
首藤 圭介
大分県生まれ、神奈川県在住。慶應義塾大学メディアデザイン研究科修了。女子美術大学アート・デザイン表現学科メディア表現領域准教授。
<サテライト会場>
サテライト会場での展示に参加するアーティストは、本展のために作品を制作/過去に手がけた作品を再構成します。
会場名:キテミテトナリ
住所:千葉県松戸市松戸1313(松戸駅西口徒歩6分)
《Jamscape Breath》(2023)
荒川 弘憲
1993年生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程在籍。内臓感覚とメディア環境のアレンジメントとして制作をしている。これまでに映像に宿る身体性と鑑賞者の身体との、見えないインタラクションが生じる映像インスタレーションを発表してきた。こうしたイメージを生産する身体の問題意識を引き継ぎつつ、近年は舐めて鑑賞する立体作品を展開している。主な個展に、「Jamscape Insectcage」(Room_412、東京、2021)。グループ展に、「さいたま国際芸術祭2023」(旧市民会館おおみや、埼玉、2023)など
《Quartet (self-synchronized rhythm)》(2019)
ライブコーダ/クリエイティブコーダ/前橋工科大学准教授/東京藝術大学非常勤講師/慶應義塾大学非常勤講師
田所 淳
1972年生まれ。アルゴリズムを用いた音の合成による音楽作品の制作や、ライブコーディングによる音と映像による即興演奏を行う。近年では大型映像を用いたインタラクティブなインスタレーションや没入型ドームスクリーンを用いたオーディオビジュアル作品を発表している。大学ではTouchDesigner、openFrameworks、p.js、Sounic Pi、TidalCyclesなどを用いたクリエイティブコーディングやライブコーディングについて講義を行っている。講義資料はWebサイトで公開され、多くの学生やクリエイターに利用されている。著書に「Beyond Interaction[改訂第3版] クリエイティブ‧コーディングのためのopenFrameworks実践ガイド」「演奏するプログラミング、ライブコーディングの思想と実践 ―Show Us Your Screens」など。
《hemi hemi・Typin’#1》(2023)
吉田 桃子
1989年 兵庫県生まれ、千葉県在住。京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業後、同大学大学院絵画専攻修了。音楽を聴いているときの高揚感や脳裏で想像する映像を基点として、他者と共有可能なイメージを持つ自立した絵画を制作している。 周囲の人々や現代のアイコンなどを参考にして人物像を設定、デジタルとアナログを横断する制作プロセスを通じ、実在する人間やバーチャルのアバター、アニメのキャラクターにも見えるようなハイブリッドな空気感を持つ若者の肖像を描く。
#ワークショップ
最新の科学、芸術、自然を体感するワークショップを開催します。
場所:戸定が丘歴史公園、松雲亭
参加方法:要チケット、要事前予約
※詳細は公式サイトにてご確認ください。
遅四グランプリ実行委員会《ワイルド遅四駆をつくって自然の中を走らせよう!》
日時:10/26(土)、10/27(日)共に11:00~14:30(お昼休憩あり)、15:00より丘のマルシェにてお披露目
会場:松雲亭
参加費:2,000円 ※「科学と芸術の丘」エキシビジョンのチケットが必要です。
定員:各回20名程度
対象:全年齢 ※10歳未満の方は、保護者さまと一緒にご参加ください。
遅四グランプリ実行委員会は一番遅いミニ四駆(遅四駆)を決めるレース大会「遅四グランプリ」を開催してきました。今回は、オフロード仕様のオリジナル・ワイルド遅四駆をつくって自然の中を走らせます!水戸藩最後の藩主 徳川昭武が隠居後に写真や狩猟などのレクリエーションを楽しんだという戸定が丘歴史公園でみなさんも “遅” を楽しみましょう!
千葉大学大学院園芸学研究院 応用昆虫学 野村昌史研究室《昆虫観察アウトドアワークショップ「科学と芸術の丘探検隊」》
(C)️Mari Kuzuhara
日時:10/26(土)、10/27(日)共に1.10:30~12:00 / 2.13:30~15:00
会場:戸定歴史が丘公園
参加費:500円 ※「科学と芸術の丘」エキシビジョンのチケットが必要です。
定員:各回20 名程度
対象:小学生以上 ※小学生以下の方は、保護者さまと一緒にご参加ください。
通路やお庭などを見て回り、戸定が丘歴史公園内の昆虫たちを探し出す探検隊、今年も結成します。忙しく活動中の昆虫や冬越しの準備をしている虫たちを観察して、今の時期の昆虫たちの姿を浮かび上がらせます。季節を惜しむように活動する種類や、冬を乗り切る準備に忙しい姿を探しだします。身近な場所で小さな自然を一緒に観察しましょう!雨天決行です。
#トーク
科学、芸術、自然について考える対話を実践します。
会場:戸定邸、オンライン同時配信あり
*全プログラムをYouTubeにて配信します。
科学と芸術の丘 YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCHi9PHy_eO5azkHolASEWFw
参加方法:戸定邸現地観覧は要チケット、要事前予約。オンライン視聴はチケット・予約ともに不要。
10/26(Sat)
11:00~11:15 / オープニングトーク
▷Speaker
本郷谷健次(松戸市長)*予定 ※公務の都合によって変更の可能性あり
清水陽子(Ars Electronica Futuerlab Key Researcher & Artist)
関口智子(科学と芸術の丘 総合ディレクター/一般社団法人ゼロファクトリアル代表理事)
*ほか戸定歴史館長登壇予定
11:30~12:15 / アーティストトーク
▷Speaker
金箱 淳一(中継配信)
13:00~13:45 / アーティストトーク
▷Speaker
Sareena Sattapon
14:30~15:15 / アーティストトーク
▷Speaker
Denise Hirtenfelder (Ars Electronica Futurelab)
10/27(Sun)
11:30~12:15 / アーティストトーク
▷Speaker
Sasha Stiles(収録配信)
13:00~13:45 / アーティストトーク
▷Speaker
Diane Cescutti(収録配信)
開催概要
名称:科学と芸術の丘 2024
日時:<本祭>2024年10月25日(金)/ 26日(土)10:00 ~ 16:30 、27日(日)10:00 ~ 16:00
会場:千葉県松戸市(戸定邸、松雲亭、戸定が丘歴史公園、松戸市内各所)
< メイン会場:戸定邸、松雲亭、戸定が丘歴史公園 (〒271-0092 松戸市松戸714番地の1)>
料金:一般 1,000円、高校生・大学生 900円、松戸市市民割 500円(在住/在勤/在学の方)、中学生以下 無料
出展アーティスト:Diane Cescutti、Sasha Stiles、Peter Haider/Denise Hirtenfelder/Nicolas Naveau/Maria Pfeifer (Ars Electronica Futurelab)、Sareena Sattapon、金箱淳一+首藤圭介
トーク登壇者:本郷谷健次(予定)、清水陽子、金箱淳一、Sareena Sattapon、Denise Hirtenfelder、Sasha Stiles、Diane Cescutti、関口智子
ワークショップ講師:遅四グランプリ実行委員会、千葉大学大学院園芸学研究院 応用昆虫学 野村昌史研究室
*9月下旬公開予定のPeatixより参加チケットをお買い求めいただけるほか、当日、戸定邸入口前【総合受付】にてお受付いたします。なお、トーク・ワークショップは、チケット購入後にご案内するPeatixのURLにて10/1(火)より事前予約を開始いたします。
*一般、高校生・大学生の当日券は+500円
*トーク、ワークショップなどへの参加は別途予約制
主催:松戸市、科学と芸術の丘実行委員会
企画運営:科学と芸術の丘実行委員会、丘のマルシェ実行委員会
協力:Ars Electronica(アルスエレクトロニカ)、千葉大学大学院園芸学研究院 応用昆虫学 野村昌史研究室、遅四グランプリ実行委員会
特別協力:松戸シティガイド
後援:JOBANアートライン協議会、松戸商工会議所、一般社団法人松戸市観光協会、公益財団法人松戸市文化振興財団、公益財団法人松戸市国際交流協会、松戸市教育委員会
協賛:株式会社千葉銀行、株式会社千葉興業銀行、東京ベイ信用金庫、プラーレ松戸
※内容は予告なく変更する場合があります。予めご了承ください。
10/24(木)14:00~プレスツアー開催
10/25(金)~27日(日)に開催する「科学と芸術の丘」本祭にさきがけ、メディアの皆様向けにメイン会場・戸定が丘歴史公園、戸定邸、松雲亭のプレスツアーを実施します。
来日を予定している今年のアルスエレクトロニカでの受賞アーティストをはじめ、出展アーティストへの直接のご取材も可能です。ぜひご参加ください。
日時:2024年10月24日(木)14:00~15:30
会場:戸定邸・松雲亭・戸定が丘歴史公園(〒271-0092 松戸市松戸714番地の1)
参加アーティスト:
参加方法:フォーム【https://forms.gle/rvhYT9pkqjz4sXmG9】よりお申し込みください。