伊藤万理華「”好き”と言うことは無駄にならない」想いを伝える大切さを語る【好きの方程式#03】

さまざまな分野で活躍する芸能人にインタビューし、“好きなこと・もの”との向き合い方や価値観を探る連載企画、「好きの方程式」。

今回は伊藤万理華さんにインタビュー。取材を通して、「自分が好きなものを“好き”と伝えられない」と悩む20代の背中を押します。



アイドルグループ乃木坂46の1期生として活動後、2017年に卒業。その後も個展を開催したり、舞台やドラマで役者として活躍したりと、アーティストとしての才能を開花。

今回、テレビ東京で2021年7月にスタートしたドラマ『お耳に合いましたら。』で地上波連続ドラマ初主演を務める伊藤万理華さんに、ドラマが決まった時の気持ちや“好き”という想いを伝えることの大切さについて聞いてみた。

目次

嬉しさもあったけど「なんでだろう……?」って気持ちが大きかった



ローリエプレス編集部/ami
今回、地上波連続ドラマ初主演おめでとうございます!決まった時の気持ちはいかがでしたか?


伊藤万理華さん
電話でマネージャーさんからさらっと言われたのでびっくりしたんですけど、すぐには実感が湧かなかったです。キャストのほどんどを当て書き(※)で指名してくださっていました。

※当て書きとは:映画やドラマなどで、その役を演じる役者をあらかじめ決めておいてから台本を書くこと。

ローリエプレス編集部/ami
そうだったんですね!


伊藤万理華さん
ポスター撮りをした時に「あ、本当にやるんだ」っていう実感がやっと湧いてきました。自分が地上波ドラマの主演をするというのは想像もしていなくて。

プロデューサーさんがどうやって私を発見して、選んでくれたのかが、最初に気になったことでした。喜びもあったけど、なんでだろうっていう。


ローリエプレス編集部/ami
今回演じられている美園は、ポッドキャストとチェンメシ(チェーン店グルメ)が大好き。そして、大勢の前で自分を表現することが苦手という役柄です。ご自身と似ているなと思った部分はありますか?



伊藤万理華さん
人とコミュニケーションを取ることが苦手で、気遣いをしてしまうところ。

そして、自分の好きなものを内に秘めていて、その話になるとおしゃべりが止まらなくなってしまうところが自分に似ていると思いました。


(C)「お耳に合いましたら。」製作委員会
(C)「お耳に合いましたら。」製作委員会


ローリエプレス編集部/ami
初めてポッドキャスト配信をした時の、美園のチェンメシ愛の大きさと幸せそうな表情が忘れられません……!美園はポッドキャスト配信に挑戦し、いわゆる“限界突破”をします。伊藤さんご自身も“限界突破”をしたことはありますか?


伊藤万理華さん
あります!


ローリエプレス編集部/ami
おお!どんな時ですか?


伊藤万理華さん
乃木坂46卒業後の個展「伊藤万理華の脳内博覧会」(※)で“限界突破”しました。

展示する映像の撮影は、夜から朝にかけて行われたんですけど、撮影中は被写体の私がずっと瀬戸際で崖のふちに立たされているような状態で。

もともとワンカットで撮る予定はなかったけど、その時に偶然自分とカメラマンさんとの波長が合って、最後までワンカットでダンスを踊りきったらそれがOKになりました。

あとは、今年の夏に公開する映画『サマーフィルムにのって』でも、いい意味でも悪い意味でも気を張っていて。その間も、ずっと自分以上の何かになっている感じがしました。

※「伊藤万理華の脳内博覧会」:2017年実施の、FASHION、SRT、MOVIE、RADIOを中心とした伊藤万理華さん初の個展。

(C)「お耳に合いましたら。」製作委員会
(C)「お耳に合いましたら。」製作委員会


ローリエプレス編集部/ami
そういう時ってどういった感情になるんですか?


伊藤万理華さん
なんだろう……、まさに突き抜けている感じ。よく、記憶がなくなるとか涙が止まらなくなるって言うじゃないですか。そういうのに近いです。

人は、自分が考えている以上に力を発揮すると思っているんですけど、そういうものがふとした瞬間に出たような感覚でした。


ローリエプレス編集部/ami
嬉しいとか楽しいとかいう感情では表せない、何か別のものなんですね


伊藤万理華さん
そうですね。監督や技術さんが死ぬ気で作品を手がけている場に立ち会った時に、これが物作りなんだなって実感しました。


お芝居をはじめたきっかけは、初めての個人PV撮影



ローリエプレス編集部/ami
乃木坂46をご卒業後は、お芝居の道に進まれたかと思いますが、いつ頃からどのようなきっかけで志したんですか?


伊藤万理華さん
きっかけは乃木坂46に入って初めての個人PVの撮影です。

普通だったら、みんなでPVを撮ると思うんですけど、私は最初の撮影が個人の映像作品だったんです。その時が15歳で、それからですね。

それまでお芝居や映像のことを何も知らなかったけど、あの時の空間・匂い・音、全部が自分の中でキラキラしていて、今でも鮮明に覚えています。

「ああ、私、これがやりたいんだな」って、アイドルになったばっかりなのにそう思いました。




ローリエプレス編集部/ami
もともとお芝居が好きだったというよりは、その個人PVの撮影がきっかけだったんですね!


伊藤万理華さん
そうなんですよ〜。たまたまかもしれないけど、すごい貴重な経験をさせていただいて。

あのお仕事がなかったら、「お芝居はやったことないから」って言って、踏み込めないお仕事だったかもしれません。


(C)「お耳に合いましたら。」製作委員会
(C)「お耳に合いましたら。」製作委員会


ローリエプレス編集部/ami
私としては映画『賭ケグルイ』で伊藤さんが演じられていた犬八十夢(いぬはちとむ)の役柄が、ある意味今までの伊藤さんのイメージとかけ離れていて、すごく印象的でした。

今後、挑戦してみたい役柄はありますか?


伊藤万理華さん
え〜!犬八十夢の演技は自分では納得していないんですけど、そうおっしゃっていただくことが多くて嬉しいです。

今のところ、当て書きで自分に役を与えてもらえることが続いていて。自分だからこそ引き出せる役に挑戦するべきだと思っています。

私は自分というものがすごく強かったりするけれど、役を通してだとフラットに見てもらえることも多くて。

そういう役をたくさんやっていくのが、自分のやり方に合っているのかなと思ったりします。


好きなものを「好き」と言うことで、広がることがある



ローリエプレス編集部/ami
伊藤さんの初めての個展で公開されたショートムービー『はじまりか、』ではご自身の趣味を「アイドルらしくない」とおっしゃっていましたが、今まで周りの目が気になることはありましたか?


伊藤万理華さん
乃木坂46に入った後、周りにはかわいい女の子がたくさんいたので、自分の強みや武器を探すことにしました。

その時に、自分の趣味が意外と特殊だということに気がついたんです。

育った環境的にも、親がデザイン関係の仕事をしているから、自然とデザイン性に富んだ服を選ぶことが多かったり、コケや鉱物を集めることが好きだったり。

自分の中であたりまえだと思っていたことが、個性的でアイドルっぽくないねと言われることが増えて「ああ、そうなんだ」と思いました。

悩んだこともあったけど、受け入れてくれる人がいたから私はここまで活動できたんだと思います。『はじまりか、』はその感謝を伝えたくて作りました。

基本的には乃木坂46に入る前も後も、自分が好きと思ったものは「好き」と言い続けるというスタンスは変わっていないですね。




ローリエプレス編集部/ami
好きなものを公表したことで、何か変わったことはありましたか?


伊藤万理華さん
好きなものを「好き」と言うことで、広がることはあるだろうなと思っていました。

当時はSNSが禁止だったので、ブログが自分の好きなものを発信できる唯一の場所だったんですけど、好きなものを好きなように発信していました。

もし、乃木坂46としてアイドル活動だけしていたら、今やっているようなお仕事はできていなかったんじゃないかと思います。


ローリエプレス編集部/ami
伊藤さんにとって「好き」という想いを伝えることはどんなことだと思いますか?


伊藤万理華さん
私は、以前メジャーなアイドルグループに在籍していたり、今はこうして地上波のドラマに出させていただいたりしています。

でも、それだけだと自分を見失ってしまうと思うんです。なので、自分を見失わないために好きなことは「好き」と言い続けるべきだなって思います。

美園は「好きなものを共有しないと心が死んでしまう」という言葉がきっかけで、ラジオを始めることになるんですけど、私が一番共感するところなんです。「好き」ということを言わないで溜め込んでしまったら、だんだんと気持ちが薄れちゃうのかなって。

自分の好きなものを、胸を張って「好き」と言えない人って、すごく多いじゃないですか?自分を否定されるんじゃないか、これを好きと言っていることは変なんじゃないか……って。

けれど、そんなことはなくて、勇気を出して言ってみると案外仲間ってたくさんいるんですよ。




伊藤万理華さん
私は昔から「好き」という気持ちを言い続けてきたから、今、周りには好きなことを共有できる仲間がたくさんいるんです。

仲間と共有し合って、一緒にまた何かを作れるんじゃないか、おもしろいことができるんじゃないかという話に繋がっていったり。

例えば、ダンスが好きということを言い続けていたら、10代の頃『まりっか’17』や『伊藤まりかっと。』という楽曲でダンスを教えてくれた人が、今回『お耳に合いましたら』のエンディングでも振り入れをしてくれていて。

そういうご縁が、今のお仕事にも繋がっています。だから、「好き」という想いを伝えることは決して無駄にならないと思います。


ローリエプレス編集部/ami
「好き」という想いを伝えることで、プラスに広がっていくことがたくさんあるんですね。


伊藤万理華さん
好きなものを共有して、その気持ちが伝わる人たちと物作りをしていきたい。そういう人たちとの縁をこれからも大切にしたいです。




「好き」という想い。時に、他人の目を気にしてそれを隠してしまうことがある。

しかし、勇気を持って「好き」と伝えることは、新しい仲間や可能性と出会う機会をくれたり、自分の強みとなったりすることがあるというのを忘れないでほしい。

力強く、きらきらとした瞳で「『好き』という想いを伝えることを、何よりも重視してきた」と語る。勇気を出して伝えてきた過去が、今の伊藤万理華さんを作っているのだろう。


ドラマ『お耳に合いましたら。』

(C)「お耳に合いましたら。」製作委員会
(C)「お耳に合いましたら。」製作委員会


主人公の高村美園が、あるきっかけからポッドキャスト番組をはじめていくパーソナリティ成長記。毎話、多くの人が知っている人気のチェンメシ(チェーン店グルメ)が登場!ありったけの”好き”を込めて、チェンメシ愛を語ります。

次回の放送は第6話、8月19日(木)深夜0時30分。ゲストに元乃木坂46の桜井玲香、レジェンドパーソナリティに赤江珠緒が登場。チェンメシは「ジョナサン」。お見逃しなく!

【番組概要】
木ドラ24「お耳に合いましたら。」

テレビ東京系にて毎週木曜深夜0時30分から放送中

番組公式HP
@tx_omimi 「#お耳に」
番組公式Twitter
番組公式Instagram

連動ポッドキャスト番組
「氷川きよし kiiのおかえりごはん」
「お耳に合いましたら。」



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(取材・文:ローリエプレス編集部/ami、撮影:洞澤佐智子)

この記事を書いたライター

ローリエプレス編集部/ami
平成生まれ・社会人3年目。ローリエプレス編集部メンバーのamiです♡編集部やローリエガールズの「気になるもの」「ほしいもの」をビックアップ!トレンド感のあるものから、みなさんおなじみのアイテムなど幅広くご紹介します。

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