友達はどこに消えた?占いアカウントからの最後のLINE【LINE怖い話 #14/占ってあげる 7】

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知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?

多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。

LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。

「占ってあげる」その7


謎の占いアカウント「(O_O)」の言うことを信じ、「晴香とは縁を切る」と言って聞かない友達の杏奈さん。

「(O_O)に会いに行く」と言ったきり、ブロックされたのかLINEの既読もつきませんし、SNSの更新も止まったまま。

晴香さんは、共通の知り合いにも杏奈さんの行き先を知らないかと尋ねてみましたが、手がかりは全くつかめず。

晴香さんはその次の休みに杏奈さんのアパートに行って、インターホンを鳴らしましたが、やはり誰も出ませんでした。

「例のアカウントの人に会いに行くって言ってましたけど、私にはあれが人間だとはどうしても思えなくて、杏奈が拗ねてハッタリを言ってる説も考えたんです。もう会社も辞めちゃってますし、もしかしてしばらく実家に戻っているのかもと思ったんですが、彼女の実家は知りませんし……」

杏奈さんのアパートに寄った帰り道、晴香さんはLINEを開きました。

しばらくやりとりを辞めていた例の占いアカウント「(O_O)」に話しかけてみることにしたのです。



それ以降、晴香さんが何を言っても(O_O)からの返事はありませんでした。

「私はあのアカウントが不気味で早めに手を引いていましたが、のめりこんでいたら私も杏奈と同じような結末だったかもしれません。何を聞いても全部正解を言ってくれる存在があったら、依存してしまうのも無理ないです」

杏奈さんは居場所も分からず、ずっと音信不通です。あのアカウントの正体も、杏奈さんがもういないという意味も分からないまま、現在に至ります。

最後に晴香さんは言いました。

「もうあの不気味なアカウントから返事はありませんが、ひとつ聞いてみたいことがあったんですよ。『私は杏奈のことを、友達が少なくて優柔不断で、いつも私に頼ってくる面倒臭い人だと思ってたのか』って……。自分の気持ちなのに分からないんです」

きっと知らない方がいいんでしょうけど、と言う晴香さんの声は、自分に言い聞かせるかのようでした。


次回の配信もお楽しみに。

(園田亜真理)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。

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