「今日はメイク薄いね」オンライン会議で上司に茶化されたとき、どう対応すべき?
仕事や家事、恋愛……と毎日頑張っているからこそ悩みは尽きないもの。GATTA読者のみなさんから寄せられた“ホンネ相談”に、SNSを中心に人気を集めるコラムニストのぱぴこさんがおくるアドバイスは……?
今回のお悩み
リモート勤務が多くなってきた最近。オンラインでのコミュニケーションが増えてきたので、がっつりメイクをせず薄くするように。
すると、上司に「あれ、今日メイク薄くない?」「リモートだからってちゃんとしないと~」と茶化されました。画面上だとメイクが分かりにくいんだから、リモートのときくらいメイクをお休みさせてくれてもいいのに……とモヤモヤ。
絶対に女性はしっかりメイクをしなくてはいけないの? 薄いメイクだと手を抜いているといわれてしまう女性って損してないですか?
それ、コンプライアンス違反です…!?
「ぴぴー!コンプライアンス!ハラスメントです!」とすぐレッドカードを上げたくなりますね。最悪 of 最悪 なコミュニケーション。
人の外見、特に女性の“身だしなみ”の範疇の事柄についてアレコレ言っていいと思っている人って、いったい全体自分はどの位置からモノを言っているのでしょうか。画面越しにぶっ飛ばしたくなります。
自粛でリモート勤務がドンドコ導入されている現在ですが、「リモートで服装についての”イジリ”的なコミュニケーションをされてモヤモヤする」という相談は非常に多いです。正直、私がびっくりするほどの数で、相談を読むたびにLANケーブルをぶち抜きそうになります。
「WEB会議 化粧」で検索すると…
Googleに聞いてみても、「WEB会議でも映えるお化粧」「リモートでのメイクのポイント!」「在宅勤務でも”きちんと”がマナー!」などの地獄記事が目につきます。
化粧品会社もコロナによるマスク&在宅化で、色物化粧品の売上が右肩下がりらしいので、「メイクは必要!」というプロパガンダも打ちたくなる気持ちは想像できます。ですが、相談文にもあるように「リモートのときくらいメイクとか考えなくてもよくない……?」というのが率直な感想。
女性は服装やお化粧にとにかく“マナー”という名の合理性に欠ける押し付けを受けやすく、筆者は特にその風潮を助長する記事は全体的にネガティブな印象です。「お化粧はマナー」など、いかにも義務や常識かのように思想を押し付けてくる記事から、「女性は損なのでは?」と女性自身がモヤモヤを抱えてしまうなんて言語道断です。
そもそもWEB会議に顔出しは必須じゃない
そもそも、「ビデオオンは必須なのか?」という点を考えましょう。
ルール化されてうっとうしいのであれば、他の女性メンバーとスクラムを組んで“面倒な慣習”をなくすのも手です。このとき、人事への相談も視野にいれておくとよいでしょう。
WEB会議は新しい文化なので、「こんな弊害があります!」という相談を聞き入れてもらいやすい利点はあります。手軽なのは、機器のせいにすること。「PCの調子が悪いみたいなので、ビデオを切って入ります!」と宣言してしまえば、そもそも顔を映す必要もありません。
ちなみに、弊社ではビデオは必須ではありません。上司曰く「特に女性はお化粧とかで大変なこともあるし、”ビデオオン”を必須にする必要はないでしょう」とのこと。なので、今回の相談文を読んで「ギャップ……、意識ギャップ……!」と眩暈がしました。
新しい文化で新しいハラスメント発生なんてナンセンス
コミュニケーションが取りにくい現在だからこそ、画面越しでも顔を確認できてホッとする……という側面はあるでしょう。「ビデオオンが悪!」なんて筆者も思っていません。
しかし、コミュニケーションが円滑になるポジティブな面よりも、見た目やお化粧、はたまた部屋についての言及など、プライベートへの土足での侵入といったネガティブな面が発生しがちなのも事実。使う人の意識によって、テクノロジーが蹂躙される例をこんな形で身近に感じたくなかった……。
大前提としてメイクを盛ろうが盛らなかろうが、上司にそれをイジられる筋合いはなく、それはリアルでもオンラインでも同じです。
「メイクのことに言及されるのは不快です」とはっきり言ってしまえれば一番いいですが、そう簡単じゃないのが会社生活。腹立たしいですが抵抗として“画面OFF”や“ルールの書き換え”など、取りやすい手段を取りながら、自分の心を守っていきましょう。
【画像】※zak / PIXTA(ピクスタ)