話すのは諦めるべき?政治とフェミニズムの話で友達との距離を感じたときの対処法
仕事や家事、恋愛……と毎日頑張っているからこそ悩みは尽きないもの。GATTA読者のみなさんから寄せられた“ホンネ相談”に、SNSを中心に人気を集めるコラムニストのぱぴこさんがおくるアドバイスは……?
今回のお悩み
女性の生きづらさ、政治について最近よく考えます。でも、友達との会話にその話題を出しても「よく怒っているよね」「それ、自分の身に起こってることじゃないからどうでもよくない?」という反応をされ、言外に「小難しいことを考えられる自分アピール……?」とも感じ取れてしまうような反応をもらいます。
同じように自分事として考え、署名などのアクションを起こしたり、意見を聞いてみたりしたいだけなのに。こういうとき、その話題について話すこと自体を諦めるべきでしょうか。
人間関係や環境を変える必要があるかも
話題について話すことを諦める必要はないですが、話す相手や環境を変える必要はあるかなと思いました。筆者は政治の話もフェミニズムの話も周囲の友人とよく語ります。
非常に幸運なことです。なぜなら、これらの話題を避ける層というのは一定数以上で存在するから。
政治と宗教の話はタブーという暗黙の了解
相談者さんがぶち当たっている問題ですが、政治やフェミニズム観点の会話を反射的に嫌う、何かしらの恐怖心を抱く層というのは確実にいます。
いままで恋愛やファッションや本など“生活”の話をしていたお友達は、政治やフェミニズムの話は“生活”の話だと思えないんです。これ自体は感覚的な話になるので、「自分事だよ!ちゃんと考えようよ!」と言ってみても、ますます「何をそんなに怒っているの?」と言われてしまい、距離を置かれる可能性が高いです。
相談者さんは問題意識を持ったことにより、「1人1人が意志を持って取り組むべきだし、これは私たちの生活に直結する話だよ!」とにじり寄りたい気持ちを持っていると推測します。でも残念ですがそのテンションをいくら伝えても、相手との心理的距離は広まるばかりです。
「話せる人と話す」という意識を持とう
「話したい」と思うお友達は、恐怖心や不安感を持ってしまう心理的な特性がある人たちです。これは、いい悪いではなく「宗教の話をすることを怖いと思う」「何か思想がありそうで怪訝に思う」のと同じような、反応の話です。
自分で問題意識を持つ事柄について、周囲の意見を聞きたいと思うことや、アクションを起こしたいと思うこと、どちらも素晴らしいですし、その気持ちを挫かないでほしい。また、同時に問題意識を持った自分と周囲との温度差から、今までの友人との距離が開かないでほしいとも思います。
では、どうしたらよいのか?というと、“テーマに沿った友人関係を築くこと”です。コスメが好きな子、映画が好きな子、旅行が好きな子と、「このテーマだったらこの子と話すのが一番盛り上がるな」という役割分担は誰もが持っているものです。今回はそのテーマが政治やフェミニズムに切り替わっただけ。
なので、同じテーマで深堀りができる友人関係を新しく築いてみたらどうでしょうか。ディスカッションの場で発散できれば、興味のない人に興味を持ってもらうという観点で伝える余裕も出てくるので、そのときに今のお友達と再度会話を試みては?
コロナなのでなかなか新しい場所、人と知り合うのが難しいご時世ではありますが、社会人ゼミや大学のe-larning、社会人サークル、勉強会、興味のある分野の本をテーマにしたオンライン読書会などもあります。語りたいテーマで語れる友人を得ることができるので、ぜひ今の興味を機動力にしてください。
【画像】※Graphs / PIXTA(ピクスタ)