鳴り止まないインターホン。突然通話が切れて…【LINE怖い話 #21/あなたですか? 7】
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LINE怖い話
知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「きくちあい」という人を探している、謎のアカウント「(O_O)」。「勇人を返せ」と心当たりのないことを言われながら、愛さんは(O_O)と思われる人からの嫌がらせを受け、身の危険を感じるようになっていきました。
「きくちあい」という名前の別の人を紹介することで、自分への嫌がらせをやめさせることができるという噂を知った愛さん。
愛さんの彼氏の拓也さんは「私が菊池あいです」と嘘をつき、ターゲットを自分に向けさせることで(O_O)を捕まえようとしました。
しかし拓也さんは、嘘の名前を名乗っていることをうっかり(O_O)にバラしてしまいます。開き直って「警察を呼ぶ」と(O_O)に持ちかけたところ、事態は急変しました。
愛さんに、拓也さんからLINEが入りました。
愛さんは、ただごとではないと思い拓也さんに通話を繋ぎました。通話の向こうではインターホンが連続で鳴らされ、拓也さんは「なんでいるんだよ。早すぎるだろ」と繰り返していたそうです。間違いなく(O_O)がそこに来ているのだと2人は確信しました。
愛さんはその時のことを話してくれました。
「何かあった時のために、私にこの通話で状況説明してって言ったんです。拓也は、ヤバいヤバいって言いながら窓の鍵が締まってるか全部確認して、電気も消したみたいでした。
その間もずっとピンポーン、ピンポーンって鳴ってて……。拓也は『何かあったらこれでぶん殴る』ってダンベル持ってベッドで身構えてたみたいなんですが……」
時刻は深夜1時を回った頃でした。一晩中インターホンが鳴り続けるのではと思った愛さんは、拓也さんに「警察呼んだ方がいいかもしれない」と言いました。
「拓也は少し迷ってましたが『やっぱり警察呼ぶことにするよ。いったん切るね』って言ったんです。そしたら、急にインターホンが鳴り止んで……。
数秒無音で耳をすませてたんですが、突然拓也が『マジかよ!!』って叫んで、通話は切れました。その後は何度かけても繋がりませんでした」
拓也さんは今も見つかっていません。
「春から私も東京に就職するから、一緒に暮らそうって話もしていたんですけどね。結局、上京して私1人で拓也を探しています。
拓也に何かをしたのは、あのよく分からない『(O_O)』というアカウントの人であるのは間違いないと思うんですが、警察に相談しても手がかりがなくて……」
愛さんは目を伏せて、こぶしを握りました。
「拓也のことも探してますが、あのアカウントの女も探してます。拓也にグループLINEであのアカウントを引き渡した時、彼女は『しみずりな』と名乗ってました。
拓也はもう少しあの女の情報を引き出せていたのかもしれませんが、私はすぐグループを抜けてしまったので、名前以外のことは分かりません」
愛さんは言いました。
「しみずりな、絶対許さない。拓也を返して」
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「あなたですか?」その7
「きくちあい」という人を探している、謎のアカウント「(O_O)」。「勇人を返せ」と心当たりのないことを言われながら、愛さんは(O_O)と思われる人からの嫌がらせを受け、身の危険を感じるようになっていきました。
「きくちあい」という名前の別の人を紹介することで、自分への嫌がらせをやめさせることができるという噂を知った愛さん。
愛さんの彼氏の拓也さんは「私が菊池あいです」と嘘をつき、ターゲットを自分に向けさせることで(O_O)を捕まえようとしました。
しかし拓也さんは、嘘の名前を名乗っていることをうっかり(O_O)にバラしてしまいます。開き直って「警察を呼ぶ」と(O_O)に持ちかけたところ、事態は急変しました。
愛さんに、拓也さんからLINEが入りました。
愛さんは、ただごとではないと思い拓也さんに通話を繋ぎました。通話の向こうではインターホンが連続で鳴らされ、拓也さんは「なんでいるんだよ。早すぎるだろ」と繰り返していたそうです。間違いなく(O_O)がそこに来ているのだと2人は確信しました。
愛さんはその時のことを話してくれました。
「何かあった時のために、私にこの通話で状況説明してって言ったんです。拓也は、ヤバいヤバいって言いながら窓の鍵が締まってるか全部確認して、電気も消したみたいでした。
その間もずっとピンポーン、ピンポーンって鳴ってて……。拓也は『何かあったらこれでぶん殴る』ってダンベル持ってベッドで身構えてたみたいなんですが……」
時刻は深夜1時を回った頃でした。一晩中インターホンが鳴り続けるのではと思った愛さんは、拓也さんに「警察呼んだ方がいいかもしれない」と言いました。
「拓也は少し迷ってましたが『やっぱり警察呼ぶことにするよ。いったん切るね』って言ったんです。そしたら、急にインターホンが鳴り止んで……。
数秒無音で耳をすませてたんですが、突然拓也が『マジかよ!!』って叫んで、通話は切れました。その後は何度かけても繋がりませんでした」
拓也さんは今も見つかっていません。
「春から私も東京に就職するから、一緒に暮らそうって話もしていたんですけどね。結局、上京して私1人で拓也を探しています。
拓也に何かをしたのは、あのよく分からない『(O_O)』というアカウントの人であるのは間違いないと思うんですが、警察に相談しても手がかりがなくて……」
愛さんは目を伏せて、こぶしを握りました。
「拓也のことも探してますが、あのアカウントの女も探してます。拓也にグループLINEであのアカウントを引き渡した時、彼女は『しみずりな』と名乗ってました。
拓也はもう少しあの女の情報を引き出せていたのかもしれませんが、私はすぐグループを抜けてしまったので、名前以外のことは分かりません」
愛さんは言いました。
「しみずりな、絶対許さない。拓也を返して」
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(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。