なぜバレてるの?友達の彼氏を狙う人の執念【LINE怖い話 #48/絶縁の水 6】

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知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?

多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。

LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。

「絶縁の水」その6


昔から霊感が強く、勘も鋭かった紘子さん。

ネットではやり始めた除霊スプレー「龍玉水」を川の水で薄め、「絶縁の水」という名前に変えて販売する小遣い稼ぎをしていました。

さらに、商品を購入した人には公式LINEアカウント「占いLINE藍羅」を紹介し、希望者にはLINE上で占いを行うという内職もしています。

しかしある日、絶縁の水の原液である龍玉水が、注文殺到のため販売停止となってしまいました。

「原液が入手できなくなったので、絶縁の水も生産できません。小遣い稼ぎもここまでかと思いました。除霊の効果はあるとはいえ、半分転売みたいなものですし。でも、今生き霊に憑かれているらしい奈美と、その彼氏の遥輝くんのことはやっぱり気がかりでした。あの生き霊、相当念が強そうでしたから」

占いLINE藍羅を通じて、奈美さんたちを別れさせ遥輝さんを奪おうとしている人がいると知った紘子さん。

程なくして、その張本人の(O_O)から占いLINE藍羅に連絡がありました。



紘子さんは動揺しました。

「なんで知ってるんだろうって話ですよ。販売停止のタイミングが被ってたから、勘づいたんですかね。だとしても、なんで奈美が絶縁の水を持ってることを(O_O)は知ってるんでしょうか」

紘子さんは恐ろしくなり、(O_O)のLINEには返信できませんでした。

しばらくして、奈美さんからも連絡が来ました。仕事から帰ってきたら、玄関前が水びだしになっていたと言います。

「一緒に写真も送られてきました。アパートで奈美の玄関の前だけ、水たまりができるくらい濡れていたんです。絶縁の水を濃くしたような匂いがするって言ってました。多分龍玉水ですね。奈美は心当たりがないって言ってますけど、私は(O_O)が来たんだと思いました」

いよいよ(O_O)は、奈美さんに直接嫌がらせを行うようになりました。

もう黙っていられないと思い、紘子さんは絶縁の水の購入者の中から、(O_O)を特定しようと思いましたが……。


連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。

(園田亜真理)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。

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