誰から?なぜ私に?謎解き企画への招待【LINE怖い話 #57/突然の謎解き企画 1】

友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE……。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?

それはもしかすると人ならざるものの仕業かもしれません。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。


「突然の謎解き企画」その1



絵里奈さんは、東京の大学に通う大学2年生。

真面目で誠実な性格の彼女は、常にテストで高得点を維持している優等生。

試験前には多くの友だちからノートのコピーをねだられるほど勉強熱心でした。

しかし一方で、せっかくの大学生活を勉強に費やすなんてもったいない!もっと遊べばいいのに!と友だちから軽口を言われることも。

その度に「そしたら私、見せる用のノート作れなくなっちゃうよ?」と返して友だちと笑いあう、そんな大学生活を彼女なりに楽しんでいました。

そんなある日、休み時間中に教室で本を読んでいると、スマートフォンに通知が。

確認してみると、LINEに妙なメッセージが書きこまれていました。



そこには謎解き企画を名乗る謎のアカウントからのメッセージが。

賞金が出るとうたい参加を促していますが、うさん臭すぎる上に知らないアカウントのため、絵里奈さんは警戒心を高めていました。

基本的に、知らない相手からのメッセージは無視してブロックする。それが1番安全で確実な対策方法であり、絵里奈さんもそう教わっていました。

それに、自己紹介もせずいきなり企画を宣伝してくるあたり、マナーもあまりよろしくないと感じた絵里奈さん。

「はあ、嫌な感じ。なんでこんなのが私のところに……」

基本的に面倒ごとは事前に回避する性格の絵里奈さんには、このような事態に遭遇することのほうがまれでした。必要以上に連絡先や個人情報を友達に教えたり、サイトに登録することはありません。

そのため、どこから私のアカウントを知ったのだろうかという疑問が頭に浮かぶ絵里奈さん。しかし考えたところで今は確認のしようがありません。

何はともあれ、たちの悪いイタズラだろう、後で情報源がどこからなのか調べよう。そう思ってアカウントをブロックしようとした絵里奈さん。

しかしその時、後ろから声をかけられたことで事態が変わります。

「ねえ、変な顔でスマホ見つめてどうしたの?」



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(洞 怜子)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。

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