後ろに映ってる……友人からの不可解な感想 【LINE怖い話 #66/ホラー映画観賞会 3】

友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE……。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?

それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。


「ホラー映画観賞会」その3



仕事疲れの気分転換として、テレビ放送されているホラー映画の鑑賞をしている芳子さんと響さん。

それぞれの自宅でLINEメッセージを交換しながら感想を言い合い、鑑賞会のようにしながら楽しんでいます。

“CGがリアルで思った以上に怖い”

“ヒロインの叫び声がうるさい!”

そんな感想をLINE越しに言い合いながら、2人とも鑑賞会を楽しんでいました。

夜11時半。映画は中盤辺りの展開。

画面の中では、主人公カップルが洋館の一室に閉じこもり、周囲を警戒しながらもお互いの愛を確かめているシーンが流れています。

「たとえ命に代えてでも、君は俺が守る……!」
「……それはダメ、2人で生きるのよ。絶対に」

危機的状況だからこそ、確固たる愛を確かめ合う映画の中の2人。

そんな様子を見ながら、

(ダメだこれ、死亡フラグってやつだ。2人そろって生き残れる気がしない)

芳子さんはそんなことを思い、LINEですぐに響さんに感想を伝えます。

“これ思いっきり死亡フラグじゃない?”

そうLINEで書きこんだところ、すぐに返信がありました。



返信を見て、芳子さんは首をかしげます。

“思いっきり後ろに霊が映ってる”

そう響さんは返してきましたが、先ほどのシーンで霊を見た記憶はありません。

確認しようと視線をテレビに戻しますが、ちょうどそのタイミングで別のシーンに変わってしまい、確認することはできませんでした。

「あっ……あーもう……」

見逃してしまったことを後悔する芳子さん。

ガッカリしながらも、響さんのメッセージに返信するためスマートフォンを操作します。

“幽霊どこ?ごめん私、見逃したみたい”

メッセージを送り、今度は重要なシーンを見逃すまいとテレビに視線を戻す芳子さん。

しかしこのメッセージをきっかけに、楽しい鑑賞会に影が差していくことに……。



連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。

(洞 怜子)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。

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