神にもすがる想い。友人が訪れた場所は…【LINE怖い話 #121/モデルのような高身長に 2】
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LINE怖い話
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
新作の洋服を着こなせず傷心している咲夜さんは、温泉地へ1人旅行に行くことを決意。
その報告を聞いた音々さんは、お土産をねだりつつも楽しんでくるようLINEでメッセージを送りました。
そしてそれから3日後の夜。
音々さんがいつものように就寝準備をしていると、スマートフォンにLINEのメッセージ着信音が。
確認してみると咲夜さんからで、旅行先で撮った写真のデータが何枚か送られてきていました。
そこには、白いワンピース姿で大きな帽子を被っている咲夜さんが、満面の笑みで写っていました。
その他、旅行先で食べたであろう山菜そばやソフトクリームの写真や、宿泊先の旅館とその室内、光を反射するグラスなど、様々な写真が送られてきています。
(満喫してるなぁ)
そう思って自然と笑みがこぼれる音々さん。早速詳しく話を聞こうと返信します。
写真に写っている場所の他、地元の神社にお参りをしてきたと話す咲夜さん。
“ちなみに、どんなお願いをしてきたの?”
純粋な興味でお参りの内容を聞こうとした音々さんでしたが、
“モデルも驚くような高身長にしてください、だよぉ!”
咲夜さんから返ってきたのは、魂の叫びとも言えるような文章でした。
(やば…安易に聞くんじゃなかった…)
傷心旅行であるということを忘れ、うっかり地雷を踏んでしまったことを後悔する音々さん。
“ごめんごめん、帰ってきたらまた何か奢るから許して”
“おっけー、なら約束通りお土産を買ってきてあげよう!”
“ははぁー、ありがたき幸せ!”
そんなじゃれ合いをメッセージ越しでしつつ、夜も更けてきたところでやり取りを切り上げることにした音々さんと咲夜さん。
“それじゃあお休み。明日も楽しんでね~”
“ありがとう。そっちもお休み~”
そうお互いに締め、音々さんは明かりを消してベッドに潜り込みます。
(それにしても、神様にすがるほど身長にコンプレックスあるんだなぁ…)
そう思いながら目を閉じ、咲夜さんのことを心配する音々さん。
(まあ、それで身長が伸びたら…咲夜も苦労…しない…)
考えているうちに眠気が襲い、ゆっくりと眠りに落ちていきました。
しかし、この時は音々さんも咲夜さんも知る由もありません。
“その温泉地周辺に、神社なんてものは存在しない”
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「モデルのような高身長に」その2
新作の洋服を着こなせず傷心している咲夜さんは、温泉地へ1人旅行に行くことを決意。
その報告を聞いた音々さんは、お土産をねだりつつも楽しんでくるようLINEでメッセージを送りました。
そしてそれから3日後の夜。
音々さんがいつものように就寝準備をしていると、スマートフォンにLINEのメッセージ着信音が。
確認してみると咲夜さんからで、旅行先で撮った写真のデータが何枚か送られてきていました。
そこには、白いワンピース姿で大きな帽子を被っている咲夜さんが、満面の笑みで写っていました。
その他、旅行先で食べたであろう山菜そばやソフトクリームの写真や、宿泊先の旅館とその室内、光を反射するグラスなど、様々な写真が送られてきています。
(満喫してるなぁ)
そう思って自然と笑みがこぼれる音々さん。早速詳しく話を聞こうと返信します。
写真に写っている場所の他、地元の神社にお参りをしてきたと話す咲夜さん。
“ちなみに、どんなお願いをしてきたの?”
純粋な興味でお参りの内容を聞こうとした音々さんでしたが、
“モデルも驚くような高身長にしてください、だよぉ!”
咲夜さんから返ってきたのは、魂の叫びとも言えるような文章でした。
(やば…安易に聞くんじゃなかった…)
傷心旅行であるということを忘れ、うっかり地雷を踏んでしまったことを後悔する音々さん。
“ごめんごめん、帰ってきたらまた何か奢るから許して”
“おっけー、なら約束通りお土産を買ってきてあげよう!”
“ははぁー、ありがたき幸せ!”
そんなじゃれ合いをメッセージ越しでしつつ、夜も更けてきたところでやり取りを切り上げることにした音々さんと咲夜さん。
“それじゃあお休み。明日も楽しんでね~”
“ありがとう。そっちもお休み~”
そうお互いに締め、音々さんは明かりを消してベッドに潜り込みます。
(それにしても、神様にすがるほど身長にコンプレックスあるんだなぁ…)
そう思いながら目を閉じ、咲夜さんのことを心配する音々さん。
(まあ、それで身長が伸びたら…咲夜も苦労…しない…)
考えているうちに眠気が襲い、ゆっくりと眠りに落ちていきました。
しかし、この時は音々さんも咲夜さんも知る由もありません。
“その温泉地周辺に、神社なんてものは存在しない”
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。