連絡を受け急行。そこで見上げたのは… 【LINE怖い話 #126/モデルのような高身長に 7】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
友人の咲夜さんが期日になっても旅行から帰ってこず、行方不明の状態になっていると知った音々さん。
ショックや後悔といった色んな感情が混ざり合い、思わず家の中で声を荒げてしまいます。
「どうなってんのよ、もうっ!」
吐き捨てるように言い放った後、肩で息をする音々さん。
しばらくそのまま動かずに数分が経過しましたが、その間に息を整えていきます。
(落ち着け…落ち着け…)
1度叫んだ後、深呼吸をしたことで思考がクリアになってきた音々さん。
(今、私がするべきことは…)
咲夜さんの行方を探す手伝いをするとして、自分には何ができ、何をするべきかを考えます。
そして出した結論が、
(とにかく、連絡を入れまくろう!)
咲夜さん宛てに通話やメッセージを送り続け、なんとか咲夜さん本人にコンタクトが取れないか試すことでした。
すぐに自室に戻ってスマートフォンを手に取り、LINE画面を開いて通話モードを起動します。
(お願い…出て…!)
必死に通話が繋がることを祈る音々さん。
しかし、何度コールを鳴らしても咲夜さんに繋がることはありませんでした。
「っ…!仕方ない!」
音々さんは舌打ちをすると通話を切り、文章形式でメッセージを送りました。
“返事して!無事!?”
10分間隔で同じようなメッセージを送り、合間合間に通話を挟んでいこう、音々さんはそう考えながら最初のメッセージを送りました。
しかし、
予想外でした。
4日前はまったく返信が来なかったにも関わらず、今回は音々さんのメッセージにすぐ返信が送られてきました。
しかもその内容が“貴女の家の前にいる”。
色々と驚くことばかりで一瞬思考がこんがらがった音々さんでしたが、
「咲夜っ!」
咲夜さんが無事であること、そして近くにいることを知った彼女は、自室を飛び出しました。
とりあえず会って、何があったのか詳しく聞こう。
そう思った音々さんは家の廊下を疾走し、玄関でサンダルを履いて外に飛び出しました。
「咲夜!急にウチまで来てどうし…」
玄関ドアを開け放ち、勢いよく外に飛び出した音々さん。
しかし、目の前に咲夜さんの姿はありませんでした。
その代わり、見慣れない白い柱のようなものが、玄関前に立ちそびえていました。
「え…?」
困惑した音々さんがゆっくり視線を上に動かすと、それは柱ではありませんでした。
白い色の正体は、長く伸びた手足と体の肌の色。そして身につけている白のワンピース。
2メートルをゆうに超えた高身長の女性が、太陽光を背にして立っていました。
「ぽ…ぽ…ぽ…」
逆光でよく見えない顔からは、何か声のような音が聞こえてきます。
「あ…あ…」
あり得ない光景を目の当たりにし、声を漏らしながら固まってしまう音々さん。
思わず1歩後ずさろうとした次の瞬間、
「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ!」
目の前の巨体が、何か叫びながら音々さんに覆いかぶさってきました。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
そのすぐ後、悲鳴を聞きつけた近くの通行人が音々さんの家の前にやってきました。
そこで目撃したのは、開け放たれた玄関のドアと、その前で脱ぎ捨てられているサンダルだけだったそうです。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「モデルのような高身長に」その7
友人の咲夜さんが期日になっても旅行から帰ってこず、行方不明の状態になっていると知った音々さん。
ショックや後悔といった色んな感情が混ざり合い、思わず家の中で声を荒げてしまいます。
「どうなってんのよ、もうっ!」
吐き捨てるように言い放った後、肩で息をする音々さん。
しばらくそのまま動かずに数分が経過しましたが、その間に息を整えていきます。
(落ち着け…落ち着け…)
1度叫んだ後、深呼吸をしたことで思考がクリアになってきた音々さん。
(今、私がするべきことは…)
咲夜さんの行方を探す手伝いをするとして、自分には何ができ、何をするべきかを考えます。
そして出した結論が、
(とにかく、連絡を入れまくろう!)
咲夜さん宛てに通話やメッセージを送り続け、なんとか咲夜さん本人にコンタクトが取れないか試すことでした。
すぐに自室に戻ってスマートフォンを手に取り、LINE画面を開いて通話モードを起動します。
(お願い…出て…!)
必死に通話が繋がることを祈る音々さん。
しかし、何度コールを鳴らしても咲夜さんに繋がることはありませんでした。
「っ…!仕方ない!」
音々さんは舌打ちをすると通話を切り、文章形式でメッセージを送りました。
“返事して!無事!?”
10分間隔で同じようなメッセージを送り、合間合間に通話を挟んでいこう、音々さんはそう考えながら最初のメッセージを送りました。
しかし、
予想外でした。
4日前はまったく返信が来なかったにも関わらず、今回は音々さんのメッセージにすぐ返信が送られてきました。
しかもその内容が“貴女の家の前にいる”。
色々と驚くことばかりで一瞬思考がこんがらがった音々さんでしたが、
「咲夜っ!」
咲夜さんが無事であること、そして近くにいることを知った彼女は、自室を飛び出しました。
とりあえず会って、何があったのか詳しく聞こう。
そう思った音々さんは家の廊下を疾走し、玄関でサンダルを履いて外に飛び出しました。
「咲夜!急にウチまで来てどうし…」
玄関ドアを開け放ち、勢いよく外に飛び出した音々さん。
しかし、目の前に咲夜さんの姿はありませんでした。
その代わり、見慣れない白い柱のようなものが、玄関前に立ちそびえていました。
「え…?」
困惑した音々さんがゆっくり視線を上に動かすと、それは柱ではありませんでした。
白い色の正体は、長く伸びた手足と体の肌の色。そして身につけている白のワンピース。
2メートルをゆうに超えた高身長の女性が、太陽光を背にして立っていました。
「ぽ…ぽ…ぽ…」
逆光でよく見えない顔からは、何か声のような音が聞こえてきます。
「あ…あ…」
あり得ない光景を目の当たりにし、声を漏らしながら固まってしまう音々さん。
思わず1歩後ずさろうとした次の瞬間、
「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ!」
目の前の巨体が、何か叫びながら音々さんに覆いかぶさってきました。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
そのすぐ後、悲鳴を聞きつけた近くの通行人が音々さんの家の前にやってきました。
そこで目撃したのは、開け放たれた玄関のドアと、その前で脱ぎ捨てられているサンダルだけだったそうです。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。