<朝ドラ舞台・松江発>怪談“雪女”から生まれた幻想の琥珀糖-島根県産・出西生姜を使った和のスイーツ『雪女のおやつ』新登場

物語を味わう、新しい和菓子体験。儚く美しい「雪女」の世界を、氷のように透き通る琥珀糖で表現しました。


怪談『雪女』に着想を得た和のスイーツ。島根県産・出西生姜の爽やかな香りと、氷を思わせるシャリッとした食感の琥珀糖。青く透き通るその姿は、まるで儚く消えた雪女の面影のよう。

2025年8月18日(月)、有限会社 三英堂(本社/工場:島根県松江市浜乃木1-1-53、寺町本店:島根県松江市寺町47 代表取締役:岡 英介)は、2025年秋に放送開始する松江を主な舞台としたNHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」を受け、新商品『雪女のおやつ』を開発しました。この新たな商品は、三英堂 各店舗・公式オンラインショップ(http://www.saneido.jp/)・土産店等にて販売予定です。
目次

<開発背景>

京都、金沢と並ぶ日本三大菓子処の一つである松江。松江は茶の湯文化が色濃く残る地として知られ、江戸時代には松江藩七代藩主・松平治郷公(不昧公)が茶の湯を広めたことで、四季の移ろいや自然の情景など多彩で繊細な和菓子文化が育まれました。
その伝統を受け継ぐ中で、朝ドラ「ばけばけ」の放送を受け着目したのが怪談『雪女』。雪深い山陰地方の冬景色と重なる幻想的な物語は、松江の持つしっとりとした風土や、和菓子が本来もつ「物語性」と親和性が高いものでした。
「雪女のおやつ」は、そんな松江和菓子の歴史に息づく“風景と物語を菓子に込める文化”を現代的に表現した一品です。

<商品概要>

『雪女』は、巳之吉が若い頃に雪女と遭遇し秘密を守るよう誓わされるも、結婚後にうっかり話してしまい、雪女である妻は姿を消してしまう異類婚姻譚です。禁忌を破られた雪女は、愛する者の前から消え去る運命にあります。この幻想的な怪談話にインスピレーションを受け、雪女のおやつは開発されました。
雪女が氷を食べる様子をイメージし、シャリシャリとした食感が楽しめる琥珀糖を採用。透明感のある氷のような輝きと、凍てつく空気を思わせる淡いブルーの美しい色合いに仕上げました。さらに、すっきりとした味わいを演出するため、島根県特産の「出西生姜(しゅっさいしょうが)」を使用しております。

<商品詳細>

「雪女のおやつ」は、1cm角の小さな琥珀糖を25粒詰め合わせた、手のひらサイズの和菓子。透き通るようなブルーと、シャリっとした氷のような食感が特徴で、凍てつく冬の空気と雪女の儚さを表現しました。

妖怪と云えど雪女も一人の女性としての生活があるのでは?と想像を膨らませ、疲れて帰宅し、愛猫を愛でながらくつろぎ、「雪女のおやつ」を食べているシーンをイメージして作りました。
<なぜ雪女の日常?>
開発にあたり考えたのが、”三英堂らしさ”。雪女形の琥珀糖もかわいいですが、分かりやすい「形」での表現ではなく、情緒を大切にする三英堂らしく一歩踏み込んだストーリー性を重視し、『雪女』のお話には出てこない”日常”を妄想し、構築していきました。

味わいには、島根県の特産「出西生姜」を使用。清涼感のあるやさしい辛みが口の中に広がり、物語の余韻を静かに残します。

<製造工程>

出西生姜のパウダー

出西生姜パウダーを寒天と馴染ませ、繊維質が残らないように濾していきます。


ブルーの模様を作っていきます。

出西生姜入りの寒天を流します。この工程をもう一度行います。


一晩寝かせます。

型から取り出し、手作業でカットしていきます。


カットしたら、均等に並べていき、約2日間じっくり乾燥させていきます。


パッケージは、雪のように白い小箱に”くつろぐ雪女”を描いたしおりを2パターン作成。
デザインは松江在住のイラストレーター 堀ユキさん(Instagram_@horiyuki.1101)。まるで雪女の日常を切り取ったかのようなデザインに仕上げていただきました。しおりの中には、巳之吉や子供たちと離れたあとの雪女の日常を窺い知るようなイラストも。
題字は松江市内で書道教室を営んでいる、三英堂代表取締役 岡英介の実姉である岩佐英恵さんに依頼。怪談のもつ”おどろおどろしさ”と”雪女の儚さ”を表現していただきました。

また『雪女』を”雪女視点”で再構成したお話も載せています。こちらの監修は小泉八雲研究に取り組んでおられる、島根大学法文学部 准教授 宮澤文雄先生にお願いいたしました。


しおり表面ver.1

しおり表面ver.2


しおり中ほどには雪女視点で再構成したお話を掲載。




<こだわり・苦労した点>

開発にあたって苦労したのは、青色の模様の加減でした。わずかな分量の差で印象が大きく変わるため、何度も試作を重ねて、氷のような美しさを引き出しました。
また、商品のベースとなる『雪女』の物語についても、単なる怪談ではなく「静けさの中に潜む情感」として再解釈し、その世界観が味や見た目、パッケージに自然と溶け込むよう心がけました。風味の要である出西生姜は、辛みを抑えつつも清涼感が残る絶妙なバランスを追求。さらに、パッケージデザインは10パターン以上の案から厳選し、再解釈した雪女像とお菓子の繊細さを調和させました。細部にまでこだわった一品です。

しおり案の一部1.

しおり案の一部2.


お茶菓子や贈り物としてはもちろん、文学や妖怪文化、和の世界観に親しみのある方々に向けた“語れるお菓子”としてもお楽しみいただけます。

商品名 :雪女のおやつ
価 格 :864円(税込)
内容量 :25個入
原材料 :砂糖(国内製造)、水飴、寒天、生姜粉末/着色料(青1) 
(干菓子)砂糖(国内製造)、餅粉、還元水飴、寒梅粉、白生餡(いんげん豆)、卵白(卵を含む)、麦芽糖
賞味期間:20日間(常温保存可)
発売日 :2025年9月1日(月)

<今後の展開>

9月1日(月)より販売を開始し、販売期間はドラマが終了する2026年3月末頃までを予定。

<三英堂について>


御菓子司 三英堂 寺町本店

昭和4年(1929年)島根県松江市にて創業。
優秀な製造技術と誠実さを認められ、諸茶道の御茶席菓子や芸術家の方々にご愛顧をいただいています。
<代表銘菓>不昧公 御銘「菜種の里」、河井寛次郎氏 命名「日の出前」

菜種の里

日の出前

これまでの伝統を活かしつつ、「特別な場だけでなく日々の中で長く、深く、愛される和菓子屋であること。」を目指し、日々精進しています。

tel: 本社/工場.0852-21-3403 寺町本店.0852-31-0122
mail: info@saneido.jp
Instagram: @saneido_official

<担当者コメント>


[担当者イメージ]
女将 岡 菜々子一番悩んだのは、『雪女』の物語の再解釈とそれを踏まえた新たな”雪女像”の設定です。ただの怪談ではなく“静かな情感”として再解釈し、味やデザインに落とし込んでいます。出西生姜の配合も、辛みを抑えつつ香りを引き立てるよう工夫しました。また青色の模様の加減も苦労しました。わずかな分量差で印象が変わるため、氷のような繊細さを表現できるまで試作を重ねました。たくさんの素晴らしい案の中から選んだデザインとともに、こだわった一品です。細部まで想いを込めたお菓子ですので、ぜひご賞味いただけますと幸いです。