「そいつは多分…」夢の中の子の心当たり【LINE怖い話 #26/夢の中の子 5】
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LINE怖い話
知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
キャンプ場から丸い石を持って帰ってきてから、妙な夢を見るようになり、寝坊することが多くなった健介さん。
夢の中で健介さんは誰かと一緒にあのキャンプ場をさまよい、夢と分かってもなかなか起きることができませんでした。
さらに、その夢を見ている間に「(O_O)」というアカウントと無意識にLINEをしてしまうことも謎でした。
(O_O)から送られてくるLINEの内容は、キャンプに一緒に行った亮さんのような感じもしますが、この話を彼にしたところ、自分ではないものの心当たりはあると言われました。
何を言い出すのだろう、と健介さんは思いましたが、亮さんは話を続けました。
先日健介さんと亮さんが行ったキャンプ場は、亮さんが小学4年生まで住んでいた地域で、あのキャンプ場一帯もよく遊び場になっていたそうです。
小学3年生の頃、亮さんは同い年のヒロくんという子とよく遊んでいました。
ある日ヒロくんは、健介さんが拾ったようなまん丸の石を見つけました。
見つけたのはヒロくんでしたが、岩の隙間に挟まってなかなか取ることができず、木の枝を駆使してやっと取り出せたのは亮さんでした。完全な球体に近い、綺麗な石だったそうです。
「先に見つけたのはこっちなんだから、俺のものだろ」とヒロくんは石のことで相当不機嫌になっていたようですが、幼かった亮さんは石を取り上げたまま譲ろうとしませんでした。
帰り道の雑木林で、ヒロくんの怒りは爆発。無理やり亮さんから石を奪おうとして揉み合いになりましたが、足を滑らせたヒロくんは歩道から外れ、斜面を落ちてしまいました。
それほど高い斜面ではないはずですが、落ち葉と雑草に埋もれてヒロくんの姿は見えず、声も聞こえません。
丸い石は、まだ亮さんの手の中にありました。目印にその石を足元に置き、亮さんは大人を呼びに行くため雑木林を出ました。
しかし大人を連れて戻ってきたときには、目印にしていたはずの丸い石は見当たらず、ヒロくんも見つからなかったそうです。
結局その件は未解決のまま、亮さんは翌年引越しをしました。親の転勤のタイミングでもあり、本人も地元にいづらく思うことが多かったと言います。
健介さんはその話を聞いて決心しました。
「やっぱり、あの石は手放そうと思いました。本当に、見れば見るほど魅力的に思えていたんですが、亮の話を聞いてからちょっと気味悪く感じてしまって」
石の魅力に取り憑かれていた健介さん、ようやく目が覚めたようですが……。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
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「夢の中の子」その5
キャンプ場から丸い石を持って帰ってきてから、妙な夢を見るようになり、寝坊することが多くなった健介さん。
夢の中で健介さんは誰かと一緒にあのキャンプ場をさまよい、夢と分かってもなかなか起きることができませんでした。
さらに、その夢を見ている間に「(O_O)」というアカウントと無意識にLINEをしてしまうことも謎でした。
(O_O)から送られてくるLINEの内容は、キャンプに一緒に行った亮さんのような感じもしますが、この話を彼にしたところ、自分ではないものの心当たりはあると言われました。
何を言い出すのだろう、と健介さんは思いましたが、亮さんは話を続けました。
先日健介さんと亮さんが行ったキャンプ場は、亮さんが小学4年生まで住んでいた地域で、あのキャンプ場一帯もよく遊び場になっていたそうです。
小学3年生の頃、亮さんは同い年のヒロくんという子とよく遊んでいました。
ある日ヒロくんは、健介さんが拾ったようなまん丸の石を見つけました。
見つけたのはヒロくんでしたが、岩の隙間に挟まってなかなか取ることができず、木の枝を駆使してやっと取り出せたのは亮さんでした。完全な球体に近い、綺麗な石だったそうです。
「先に見つけたのはこっちなんだから、俺のものだろ」とヒロくんは石のことで相当不機嫌になっていたようですが、幼かった亮さんは石を取り上げたまま譲ろうとしませんでした。
帰り道の雑木林で、ヒロくんの怒りは爆発。無理やり亮さんから石を奪おうとして揉み合いになりましたが、足を滑らせたヒロくんは歩道から外れ、斜面を落ちてしまいました。
それほど高い斜面ではないはずですが、落ち葉と雑草に埋もれてヒロくんの姿は見えず、声も聞こえません。
丸い石は、まだ亮さんの手の中にありました。目印にその石を足元に置き、亮さんは大人を呼びに行くため雑木林を出ました。
しかし大人を連れて戻ってきたときには、目印にしていたはずの丸い石は見当たらず、ヒロくんも見つからなかったそうです。
結局その件は未解決のまま、亮さんは翌年引越しをしました。親の転勤のタイミングでもあり、本人も地元にいづらく思うことが多かったと言います。
健介さんはその話を聞いて決心しました。
「やっぱり、あの石は手放そうと思いました。本当に、見れば見るほど魅力的に思えていたんですが、亮の話を聞いてからちょっと気味悪く感じてしまって」
石の魅力に取り憑かれていた健介さん、ようやく目が覚めたようですが……。
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(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。