「ごめんね…」友達の口から漏れた衝撃の一言【LINE怖い話 #28/夢の中の子 7】
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LINE怖い話
知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
キャンプ場から丸い石を持って帰ってきてから、妙な夢を見るようになり、寝坊が増えた健介さん。
しかも寝ている間、無意識のうちに「(O_O)」という謎のアカウントとLINEのやりとりをしていました。
一方、一緒にキャンプをした亮さんは最近誰かがずっとそばにいるような気がすると言っていました。
亮さんは、一連の怪奇現象は幼少期の友達であるヒロくんの仕業と推測。
ヒロくんは小学3年生のとき亮さんと遊んでいる間に行方不明になって、今も見つかっていないそうです。
「あの謎のアカウントに『君はヒロくん?』って聞いても答えてはくれませんでしたが、(O_O)の言うとおり丸い石は亮に渡しました。俺みたいに寝坊すんなよって言って。亮は『変な夢見ても毎朝母親が俺のこと叩き起こしてるし、夢の中で石を渡せば起きられるんでしょ?それが分かってるなら大丈夫だろ』って笑ってました。でも……」
健介さんは嫌な予感を拭えずにいましたが、それが的中してしまったようです。
翌日の朝、健介さんは久しぶりに夢を見ずにアラームの鳴った時間で起きることができました。
しかし、亮さんは午後の授業にも姿を現さなかったと言います。
2日経っても既読にならず、もしやと思った健介さん。学校終わりに亮さんの家を訪ねてみました。
亮さんの家にはキャンプに行くときに一度寄っているので、場所は把握していました。
夕方5時頃、亮さんの家の前には救急車が停まっていて、担架で彼が運ばれていくところだったそうです。
青い顔をした亮さんの母親も玄関から出てきました。
「おばさんに『学校に来ないし連絡もつかないから来てみたんですが、亮どうしたんですか』って聞いてみたんです。昨日の朝から、何をしても起きないんだって言われました。熱もないし呼吸もしっかりしてる。ただ熟睡しているようにも見えるけど、2日も起きないのはおかしいと思って病院に連れていくと言ってました。
一瞬見えた亮は確かに寝ているだけのように見えました。ただ1つ気になったのは、亮の手にはしっかりとスマホが握られていて、ずっと誰かからLINEが来ていたことです」
ロック画面には内容が表示されない設定になっていましたが、新着メッセージが来るたびに亮さんのスマホの画面が明るくなっているのを、健介さんは見ていました。
その日はなす術なく帰宅しましたが、亮さんの母親に病院を教えてもらい、後日お見舞いに行きました。
「相変わらず熟睡していましたが、ちょっとうなされているようにも見えました。寝言も言ってて……。その寝言の内容が、俺には信じられませんでした。夢の中の話だから、本当のところは分かりません。でもはっきりと『ごめんね。そんなつもりはなかったんだよ』って言ったんです」
精密検査の結果は異常なし。病院側も、なぜ目を覚まさないのか分からないと言っていました。
亮さんはまだ夢の中。寝言の真相も分からないままです。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
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「夢の中の子」その7
キャンプ場から丸い石を持って帰ってきてから、妙な夢を見るようになり、寝坊が増えた健介さん。
しかも寝ている間、無意識のうちに「(O_O)」という謎のアカウントとLINEのやりとりをしていました。
一方、一緒にキャンプをした亮さんは最近誰かがずっとそばにいるような気がすると言っていました。
亮さんは、一連の怪奇現象は幼少期の友達であるヒロくんの仕業と推測。
ヒロくんは小学3年生のとき亮さんと遊んでいる間に行方不明になって、今も見つかっていないそうです。
「あの謎のアカウントに『君はヒロくん?』って聞いても答えてはくれませんでしたが、(O_O)の言うとおり丸い石は亮に渡しました。俺みたいに寝坊すんなよって言って。亮は『変な夢見ても毎朝母親が俺のこと叩き起こしてるし、夢の中で石を渡せば起きられるんでしょ?それが分かってるなら大丈夫だろ』って笑ってました。でも……」
健介さんは嫌な予感を拭えずにいましたが、それが的中してしまったようです。
翌日の朝、健介さんは久しぶりに夢を見ずにアラームの鳴った時間で起きることができました。
しかし、亮さんは午後の授業にも姿を現さなかったと言います。
2日経っても既読にならず、もしやと思った健介さん。学校終わりに亮さんの家を訪ねてみました。
亮さんの家にはキャンプに行くときに一度寄っているので、場所は把握していました。
夕方5時頃、亮さんの家の前には救急車が停まっていて、担架で彼が運ばれていくところだったそうです。
青い顔をした亮さんの母親も玄関から出てきました。
「おばさんに『学校に来ないし連絡もつかないから来てみたんですが、亮どうしたんですか』って聞いてみたんです。昨日の朝から、何をしても起きないんだって言われました。熱もないし呼吸もしっかりしてる。ただ熟睡しているようにも見えるけど、2日も起きないのはおかしいと思って病院に連れていくと言ってました。
一瞬見えた亮は確かに寝ているだけのように見えました。ただ1つ気になったのは、亮の手にはしっかりとスマホが握られていて、ずっと誰かからLINEが来ていたことです」
ロック画面には内容が表示されない設定になっていましたが、新着メッセージが来るたびに亮さんのスマホの画面が明るくなっているのを、健介さんは見ていました。
その日はなす術なく帰宅しましたが、亮さんの母親に病院を教えてもらい、後日お見舞いに行きました。
「相変わらず熟睡していましたが、ちょっとうなされているようにも見えました。寝言も言ってて……。その寝言の内容が、俺には信じられませんでした。夢の中の話だから、本当のところは分かりません。でもはっきりと『ごめんね。そんなつもりはなかったんだよ』って言ったんです」
精密検査の結果は異常なし。病院側も、なぜ目を覚まさないのか分からないと言っていました。
亮さんはまだ夢の中。寝言の真相も分からないままです。
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(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。