それ、覚えてる。家族が揃った最後の思い出【LINE怖い話 #39/生き別れの弟 4】
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LINE怖い話
知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
小学校から高校まで同じ学校に通っていた和美さん、純さん、翔馬さん。
久しぶりに集まった3人は、空きテナントだらけで半分廃墟と化しているという近くのショッピングモールに、肝試しに行ってみました。
和美さんは偶然、閉店した店舗の公式LINEにアクセスしましたが、相手は「(O_O)」という妙な名前で、暗号のような言葉を送ってきます。
面白半分に3人のグループLINEに招待すると、(O_O)は参加してきました。
そしてなんと、純さんが(O_O)の暗号を解読。さらに、これは自分が6歳の時以来会っていない朔という弟だと言い出します。
和美さんと翔馬さんは、その弟って今生きてるの?と純さんに聞きました。こんな風に現れるなんて、生身の人間ではないと思ったのです。
純さんは父親に、母親や朔くんの居場所を聞きましたが、答えてもらえませんでした。
その後も純さんと(O_O)のやりとりは続きましたが、いまいち噛み合っていないように思えた和美さん。
「気味が悪いし、なんかもういい加減にしてほしいって思い始めて……」
和美さんはLINEを見せてくれました。
うんざりしてきた和美さんは、グループではなく2人で個人LINEをするよう呼びかけましたが、なぜか翔馬さんに止められました。
そして直後、翔馬さんから「ちょっといいかな?」とLINEが入りました。
そんな2人をよそに、純さんは朔くんとしていた思い出話の詳細を語り始めました。
純さんが幼稚園を卒園する間際。先日3人で肝試しに行ったショッピングモールでの出来事でした。
純さんたちが目を離している隙に、風船をうっかり手放してしまった朔くん。ショッピングモールの吹き抜けを飛んでいくそれを追っているうちに、迷子になったそうです。
そして、家族と風船を探しているうちに、エスカレーターから落ちてしまったと言います。
純さんが家族揃って遊びに行った記憶は、それが最後だそうです。間もなくして、純さんの両親は離婚し、弟とも離れることになりました。
当時はまだ地域にショッピングモールが1つしかなく、多少立地が悪くても人気のスポットでした。
和美さんたち3人も、中学生の頃まではよくフードコートで喋ったり、ゲームコーナーで遊んでいました。もちろん、家族でよく来た記憶もあります。
和美さんは言います。
「私、それを聞いて衝撃的なことを思い出したんです。小学校に上がる直前、あのショッピングモールで『風船!風船!』と泣きながら走っている男の子を見ました。そして、純がグループLINEでこの話をしている時、私は翔馬と個人LINEで話をしていたんですが、信じられないことを言っていて……」
翔馬さんからのLINEは、いったいどんな内容だったのでしょうか。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
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「生き別れの弟」その4
小学校から高校まで同じ学校に通っていた和美さん、純さん、翔馬さん。
久しぶりに集まった3人は、空きテナントだらけで半分廃墟と化しているという近くのショッピングモールに、肝試しに行ってみました。
和美さんは偶然、閉店した店舗の公式LINEにアクセスしましたが、相手は「(O_O)」という妙な名前で、暗号のような言葉を送ってきます。
面白半分に3人のグループLINEに招待すると、(O_O)は参加してきました。
そしてなんと、純さんが(O_O)の暗号を解読。さらに、これは自分が6歳の時以来会っていない朔という弟だと言い出します。
和美さんと翔馬さんは、その弟って今生きてるの?と純さんに聞きました。こんな風に現れるなんて、生身の人間ではないと思ったのです。
純さんは父親に、母親や朔くんの居場所を聞きましたが、答えてもらえませんでした。
その後も純さんと(O_O)のやりとりは続きましたが、いまいち噛み合っていないように思えた和美さん。
「気味が悪いし、なんかもういい加減にしてほしいって思い始めて……」
和美さんはLINEを見せてくれました。
うんざりしてきた和美さんは、グループではなく2人で個人LINEをするよう呼びかけましたが、なぜか翔馬さんに止められました。
そして直後、翔馬さんから「ちょっといいかな?」とLINEが入りました。
そんな2人をよそに、純さんは朔くんとしていた思い出話の詳細を語り始めました。
純さんが幼稚園を卒園する間際。先日3人で肝試しに行ったショッピングモールでの出来事でした。
純さんたちが目を離している隙に、風船をうっかり手放してしまった朔くん。ショッピングモールの吹き抜けを飛んでいくそれを追っているうちに、迷子になったそうです。
そして、家族と風船を探しているうちに、エスカレーターから落ちてしまったと言います。
純さんが家族揃って遊びに行った記憶は、それが最後だそうです。間もなくして、純さんの両親は離婚し、弟とも離れることになりました。
当時はまだ地域にショッピングモールが1つしかなく、多少立地が悪くても人気のスポットでした。
和美さんたち3人も、中学生の頃まではよくフードコートで喋ったり、ゲームコーナーで遊んでいました。もちろん、家族でよく来た記憶もあります。
和美さんは言います。
「私、それを聞いて衝撃的なことを思い出したんです。小学校に上がる直前、あのショッピングモールで『風船!風船!』と泣きながら走っている男の子を見ました。そして、純がグループLINEでこの話をしている時、私は翔馬と個人LINEで話をしていたんですが、信じられないことを言っていて……」
翔馬さんからのLINEは、いったいどんな内容だったのでしょうか。
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(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。