何を表しているの…?謎のアカウントからの怪文書【LINE怖い話 #60/突然の謎解き企画 4】

友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE……。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?

それはもしかすると人ならざるものの仕業かもしれません。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。


「突然の謎解き企画」その4



麻耶さんからの提案で、謎解き企画の内容を聞くことにした絵里奈さん。

企画を持ちこんだ謎のアカウントにメッセージを送ると、暗号を解いてその場所までたどり着くことが目的になるとの説明が。

そして、その暗号が絵里奈さんのLINEに送られてきました。

「きた!」

着信通知が鳴ると同時に、絵里奈さんと麻耶さんはスマホ画面を覗きこみました。



謎のアカウントからは、このようなメッセージが届きました。

“天にそびえる大木の下、小さな梅が夕日を追いかけ、魚が星を食べるとき、その後ろで悪魔が笑う”

この文章の意味を解読し、その場所を探し出せということでしょう。

「んー、まさに怪文書って感じだけど、絵里奈はこれの意味分かる?」

「いや……さすがにそんなすぐに分からないよ」

「そっかー。絵里奈はこういうの得意そうなイメージあったけど。ほら、漫画で出てくる、すぐひらめいてニヤつく天才的な……」

「私のイメージってそんな感じなわけ!?」

「あはは、冗談冗談。まあそういう言動してる絵里奈も見てみたいかもだけど」

「絶対やらないからね、まったくもう……」

そんな軽口をはさみながら、暗号の解読に挑戦する絵里奈さんと麻耶さん。しかし次第に口数は少なくなり、最後には2人とも無言で考えこんでいました。

いくら考えても答えは出ず、時間だけが過ぎていきます。

そして、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り、麻耶さんが大きくため息をつきました。

「あーあ、仕方ない。また後で考えてみるかー」

麻耶さんはそう言うと、自分のスマホを取り出して暗号をメモしていきました。

「んじゃ、私は別の教室だからそっち行くわ。それ終わったらそのまま帰るんでよろしく」

「うん、私は別の講義あるから、また来週」

「はーい、じゃあね~」

軽く手を振りながら、教室を出ていく麻耶さん。

絵里奈さんはそんな麻耶さんを見送りながら、

「……はあ、まあ暇つぶし程度に考えてみようかな」

そう呟き、講義が終わった後に引き続き挑戦してみようと思うのでした。



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(洞 怜子)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。

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