記憶にない…。飲み明けの朝に来ていたLINE【LINE怖い話 #50/さりげない助言 1】

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知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?

多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。

LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。

「さりげない助言」その1


紗知さんは26歳のOL。東京で1人暮らしをしています。

前日は金曜日で、たまに行くバーでとある男性と知り合い、意気投合しました。

終盤のことはあまり覚えていませんが、自分のことをやたらと打ち明けた記憶はなんとなくあります。

昼過ぎに家で目を覚ますと、LINEが入っていました。



紗知さんはちょっと恥ずかしくなりました。

「バーで会ったのは篠原さんという男性なんですけど、3歳年上で、話してて楽しいしすごくいい人だったんですよ。こんなふうにLINEでも気づかってくれて……。でも私、どれだけ自分のことを話したんでしょう。多分この感じだと、次の日に友達と映画を観に行くって話もしちゃってますね」

それ以外には、自分の元彼の話をしたのだろうと紗知さんはなんとなく考えました。というのも、昨夜は夢に元彼が出てきたのです。

「引きずっているのとはまた少し違うんですけど、夢に出てくると目が覚めてからも気が沈みます……。私としてはもう忘れてしまいたいんですけどね」

その日の二日酔いはそんなに酷いものではありませんでしたが、半信半疑でチーズを食べると、ピタリと頭痛が治りました。

そして篠原さんの言うとおり、地下鉄は運転を見合わせていました。

紗知さんは、ほんの少し違和感を覚えていました。

この時はまだ気のせいだと自分に言い聞かせていましたが……。


連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。

(園田亜真理)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。

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