急に何?ささいなやりとりに覚えた違和感【LINE怖い話 #51/さりげない助言 2】

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知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?

多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。

LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。

「さりげない助言」その2


紗知さんは、とあるバーで篠原さんという3歳年上の男性に知り合い、その後しばらくLINEでやりとりするようになりました。

しかし、紗知さんはなんとなく違和感を覚えています。

「よく気がつく人だなあって最初は思ってたんですけど、ちょっと度がすぎているような気がしてきて……。この前も、地下鉄は止まってるから別ルートで行った方がいいって、家を出る前にLINEしてくれましたけど……それって、私の家の最寄り駅と行き先を知らなければ、アドバイスできないじゃないですか。前日に会った時に、そんなに詳しく話したかなって思って。まあ、飲みすぎてあんまり記憶のない私も悪いんですけど……」

そんな時、紗知さんの違和感をさらに強める出来事が起きました。

「全然別の話題で話していたんですけど、向こうが脈絡なくこんなことを言い始めて……」



紗知さんは、次の休みに友達とシーシャを吸いに行くことにしていました。

お店の候補を3つにまで絞りましたが、紗知さんも友達も初めてのため選び方が分からず、篠原さんに相談していたようです。

「急に『エアコンつけっぱなしで外出しちゃった』って、前の話題を遮ってまで言うほどのことでもないじゃないですか。でもちょうどその時、私は家を出てすぐのところで信号待ちしてて、しかもその日に限って私も、エアコンつけっぱなしだったんですよ。篠原さん、まるで私にそれを思い出させるようなタイミングで言ってきて……」

偶然にしては少しタイミングがよすぎると感じる紗知さん。

それでも、篠原さんに対してはまだ自然に振る舞うよう努めました。


連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。

(園田亜真理)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。

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