ブロックしたのに?謎のメッセージのことを相談すると…【LINE怖い話 #79/私を呼ぶのは誰? 2】
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LINE怖い話
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE……。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
学校帰りの途中で“なな”と名乗るアカウントから、唐突に「来て」というメッセージが送られてきた杏奈さん。
何かのイタズラだと思い、杏奈さんはすぐにそのアカウントをブロック。無視して帰宅し、そのことは忘れようとしました。
翌日。
昨日と同じように、部活帰りで遅くなった杏奈さん。
今日は水泳部の練習でいいタイムを出すことができ、いつもより上機嫌で帰路に着きます。
「これなら大会でも結果出せるかな~?」
そんなことを考えながら、いつも通り河原にかかった橋の上を歩きます。しかしその時、杏奈さんのスマートフォンからメッセージ着信音が。
何かと思って確認すると、
“はやくきて”
“なな”と名乗るアカウントから、再びメッセージが送られてきていました。
「は……はぁ?」
杏奈さんは思わず声を出してしまいました。
存在をすっかり忘れていたところの不意打ち、というのもありますが、昨日このアカウントはブロック設定を行い、新たにメッセージを受け取ることはないはずです。
しかし、なぜか再び同じアカウントからメッセージが。そのため杏奈さんは軽いパニックになってしまったのです。
杏奈さんは急いでブロック設定を見直します。しかしそこには、昨日ブロック設定した形跡すら残っていませんでした。
「何なのよ……!」
“なな”のアカウントを再びブロック設定に入れながら、悪態をつく杏奈さん。
楽しい気分は一転、昨日よりも憂鬱な気分で帰路につくことになりました。
その日の夜。
杏奈さんはベッドの上で悩んでいました。
知らないアカウントからメッセージが来るということは、どこかで自分のアカウント情報が漏れているということです。
不安になった杏奈さんは、自分のアカウントを変更するべきかどうか悩んでいました。
「……相談してみようかな」
そう思い立って連絡を入れたのは、同級生の友人である真奈美さん。
最近スマートフォンを買い替え、その際にLINEのアカウントも変更していたため相談相手には適役だと判断しました。
杏奈さんはLINE越しで、知らないアカウントからメッセージが来ることを真奈美さんに報告し、アカウント変更を考えていることを伝えます。
それに対し「どんなやつがメッセージ送って来るの?」と問われたため、杏奈さんは経緯を説明しました。
真奈美さんの話では、自分のところにも“なな”と名乗るアカウントからメッセージをもらっているとのことです。
しかも、部活で帰りが遅くなった時という部分も一緒でした。
「本当に何なのよ……!?」
ブロック設定しても送りつけてくる上に、帰りが遅く辺りが暗くなっているときにコンタクトを取って来る、素性の知らない相手。
杏奈さんは怖くなり、やはりアカウントを変えるべきかと真剣に考え、真奈美さんに相談しました。
“もしかしたらブロック設定ミスってただけかもしれないし”
“そのななってやつ以外にも変なアカウントからメッセ来たら、個人情報漏れてるかもだから変更したほうがいいかも”
真奈美さんはそう答え、様子を見てやはり不安だったら変更することを推奨してきました。
杏奈さんは了承し、様子を見つつアカウント変更を視野に入れることを決意。
お礼を言って会話を終了すると、相談して気が楽になったおかげかすぐに眠気が襲ってきました。
「……寝よ」
スマートフォンを枕元に置き、そのまま杏奈さんは就寝。
不安を忘れ去るように、深い眠りに落ちていきます。
翌日、その“なな”と名乗るアカウントと深く関わることになるとも知らずに……。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「私を呼ぶのは誰?」その2
学校帰りの途中で“なな”と名乗るアカウントから、唐突に「来て」というメッセージが送られてきた杏奈さん。
何かのイタズラだと思い、杏奈さんはすぐにそのアカウントをブロック。無視して帰宅し、そのことは忘れようとしました。
翌日。
昨日と同じように、部活帰りで遅くなった杏奈さん。
今日は水泳部の練習でいいタイムを出すことができ、いつもより上機嫌で帰路に着きます。
「これなら大会でも結果出せるかな~?」
そんなことを考えながら、いつも通り河原にかかった橋の上を歩きます。しかしその時、杏奈さんのスマートフォンからメッセージ着信音が。
何かと思って確認すると、
“はやくきて”
“なな”と名乗るアカウントから、再びメッセージが送られてきていました。
「は……はぁ?」
杏奈さんは思わず声を出してしまいました。
存在をすっかり忘れていたところの不意打ち、というのもありますが、昨日このアカウントはブロック設定を行い、新たにメッセージを受け取ることはないはずです。
しかし、なぜか再び同じアカウントからメッセージが。そのため杏奈さんは軽いパニックになってしまったのです。
杏奈さんは急いでブロック設定を見直します。しかしそこには、昨日ブロック設定した形跡すら残っていませんでした。
「何なのよ……!」
“なな”のアカウントを再びブロック設定に入れながら、悪態をつく杏奈さん。
楽しい気分は一転、昨日よりも憂鬱な気分で帰路につくことになりました。
その日の夜。
杏奈さんはベッドの上で悩んでいました。
知らないアカウントからメッセージが来るということは、どこかで自分のアカウント情報が漏れているということです。
不安になった杏奈さんは、自分のアカウントを変更するべきかどうか悩んでいました。
「……相談してみようかな」
そう思い立って連絡を入れたのは、同級生の友人である真奈美さん。
最近スマートフォンを買い替え、その際にLINEのアカウントも変更していたため相談相手には適役だと判断しました。
杏奈さんはLINE越しで、知らないアカウントからメッセージが来ることを真奈美さんに報告し、アカウント変更を考えていることを伝えます。
それに対し「どんなやつがメッセージ送って来るの?」と問われたため、杏奈さんは経緯を説明しました。
真奈美さんの話では、自分のところにも“なな”と名乗るアカウントからメッセージをもらっているとのことです。
しかも、部活で帰りが遅くなった時という部分も一緒でした。
「本当に何なのよ……!?」
ブロック設定しても送りつけてくる上に、帰りが遅く辺りが暗くなっているときにコンタクトを取って来る、素性の知らない相手。
杏奈さんは怖くなり、やはりアカウントを変えるべきかと真剣に考え、真奈美さんに相談しました。
“もしかしたらブロック設定ミスってただけかもしれないし”
“そのななってやつ以外にも変なアカウントからメッセ来たら、個人情報漏れてるかもだから変更したほうがいいかも”
真奈美さんはそう答え、様子を見てやはり不安だったら変更することを推奨してきました。
杏奈さんは了承し、様子を見つつアカウント変更を視野に入れることを決意。
お礼を言って会話を終了すると、相談して気が楽になったおかげかすぐに眠気が襲ってきました。
「……寝よ」
スマートフォンを枕元に置き、そのまま杏奈さんは就寝。
不安を忘れ去るように、深い眠りに落ちていきます。
翌日、その“なな”と名乗るアカウントと深く関わることになるとも知らずに……。
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(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。