まさか…!?報道されたのは、身に覚えのある名前【LINE怖い話 #81/私を呼ぶのは誰? 4】
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LINE怖い話
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE……。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
“なな”と名乗る謎のアカウントに、思わず返信をした杏奈さん。
居場所を聞こうとしたタイミングで母親から買い物を頼まれ、結局聞きそびれたままやり取りは終わってしまいました。
その日の夜。
杏奈さんは両親と一緒に夕飯を食べていました。
今日の夕飯は肉じゃが。それを煮込む際に醤油が足りないことに気づき、杏奈さんに買うのを頼んだとのことです。
作り始める前に気づいてよ~、と呆れつつ、よく染みたジャガイモを味わう杏奈さん。
その時、テレビから気になるニュースが流れてきました。
「2日前から女子中学生が行方不明になっており、警察が捜査をしております」
行方不明者のニュースでしたが、気になったのはその子の在住地。なんと杏奈さんが住んでいる町でした。
「やだ、この町じゃないの。早く見つかるといいけど……」
母親はそう呟いていましたが、杏奈さんが気になっているのはそこだけではありませんでした。
「行方がわからなくなっているのは神崎菜々さん。警察は事件に巻き込まれた可能性もあるとして捜索を急いでおり、近隣住民への聞き込みを開始しております」
行方不明者は神崎“菜々”さん。メッセージを送って来た謎のアカウントの名前と同じです。
「近いうちにウチにも聞き込みが来るかもな」
父親がそう言って心構えをしようと話しますが、杏奈さんは話半分にしか聞いていませんでした。
“なな”というアカウントは神崎菜々さんなのか?
それが気になって仕方がない杏奈さんでした。
夕食を終え、自室に戻った杏奈さんはLINEの画面を開いていました。
“なな”というアカウントは、本当に神崎菜々さんなのだろうか?
“トーク相手がいません”と表示されてはいましたが、ダメもとで杏奈さんはメッセージを送ってみました。
少しずつ時間を空けながら、3つ連続でメッセージを送った杏奈さん。
これで神崎菜々さん本人であった場合、警察に連絡しようと考えていました。
しかし、いくら待っても返事は来ず、表示も“トーク相手がいません”のままでした。
「もしかして違うのかな……」
返信が来ないことにもどかしさを感じつつも、向こうが無反応ならどうしようもないと諦める杏奈さん。
もういいや、とスマートフォンをベッドに投げ置き、入浴準備のために自室から出ていきました。
画面には、杏奈さんが“なな”と会話をしていたLINE画面が表示されており、次第にスリープモードに移行してゆっくりと暗くなっていきます。
会話の相手は本当に神崎菜々さんなのでしょうか?
そして、菜々さんは今どこにいるのでしょうか……?
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「私を呼ぶのは誰?」その4
“なな”と名乗る謎のアカウントに、思わず返信をした杏奈さん。
居場所を聞こうとしたタイミングで母親から買い物を頼まれ、結局聞きそびれたままやり取りは終わってしまいました。
その日の夜。
杏奈さんは両親と一緒に夕飯を食べていました。
今日の夕飯は肉じゃが。それを煮込む際に醤油が足りないことに気づき、杏奈さんに買うのを頼んだとのことです。
作り始める前に気づいてよ~、と呆れつつ、よく染みたジャガイモを味わう杏奈さん。
その時、テレビから気になるニュースが流れてきました。
「2日前から女子中学生が行方不明になっており、警察が捜査をしております」
行方不明者のニュースでしたが、気になったのはその子の在住地。なんと杏奈さんが住んでいる町でした。
「やだ、この町じゃないの。早く見つかるといいけど……」
母親はそう呟いていましたが、杏奈さんが気になっているのはそこだけではありませんでした。
「行方がわからなくなっているのは神崎菜々さん。警察は事件に巻き込まれた可能性もあるとして捜索を急いでおり、近隣住民への聞き込みを開始しております」
行方不明者は神崎“菜々”さん。メッセージを送って来た謎のアカウントの名前と同じです。
「近いうちにウチにも聞き込みが来るかもな」
父親がそう言って心構えをしようと話しますが、杏奈さんは話半分にしか聞いていませんでした。
“なな”というアカウントは神崎菜々さんなのか?
それが気になって仕方がない杏奈さんでした。
夕食を終え、自室に戻った杏奈さんはLINEの画面を開いていました。
“なな”というアカウントは、本当に神崎菜々さんなのだろうか?
“トーク相手がいません”と表示されてはいましたが、ダメもとで杏奈さんはメッセージを送ってみました。
少しずつ時間を空けながら、3つ連続でメッセージを送った杏奈さん。
これで神崎菜々さん本人であった場合、警察に連絡しようと考えていました。
しかし、いくら待っても返事は来ず、表示も“トーク相手がいません”のままでした。
「もしかして違うのかな……」
返信が来ないことにもどかしさを感じつつも、向こうが無反応ならどうしようもないと諦める杏奈さん。
もういいや、とスマートフォンをベッドに投げ置き、入浴準備のために自室から出ていきました。
画面には、杏奈さんが“なな”と会話をしていたLINE画面が表示されており、次第にスリープモードに移行してゆっくりと暗くなっていきます。
会話の相手は本当に神崎菜々さんなのでしょうか?
そして、菜々さんは今どこにいるのでしょうか……?
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。