これは…!?河を下って見つけたもの 【LINE怖い話 #83/私を呼ぶのは誰? 6】
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LINE怖い話
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE……。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
“なな”と名乗るアカウントから助けを求められ、河の先にいると伝えられた杏奈さん。
助けなくてはいけない、という意識がどこからか強く芽生えた杏奈さんは、河を下って雑木林の中へと入っていきます。
夕暮れ時。木々の影が長く伸び、辺り一面を少しずつ暗くしていきます。
そんな中、杏奈さんは必死になって“なな”の手がかりになるものを捜索。
暗くなっても大丈夫、最悪の場合はスマートフォンのライトで照らしながら帰ればいい。そんなことを思いながら、河沿いを歩いていきます。
「何か……何かないかな……」
河とその周辺を注意深く観察する杏奈さん。その瞳は夕焼けを反射する水面で赤く染まっています。
そして雑木林に入ってから20分ほど経過したとき、
ポチャン……。
河のどこかで、軽く水しぶきが上がるような音がしました。
「ん……?」
何だろうと思い、周囲をくまなく調べる杏奈さん。すると、河原の近くで何かが落ちているのを発見。急いで近づき拾い上げました。
「くつ……!?」
それは運動用のスニーカーでした。元々は灰色の靴のようですが、土や水による汚れで全体が茶色く染まっています。
どこかに名前が書かれていないかどうか確認しますが、汚れや損傷状態が激しくそれらしいものは見つかりませんでした。
「……聞いてみよう」
これが“なな”のスニーカーであるのか確認したほうがいいと判断した杏奈さんは、LINEを開いて確認のメッセージを送りました。
“そう”と明確な答えが帰ってきて、スニーカーの所有者であることがわかりました。
“なな”は神崎菜々さんで、きっとこの前の大雨で河に流されてしまい、一命を取りとめたもののどこかで助けを待っている状態である、そう杏奈さんは確信しました。
「はやく……助けにいかなきゃ」
そう呟き、河を下る足を速める杏奈さん。
手遅れになる前に私が行かなくてはと思い、どんどん雑木林の奥深くへ入っていきます。
日が沈み、辺り一面は暗闇に包まれていましたが、杏奈さんは全く気にしていないようでした。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「私を呼ぶのは誰?」その6
“なな”と名乗るアカウントから助けを求められ、河の先にいると伝えられた杏奈さん。
助けなくてはいけない、という意識がどこからか強く芽生えた杏奈さんは、河を下って雑木林の中へと入っていきます。
夕暮れ時。木々の影が長く伸び、辺り一面を少しずつ暗くしていきます。
そんな中、杏奈さんは必死になって“なな”の手がかりになるものを捜索。
暗くなっても大丈夫、最悪の場合はスマートフォンのライトで照らしながら帰ればいい。そんなことを思いながら、河沿いを歩いていきます。
「何か……何かないかな……」
河とその周辺を注意深く観察する杏奈さん。その瞳は夕焼けを反射する水面で赤く染まっています。
そして雑木林に入ってから20分ほど経過したとき、
ポチャン……。
河のどこかで、軽く水しぶきが上がるような音がしました。
「ん……?」
何だろうと思い、周囲をくまなく調べる杏奈さん。すると、河原の近くで何かが落ちているのを発見。急いで近づき拾い上げました。
「くつ……!?」
それは運動用のスニーカーでした。元々は灰色の靴のようですが、土や水による汚れで全体が茶色く染まっています。
どこかに名前が書かれていないかどうか確認しますが、汚れや損傷状態が激しくそれらしいものは見つかりませんでした。
「……聞いてみよう」
これが“なな”のスニーカーであるのか確認したほうがいいと判断した杏奈さんは、LINEを開いて確認のメッセージを送りました。
“そう”と明確な答えが帰ってきて、スニーカーの所有者であることがわかりました。
“なな”は神崎菜々さんで、きっとこの前の大雨で河に流されてしまい、一命を取りとめたもののどこかで助けを待っている状態である、そう杏奈さんは確信しました。
「はやく……助けにいかなきゃ」
そう呟き、河を下る足を速める杏奈さん。
手遅れになる前に私が行かなくてはと思い、どんどん雑木林の奥深くへ入っていきます。
日が沈み、辺り一面は暗闇に包まれていましたが、杏奈さんは全く気にしていないようでした。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。