お父さんのこと…?呼び方が変わっている文章 【LINE怖い話 #87/母と祖母 3】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
風邪のため自宅で休みつつ、祖母宅で遺品整理をしている母親の報告を受ける美乃利さん。
色んなことを配慮してくれる母親の優しさに感謝しながら、その日は再び眠りにつきました。
翌日の朝。
昨日の昼から布団に入り、途中で起きはしたものの布団の中で何もせず転がっていた美乃利さん。結果、朝まで寝ていることになりました。
(ちょっと寝すぎたかな)
眠りから覚めた美乃利さんは、朝食を食べるためにリビングへ。
そこで、昨日から机の上に置きっぱなしにしていたスマートフォンに気づきました。
(しまった、昨日のお昼から置いたままだった!)
母親から連絡がきていたら返信ができていないと思い、慌ててLINEの確認を行う美乃利さん。
美乃利さんが眠る前に1件、母親からメッセージが送られた形跡はありました。しかしすでに削除されており、読むことができない状態となっています。
(誤送信でもしたのかな?)
疑問に思った美乃利さんでしたが、わざわざ聞くほどでもないと思い気にしないことに。
それ以外のメッセージは送られていなかったため、安心して朝食の準備に取りかかりました。
その日の夜。
体調もよくなりはじめ、心身ともに余裕ができてきた美乃利さん。
今日は見たい番組もあったため、夕飯の後は毛布を被りつつテレビを見ることにしました。
(風邪が完全に治ったら、この店行こう…!)
話題の店をリポートする番組を見ながら、固く決意をする美乃利さん。
その時、そばに置いておいたスマートフォンからメッセージ着信音が。
確認してみると、遺品整理に関する母親からの進捗報告でした。
多量の蔵書を処分したと報告する母親でしたが、最後のメッセージを読んで美乃利さんは首を傾げました。
(…息子って、お父さんのことだよね?)
“自分のためにも息子のためにも”と書き、まるで自分が祖母であるような文面のメッセージ。
わざわざお父さん、夫である人物を息子と表現する意図がわからず、しばらく考え込んだ美乃利さん。
(…昔、おばあちゃんからそういう話を聞いて、それをそのまま引用したのかな)
当時の祖母の台詞をそのまま書いているだけ、そう結論付けました。
(こだわってるなんて話、初めて聞いたけど…お母さんとおばあちゃんって仲良かったのかな?)
自分の知らないところでそんな会話をしていたのかと想像し、祖母のことをもっと知りたいと思う美乃利さん。
そのタイミングで、つけていたテレビの番組が次のコーナーに移行しました。
「あっ!お店の情報全部見れなかった!」
スマートフォンに目を向けていたため、肝心な部分を見逃してしまった美乃利さん。
次のコーナーでは見逃しがないよう、この先はテレビに集中することに決めてLINEの会話を切り上げました。
当然、今までの母親とのLINE会話で抱いた違和感について、深く考えることもありませんでした…。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「母と祖母」その3
風邪のため自宅で休みつつ、祖母宅で遺品整理をしている母親の報告を受ける美乃利さん。
色んなことを配慮してくれる母親の優しさに感謝しながら、その日は再び眠りにつきました。
翌日の朝。
昨日の昼から布団に入り、途中で起きはしたものの布団の中で何もせず転がっていた美乃利さん。結果、朝まで寝ていることになりました。
(ちょっと寝すぎたかな)
眠りから覚めた美乃利さんは、朝食を食べるためにリビングへ。
そこで、昨日から机の上に置きっぱなしにしていたスマートフォンに気づきました。
(しまった、昨日のお昼から置いたままだった!)
母親から連絡がきていたら返信ができていないと思い、慌ててLINEの確認を行う美乃利さん。
美乃利さんが眠る前に1件、母親からメッセージが送られた形跡はありました。しかしすでに削除されており、読むことができない状態となっています。
(誤送信でもしたのかな?)
疑問に思った美乃利さんでしたが、わざわざ聞くほどでもないと思い気にしないことに。
それ以外のメッセージは送られていなかったため、安心して朝食の準備に取りかかりました。
その日の夜。
体調もよくなりはじめ、心身ともに余裕ができてきた美乃利さん。
今日は見たい番組もあったため、夕飯の後は毛布を被りつつテレビを見ることにしました。
(風邪が完全に治ったら、この店行こう…!)
話題の店をリポートする番組を見ながら、固く決意をする美乃利さん。
その時、そばに置いておいたスマートフォンからメッセージ着信音が。
確認してみると、遺品整理に関する母親からの進捗報告でした。
多量の蔵書を処分したと報告する母親でしたが、最後のメッセージを読んで美乃利さんは首を傾げました。
(…息子って、お父さんのことだよね?)
“自分のためにも息子のためにも”と書き、まるで自分が祖母であるような文面のメッセージ。
わざわざお父さん、夫である人物を息子と表現する意図がわからず、しばらく考え込んだ美乃利さん。
(…昔、おばあちゃんからそういう話を聞いて、それをそのまま引用したのかな)
当時の祖母の台詞をそのまま書いているだけ、そう結論付けました。
(こだわってるなんて話、初めて聞いたけど…お母さんとおばあちゃんって仲良かったのかな?)
自分の知らないところでそんな会話をしていたのかと想像し、祖母のことをもっと知りたいと思う美乃利さん。
そのタイミングで、つけていたテレビの番組が次のコーナーに移行しました。
「あっ!お店の情報全部見れなかった!」
スマートフォンに目を向けていたため、肝心な部分を見逃してしまった美乃利さん。
次のコーナーでは見逃しがないよう、この先はテレビに集中することに決めてLINEの会話を切り上げました。
当然、今までの母親とのLINE会話で抱いた違和感について、深く考えることもありませんでした…。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
ライフスタイルに関する人気キーワード一覧
この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。